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愛知県の2025年度事業

ページID:0609923 掲載日:2026年4月20日更新 印刷ページ表示
13 気候変動に具体的な対策を14 海の豊かさを守ろう

三河湾におけるブルーカーボン推進の取組について【2025年度事業】

1 アマモ場再生に向けた実証実験(モニタリング)

 2023年度に実施した藻場生育条件調査の結果に基づいて、2024年度に、海洋環境が異なる地域の比較分析のため、南知多町片名と西尾市佐久島の2地点において、手法や条件を変えてアマモの種まき(播種)や株移植を実施しました。2025年度は、それら播種・移植したアマモのモニタリングを実施しました。

 アマモは下図のような生活環をもつことから、伸長・分枝期(春季)、衰退期(夏季)、実生株発芽期(秋季)、実生株伸長期(冬季)の年4回調査を行いました。

アマモの生活環

 

春季(5月)のモニタリング結果

播種
粘土法

 佐久島のDL-1m地点、DL-2m地点では活性状況が良好でした。一方、底質や光条件の悪いDL-3m地点や、波浪の強い片名では、アマモは確認できませんでした。

モニタリング結果(粘土法、5月)
場所 片名 佐久島 佐久島 佐久島
DL -1.3m -1m -2m -3m
写真 5月、粘土法、片名 5月、粘土法、佐久島、ー1 5月、粘土法、佐久島、ー2 5月、粘土法、佐久島、ー3
コロイダルシリカ法

 粘土法と同様、佐久島のDL-1m地点、DL-2m地点で活性状況が良好でした。底質や光条件の悪いDL-3m地点ではアマモは確認できませんでした。波浪の強い片名では、生存している株は確認されたものの、活性状況は良くありませんでした。

モニタリング結果(コロイダルシリカ法、5月)
場所 片名 佐久島 佐久島 佐久島
DL -1.3m -1m -2m -3m
写真 5月、コロイダルシリカ法、片名 5月、コロイダルシリカ法、佐久島、ー1 5月、コロイダルシリカ法、佐久島、ー2 5月、コロイダルシリカ法、佐久島、ー3
麻袋法

 3地点とも活性状況は良好でした。また、3地点ともまだ麻袋の原型が残っていました。

モニタリング結果(麻袋法、5月)
場所 片名A 片名B 佐久島
波浪
写真 5月、麻袋法、片名A 5月、麻袋法、片名B 5月、麻袋法、佐久島
株移植
ポット法

 佐久島では、高密度・低密度ともに活性状況は良好でした。一方、波浪の強い片名では、少数株の生存が確認されたものの、活性状況はあまり良くありませんでした。

モニタリング結果(ポット法、5月)
場所 片名 佐久島 佐久島
移植密度 50株 / 平方メートル 50株/ 平方メートル 25株 / 平方メートル
写真 5月、ポット法、片名 5月、ポット法、佐久島、高密度 5月、ポット法、佐久島、低密度

夏季(9月)のモニタリング結果

播種
粘土法

 底質や光条件の悪い佐久島のDL-3m地点や、波浪の強い片名では、5月と同じくアマモは確認できませんでした。また、佐久島のDL-1m地点、DL-2m地点では密度は15本/平方メートル以上あったものの、葉がたいへん短く、活性状況は良くありませんでした。植食性魚類(アイゴ等)の食害とみられる痕跡もありました。

モニタリング結果(粘土法、9月)
場所 片名 佐久島 佐久島 佐久島
DL -1.3m -1m -2m -3m
写真 9月、粘土法、片名 9月、粘土法、佐久島、ー1 9月、粘土法、佐久島、ー2 9月、粘土法、佐久島、ー3
コロイダルシリカ法

 粘土法と同様、佐久島のDL-3m地点や片名ではアマモが確認されず、佐久島のDL-1m地点、DL-2m地点では活性状況が良くありませんでした。植食性魚類(アイゴ等)の食害とみられる痕跡もありました。

モニタリング結果(コロイダルシリカ法、9月)
場所 片名 佐久島 佐久島 佐久島
DL -1.3m -1m -2m -3m
写真 9月、コロイダルシリカ法、片名 9月、コロイダルシリカ法、佐久島、ー1 9月、コロイダルシリカ法、佐久島、ー2 9月、コロイダルシリカ法、佐久島、ー3
麻袋法

 波浪の強い片名Aではアマモは確認されませんでした。片名B(消波堤内)や佐久島では、密度は25本/平方メートル以上あったものの、葉は短く、活性状況は良くありませんでした。

モニタリング結果(麻袋法、9月)
場所 片名A 片名B 佐久島
波浪
写真 9月、麻袋法、片名A 9月、麻袋法、片名B 9月、麻袋法、佐久島
株移植
ポット法

 佐久島では、高密度・低密度で移植した地点のどちらでもアマモは確認されませんでした。片名では、わずかな株が確認されたものの、葉は短く、活性状況は良くありませんでした。

モニタリング結果(ポット法、9月)
場所 片名 佐久島 佐久島
移植密度 50株 / 平方メートル 50株/ 平方メートル 25株 / 平方メートル
写真 9月、ポット法、片名 9月、ポット法、佐久島、高密度 9月、ポット法、佐久島、低密度

秋季(12月)のモニタリング結果

播種
粘土法

 底質や光条件の悪い佐久島のDL-3m地点では、5月・9月と同じくアマモは確認できませんでした。他の3地点では、アマモがわずかに確認されました。栄養株(まいた種から成長した株)は佐久島のDL-1m地点のみで確認され、その他の株は実生株(新たに今年の種から生えた株)と思われます。

モニタリング結果(粘土法、12月)
場所 片名 佐久島 佐久島 佐久島
DL -1.3m -1m -2m -3m
写真 12月・粘土法・片名 粘土法・佐久島DL-1・12月 12月・粘土法・佐久島DL-2 粘土法・佐久島-3m・12月
コロイダルシリカ法

 佐久島のDL-1m地点ではわずかに実生株(芽生え)と思われるアマモが確認されましたが、他の地点では確認されませんでした。

モニタリング結果(コロイダルシリカ法、12月)
場所 片名 佐久島 佐久島 佐久島
DL -1.3m -1m -2m -3m
写真 12月・片名・コロイダルシリカ法 12月・コロイダルシリカ法・佐久島DL-1 12月・佐久島DL-2・コロイダルシリカ法 12月・佐久島DL-3・コロイダルシリカ法
麻袋法

 佐久島では辛うじて実生株(芽生え)と思われるアマモが1本確認されましたが、片名ではアマモは確認されませんでした。

モニタリング結果(麻袋法、12月)
場所 片名A 片名B 佐久島
波浪
写真 12月・麻袋法・片名A 12月・麻袋法・片名B 12月・佐久島DL-2・麻袋法
株移植
ポット法

 片名では1本のみでしたが、佐久島では高密度移植・低密度移植のいずれの地点でも複数のアマモが確認できました。いずれのアマモも実生株(芽生え)と思われます。

モニタリング結果(ポット法、12月)
場所 片名 佐久島 佐久島
移植密度 50株 / 平方メートル 50株/ 平方メートル 25株 / 平方メートル
写真 12月・ポット法・片名A 12月・ポット法・佐久島高密度 12月・ポット法・佐久島低密度

冬季(3月)のモニタリング結果

※ 当初は1~2月に実施する予定でしたが、12月のモニタリングの結果から発芽時期の遅れが示唆されたため、当初予定より遅めの3月初旬に変更しました。

播種
粘土法

 佐久島のDL-1m地点ではわずかな株が確認されましたが、他の3地点ではアマモは確認できませんでした。

モニタリング結果(粘土法、3月)
場所 片名 佐久島 佐久島 佐久島
DL -1.3m -1m -2m -3m
写真 3月・粘土法・片名 3月・粘土法・佐久島DL-1 3月・粘土法・佐久島DL-2 3月・粘土法・佐久島DL-3
コロイダルシリカ法

 全ての地点で、調査区内においてアマモは確認できませんでした。なお、佐久島のDL-1m地点では、調査区のすぐ外側に数株のアマモが確認されました。

モニタリング結果(コロイダルシリカ法、3月)
場所 片名 佐久島 佐久島 佐久島
DL -1.3m -1m -2m -3m
写真 3月・コロイダルシリカ法・片名 3月・コロイダルシリカ法・佐久島DL-1 3月・コロイダルシリカ法・佐久島DL-2 3月・コロイダルシリカ法・佐久島DL-3
麻袋法

 全ての地点で、調査区内においてアマモは確認できませんでした。なお、調査区内外(特に佐久島)で海藻類が繁茂していました。

モニタリング結果(麻袋法、3月)
場所 片名A 片名B 佐久島
波浪
写真 3月・麻袋法・片名A 3月・麻袋法・片名B 3月・麻袋法・佐久島
株移植
ポット法

 佐久島では、高密度・低密度で移植した地点のどちらでも複数のアマモが確認され、12月よりも大きく成長していました。片名ではアマモは確認されませんでした。

モニタリング結果(ポット法、3月)
場所 片名 佐久島 佐久島
移植密度 50株 / 平方メートル 50株/ 平方メートル 25株 / 平方メートル
写真 3月・ポット法・片名A 3月・ポット法・佐久島高密度 3月・ポット法・佐久島低密度

総括

 波が穏やかな佐久島では、総合的には高密度での株移植(ポット法)が最も優れていました。播種については粘土法・コロイダルシリカ法・麻袋法のいずれも生育状況がよく、特にコロイダルシリカ法が優れていましたが、いずれの手法でも一年後の再生産の状況はよくありませんでした。また、水深については、DL-1mから2mはアマモ場造成に適しており、DL-3は適していないことがわかりました。

 波当たりの厳しい片名では、麻袋法が比較的優れている結果となりました。

 水理・底質といった生育環境調査の結果(詳細は割愛します)からは、佐久島・片名ともに水温が28℃を上回る期間が1ヶ月以上続いており、近年の夏季の海域環境がアマモにとって非常に厳しいものとなっていることがわかりました。アマモは水温が28℃を上回る期間が続くと枯死することが知られており、今後は地下茎で増える多年生アマモ場(年間を通じて存在)の存続は難しく、種子で増える一年生アマモ場(一年周期で消滅と再生を繰り返す)を前提とした藻場造成が必要となる可能性があります。

モニタリング結果(播種)まとめ
実験地点 波浪条件 水深(m) 粘土法 コロイダルシリカ法 麻袋法

佐久島

(大浦沿岸)

穏やか DL-1

発芽率:○

生育状況:○

再生産:×

発芽率:◎

生育状況:〇

再生産:×

DL-2

発芽率:○

生育状況:○

再生産:×

発芽率:○

生育状況:○

再生産:△

発芽率:○

生育状況:○

再生産:×

DL-3

発芽率:△

生育状況:△

再生産:×

発芽率:△

生育状況:△

再生産:×

片名A

(長谷沿岸)

比較的厳しい DL-1.2

発芽率:△

生育状況:〇

再生産:×

片名B

(消波堤内)

穏やか DL-1.3

発芽率:○

生育状況:△

再生産:×

発芽率:○

生育状況:△

再生産:×

発芽率:△

生育状況:〇

再生産:×

モニタリング結果(株移植)まとめ
実験地点 波浪条件

水深(m)

実生株移植

(低密度)

実生株移植

(高密度)

佐久島

(大浦沿岸)

穏やか DL-2

分枝率:〇

生育状況:〇

再生産:△

分枝率:◎

生育状況:◎

再生産:〇

片名A

(長谷沿岸)

比較的厳しい DL-1.2

分枝率:×

生育状況:△

再生産:×

モニタリング結果まとめ [PDFファイル/378KB]

2 ブルーカーボンの情報発信

 2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、ブルーカーボンについてイベント等で情報発信し、多くの皆様に藻場の役割等について学んでいただきました。

(1) 講演「ブルーカーボンとアマモ場造成に向けた取り組み ~三河湾のアマモ場再生に向けて~」

日時

7月4日(金曜日) 15時00分~16時10分

場所

ウインクあいち 11 階 1103 会議室

(名古屋市中村区名駅 4-4-38)

概要

 「愛知県地球温暖化防止活動推進センター 講演会」として、同センターの会員、愛知県地球温暖化防止活動推進員等を対象に、ブルーカーボンについての講演を行いました。

(2) 夏休み環境学習講座「海の恵みでマグネットやフォトフレームを作ろう!」

日時

7月29日(火曜日) 10時00分~12時00分 / 14時00分~16時00分

場所

愛知県環境調査センター 1階 実習・研修室

(名古屋市北区辻町流7)

概要

 あいち環境学習プラザが実施する「夏休み環境学習講座」の一環として、主に小学校高学年の生徒及びその保護者を対象に、ブルーカーボンを含む海の働き(生態系サービス)や海で起こっている環境問題等についての講義と、貝殻等を使った工作体験の講座を実施しました。

講座の様子
前半:講義 後半:工作(全体) 後半:工作(拡大)

(3) 三河湾の環境・ブルーカーボンについてのパネル展示

日時

10月3日(金曜日) 10時00分~17時00分

10月4日(土曜日) 10時00分~17時00分

場所

Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場) 展示ホールC

(常滑市セントレア5-10-1)

概要

 「SDGs AICHI EXPO ~SDGs 子ども・ユースフェア~」にブース出展し、パネルやパンフレット等により三河湾の環境や藻場再生の取組等について紹介しました。

ブースの様子
パネル 来客時の様子

(4) ワークショップ「クイズで学ぼう!ブルーカーボン + みんなでアマモを増やそう!(種入りダンゴ作り体験)」

日時

10月3日(金曜日) 15時30分~16時30分

場所

Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場) 展示ホールC

(常滑市セントレア5-10-1)

概要

 「SDGs AICHI EXPO ~SDGs 子ども・ユースフェア~」においてワークショップを実施し、参加者にクイズを通じて藻場の働き・現状やブルーカーボンについて学んでいただきました。また、後半にはアマモの播種方法の一つである「ガーゼ団子法」において使用する、アマモの種子と砂・腐葉土・砕石をガーゼで包んだ「ガーゼ団子」の作成体験を行いました。

ワークショップの様子
クイズ① クイズ② 団子づくり 完成した団子

(5)三河湾藻場再生体験会

(「2025年度 三河湾環境再生パートナーシップ・クラブ 第2回サポーター講座」として実施)

日時

11月22日(土曜日)

場所

南知多町片名の海岸

概要

 参加者の皆さんには、まずネイチャービンゴを通じて海岸の環境をよく観察していただきました。次に、スタッフから海藻・海草や藻場、その働きや現状などについての講義を聴いていただき、その上で海草の一種・アマモの種子を混ぜた「ガーゼ団子」を作成してもらいました。最後に、作ったガーゼ団子をスタッフが海に設置する様子を見届けていただきました。

[参考]三河湾環境再生プロジェクトのイベント開催状況

 https://www.pref.aichi.jp/soshiki/mizutaiki/mikawawan-event-result.html

その後の状況

 (4)(5)のイベントで参加者の皆さんに作成していただいたアマモの種入りガーゼ団子は、(5)において南知多町片名沿岸の海中に設置しました。その後、3月の実証実験モニタリング時に確認したところ、無事に多くのアマモが発芽し、すくすくと育ってる様子が観察されました。波が強めの海域ですが、ガーゼ団子に重りとして砕石を少し多めに入れたのがよかったようです。

アマモの様子(2026年3月)
アマモ1 アマモ2

 

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