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冷凍・解凍後も食感を維持する植物性添加剤を開発~ぷるんとした新食感のまんじゅうを「ブルーベリー祭り」で販売~

(写真:冷やしブルーベリーまんじゅう)
あいち産業科学技術総合センター 産業技術センター(刈谷市。以下「センター」という。)は、東海デキストリン株式会社(名古屋市中村区)と共同で、冷凍流通食品の解凍時に優れた食感を維持する植物性の添加剤(※1)を開発しました。さらに、株式会社鈴鍵(すずけん、豊田市)及び有限会社ふせや餅店(岐阜県岐南町)と連携し、この添加剤を活用した新食感のまんじゅうを開発し、商品化しました。
冷凍流通食品、特に和菓子などの外観や食感が重要な商品では、凍結・解凍時に水分が移動し、形状や食感が損なわれやすいことが課題でした。今回、セルロースの微細加工品(セルロースナノファイバー、CNF)(※2)と既存の植物性添加剤を最適に組み合わせることで、解凍後もきれいな丸い形状を保持し、ねらいどおりの食感を維持する技術を開発しました。
この技術を用いて、ぷるんとした独特の食感が楽しめる新食感のまんじゅうを開発しました。さらに、豊田市産のブルーベリージャムと組み合わせることで、今までにない爽やかな、「冷やしブルーベリーまんじゅう」が完成しました。
本商品は、下山ブルーベリー農園(豊田市)で開催される「24周年感謝イベント ブルーベリー祭り2026」に合わせ、8月9日(日曜日)から施設内のレストランコーナーにて販売を開始します。
1 開発の背景、概要
(1) センターの取組
センターでは、環境対応製品の開発を目指す製造業に対し、植物素材のセルロースナノファイバー(CNF)やバイオエタノールなどの技術支援を行っています。支援対象は生活衛生品や食品、自動車、繊維、研磨材、環境浄化など多岐にわたる業界であり、高機能製品の開発に向けた共同開発や技術指導を行っています。また、2024、2025年度の経常研究テーマ「地域における資源作物の高度利用に関する研究」では、CNFの凍結ゲルに関する研究を行いました。
(2) 植物性添加剤とセルロースナノファイバー(CNF)について
和菓子などの食品に植物性添加剤を添加する主な目的は、食感の向上、保形性の強化、および品質の保持です。実際に、水ようかんやわらび餅などにおいて、食感の改良や日持ちの向上を目的に広く使用されています。
一方、植物由来の次世代素材であるCNF(図1)も、生地や餡(あん)に添加することで、「食感の向上と維持」「賞味期限の延長(日持ちの向上)」「保形性の強化」という優れた効果を発揮します。CNFは天然植物から作られる安全な食品添加物(食物繊維)であるため、食感や保存性の向上だけでなく、「安心・安全な自然由来素材」「環境配慮・SDGsへの貢献」という価値を食品にプラスできる点でも、多くの和菓子店から注目されています。

図1 CNFの電子顕微鏡写真
2 開発の詳細(新食感の冷凍和菓子開発について)
(1) 開発した生地の特徴
まんじゅう等の冷凍流通を行う和菓子は、解凍時の離水(水分の滲み出し)、保形性や食感(かたさや粘つき)・風味の低下が課題となっていました。そこでセンターが保有する技術(特許第5232976号)で製造したCNFと、東海デキストリン株式会社の植物性添加剤を組み合わせる手法を考案し、最適条件を検討しました。具体的には、CNFの添加により適度な硬さを付与することで、型崩れを防ぎ優れた保形性を付与。さらに従来の植物性添加剤と併用することで、解凍後も「ぷるんとした独特の食感」を付与することに成功しました。

図2 生地の荷重変位曲線(圧縮荷重)(※3)
さらに、この組み合わせによって生地の透明感が得られ、“水まんじゅう”のような涼やかで美しい見た目に仕上がりました(図3)。

図3 解凍直後の生地の外観写真
(左)対照:従来の植物性添加物のみ
(右)開発品:CNF+従来の植物性添加物(丸みがあり、透明性も高い)
(2) 冷やしブルーベリーまんじゅうの開発
開発した生地の爽やかさを生かすため、下山ブルーベリー農園で生産されたブルーベリーを使ってジャムを作り(図4)、生地に包みました。果肉感を残し、濃厚な甘みと爽やかな酸味を絶妙なバランスに仕上げることで、夏のイベントにぴったりな商品となりました(図5)。

図4 下山農園産のブルーベリージャム

図5 冷やしブルーベリーまんじゅう
3 今後の予定
8月9日(日曜日)に下山ブルーベリー農園で開催される「24周年感謝イベント ブルーベリー祭り2026」に合わせ、施設内のレストランコーナーにて開発した「冷やしブルーベリーまんじゅう」の販売を開始し、8月30日(日曜日)までの開園期間の営業日に販売予定です。その後は、受注生産での対応を計画しております。
販売に合わせ、豊田市の農園で栽培されたブルーベリーのPRを行うとともに、本商品の開発技術についても紹介します。
4 イベントの概要
下山ブルーベリー農園
24周年感謝イベント ブルーベリー祭り2026
開催日時:2026年8月9日(日曜日) 午前10時から午後5時まで
(受付は午後4時まで)
場所:下山バークパーク内(愛知県豊田市和合町田螺池245-1)
開催目的:農園で栽培されたブルーベリーを味わい、摘み取り体験などが楽しめるイベント。2002年から毎年夏に開催されている
入園料:大人/1,500円、子供/1,000円
(下山バークパーク、レストランの入園料は無料です。)
電話:0565-91-1255
URL:https://www.szken.co.jp/blueberry/
※農園は2026年8月30日(日曜日)まで開園しています。
(午前10時から午後5時まで。定休日:月・火・水曜日)
5 問合せ先
CNF添加剤に関すること
・あいち産業科学技術総合センター産業技術センター環境材料室
担当:伊藤(雅)、森川
刈谷市恩田町一丁目157番地1 電話:0566-45-6901(直通)
https://www.aichi-inst.jp/sangyou/
添加剤、和菓子に関すること
・東海デキストリン株式会社
担当:湊、武内
名古屋市中村区大宮町2丁目8 電話:052-461-5111(代表)
http://www.todeki.co.jp/
・有限会社ふせや餅店
担当:伏屋
岐阜県羽島郡岐南町伏屋8丁目5 電話:058-245-3036
下山ブルーベリー農園に関すること
・株式会社鈴鍵
担当:鈴木
愛知県豊田市中金町塚ノ本111-3 電話: 0565-41-2003(代表)
https://www.szken.co.jp/
【用語説明】
※1 植物性の添加剤
和菓子等の食品においては、物性改善、離水(水分分離)防止、保形性や分散性の向上などを目的として、寒天などの多糖類、ソルビトールなどの糖アルコール、また葛粉やわらび粉、それらを加工した加工デンプンなどが植物性の添加剤として使用されています。
※2 セルロースナノファイバー(CNF)
植物由来の繊維を100nm(ナノメートル)サイズ以下の細さまで細く加工した次世代素材です。食品に優れた保水性、増粘性、乳化安定性をもたらすことで、食感の改良や食品の「劣化」を抑え、食品ロスの削減に貢献します。
※3 荷重変位曲線
対象の材料や構造物に加えた力(荷重)と、それによって生じた変形量(変位)の関係をグラフ化したものです。食品の圧縮試験における荷重変位曲線からは、かたさなどの人間の感覚的な「食感」を客観的な数値として示します。
このページに関する問合せ先
あいち産業科学技術総合センター産業技術センター環境材料室
担当:伊藤(雅)、森川
電話:0566-45-6901

