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農道の整備
1 農道とは?
農家の人たちが育てた農作物は、田畑沿いの道に停めた車に積み込まれ、近くの集出荷場へ運ばれます。 集出荷場では集められた農作物が大きさや出荷先ごとに仕分けされた後、各地の市場やスーパーに運ばれます。
農産物運搬を始めとする農作業全般に役立つ「農業用道路」のことを「農道」と呼んでいます。「農道」は、 トラクタの搬出入や農作物の積込みなどの農作業に役立つだけでなく、農作物を集出荷場や市場へ運ぶための重要な役割を担っています。
2 農道の整備とは?
農道の整備とは、曲りくねった狭い道を走りやすい広い道にするため、新しく道路を造成したり、 車がすれ違えないような幅の狭い道を広げたり、また、砂利道をアスファルトで舗装したりすることです。
3 農道の種類
”農産物の運搬”と”農作業の手助け”が農道の主な役割です。 農道はそれら役割によって、「基幹的農道」と「ほ場内農道」に分類されます。
「基幹的農道」
「基幹的農道」とは、大型車が安全にすれ違えられるように計画された農村地域の基幹となる農道のことです。
「基幹的農道」は、田畑から収穫した農作物を集出荷場や各地の市場などへ運搬する際に利用され、農産物や農業関連資材の効率的な運搬に欠かせない道路です。
「ほ場内農道」
「ほ場」とは田畑や樹園地のように作物を栽培している農地のことです。
これら「ほ場」の中に巡らされた「ほ場内農道」は、農作業に適した小型車がすれ違えられるように計画され、トラクタなどの積み卸し場所として、また、収穫した農作物を車に積み込む場所としても利用され、農産物の運搬だけでなく、効率的な農作業にも欠かせない道路です。
4 農道整備による効果
(1)基幹的農道
[整備前] [整備後]
・くねくねした幅の狭い道では、スピードが出せず、農産物を運ぶのに時間がかかっていました。
・大型車での輸送は、すれ違いが困難であったので、小型車に分けて農産物を運んでいました。
・ドライバーは、対向車や連続するカーブに気を使い、運転が大変でした。
・狭かった道が2車線道路に整備され、大型車による運搬が可能となり、一度にたくさんの農産物を効率的に輸送することができるようになりました。
・くねくね道や急カーブ等がなくなるので、運転がしやすくなり、以前より速く車が走れるようになりました。
・運搬車両の大型化と輸送のスピードアップにより、農産物の運搬にかかる経費が減るだけでなく、運搬時間も短縮され、農産物を新鮮なうちに各地へ出荷できるようになりました。
(2)ほ場整備
[整備前] [整備後]
・でこぼこの砂利道では、スピードも出しづらく、乗り心地もよくありませんでした。
また、運搬中に積み荷の野菜が荷台に当たり、傷んだりしたものもありました。
・風が強い日には、砂利道から土ぼこりが巻き上がり、雨あがりには、車のわだちから泥水が跳ね上がり、畑の野菜などにかかることもありました。
・土ぼこりや泥水がかかった作物や、運搬中に傷んだ作物の中には、出荷できなくなったものもありました。
・砂利道がアスファルト舗装の道路に整備され、車の運転がしやすくなりました。
また、以前より速く車が走れるようになったので、運搬時間が短くなり、運搬経費も減少しました。
・舗装した道路では、運搬中に農作物が傷むことがなくなりました。また、土ぼこりや泥はねもなくなりました。