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【終了】愛知県埋蔵文化財調査センター 秋の特別公開2024「遺跡出土の茶道具」を開催します
愛知県埋蔵文化財調査センターでは毎年、秋の文化財保護強調週間(11月1日から7日)、あいち県民の日(11月27日)に合わせ、収蔵品の中から逸品を選んで特別に公開しています。
今年度のテーマは「遺跡出土の茶道具」です。
朝日西遺跡(清須市)出土白天目をはじめとして、県内の戦国時代遺跡から出土した優品を用途別に展示します。
**特別公開期間は終了しましたが、同内容の展示は引き続きご覧いただけます**
ダウンロードはこちら↓
愛知県埋蔵文化財調査センター秋の特別公開2024「遺跡出土の茶道具」チラシ [PDFファイル/734KB]
期間
令和6年10月28日(月曜日)から11月29日(金曜日)
9時から16時まで
土・日・祝日は休館
ただし、特別開館日(11月4日(月曜日・振替休日))は開館
会場
愛知県埋蔵文化財調査センター2階 展示ケース
入館料
無料
イベント
あいち県民の日連携事業としてさまざまなイベントを実施します。事前申込不要、参加費無料です。
ぜひお越しください。
特別開館日
日時
11月4日(月曜日・振替休日)
9時から16時まで
歴史講演会
10時から12時まで
- 「古代・中世のやきもの~中世六古窯のはじまり~」城ヶ谷和広(愛知県埋蔵文化財調査センター)
- 「瀬戸の茶陶づくり―桑下東窯と瓶子窯跡―」武部真木(公益財団法人愛知県教育・スポーツ振興財団 愛知県埋蔵文化財センター)
体験イベント
- 拓本体験(9時から16時まで)
- 壺釣りゲーム(9時から16時まで)
- バックヤードツアー(13時から・14時30分からの2回実施)
展示解説
11月22日(金曜日)・27日(水曜日)各日10時から・13時30分からの2回開催
(県民の日 学校ホリデーにあわせて実施)
詳しくはこちら
あいちウィーク期間中に展示解説を実施します
同時開催
同じフロアで以下の展示が行われています。あわせてご覧ください。
公益財団法人愛知県教育・スポーツ振興財団 愛知県埋蔵文化財センター
- 秋の埋蔵文化財展2024「名古屋城三の丸遺跡展」
- 新出土品展「やとみ新発見展”2024」
詳しくは以下のリンクからご確認ください。
愛知県埋蔵文化財センター - ニュース (maibun.com)
展示品紹介
天目茶碗
清須市にある朝日西遺跡(あさひにしいせき)、清洲城下町遺跡(きよすじょうかまちいせき)、瀬戸市にある桑下城跡(くわしたじょうあと)から出土した天目茶碗です。
天目茶碗とは?
天目茶碗の由来は、中国浙江省天目山にある禅宗寺院で使われていた黒い茶碗です。
この茶碗が鎌倉時代の日本にもたらされ、天目茶碗と呼ばれるようになったとされています。
室町時代になって茶の湯が流行すると、中国から盛んに輸入されるとともに、瀬戸・美濃窯でも作られるようになりました。
数多くの伝世品があるだけでなく、戦国期の遺跡から出土する茶碗の中でも圧倒的な量を誇ります。
どんな色?
遺跡から出土するもののほとんどが褐色・黒褐色・黒色です(写真後列)。
ですが、ごくまれに白天目(しろてんもく もしくは はくてんもく)と呼ばれる白いものや、緑色のもの(銅緑釉(どうりょくゆう)天目茶碗)もあります。
天目茶碗と言えば黒色をイメージする方が多いかと思いますが、今回は貴重な白天目(前列左)、緑色の天目茶碗(前列右)も展示しています。
この機会にぜひご覧ください。
茶入
清須市の清洲城下町遺跡(きよすじょうかまちいせき)と、瀬戸市にある瓶子窯跡(へいじかまあと)、鶯窯跡(うぐいすかまあと)から出土した茶入(ちゃいれ)です。
茶入は抹茶の粉を入れておくために使われる小型の壺のことを指しますが、さまざまな種類があります。
今回展示するものだけでも、横に広い形の内海茶入(ないかいちゃいれ)(写真前列左)、ヒョウタンのような形の瓢箪茶入(ひょうたんちゃいれ)(前列右)、肩が横に張り出した形の肩衝茶入(かたつきちゃいれ)(後列左右)、首の部分に粘土の塊をつまんで張り付けた擂座茶入(るいざちゃいれ)(後列中央)があります。
水指
瀬戸市にある桑下城跡(くわしたじょうあと)から出土した水指(みずさし)です。
お湯を沸かすための茶釜に水を入れたり、茶碗やお茶をたてる道具の茶筅(ちゃせん)を洗う水をためたりするためのものです。
花入
茶席では、彩りとして季節の花が飾られます。
その花を活けておくための道具が花入(はないれ)です。
床の間に置く「置き花入」と壁に掛ける「掛け花入」などがありますが、陶磁器製のものはほとんどが置き花入です。
今回の展示では、清須市の清洲城下町遺跡(きよすじょうかまちいせき)(写真左)、瀬戸市の鶯窯跡(うぐいすかまあと)(右)から出土した置き花入を展示しています。
香炉
茶席では、空間を清めるため、茶室に香りをつけるために、手前の前にお香を焚きます。
その際に香の入れ物として床の間に置かれるのが香炉(こうろ)です。
瀬戸市にある鶯窯跡(うぐいすかまあと)から出土したものを展示しています。
茶壷
茶葉を蓄えておくための容器を茶壷(ちゃつぼ)と呼びます。
実用品であると同時に茶席に飾られるものでもあります。
瀬戸市の上品野西金地遺跡(かみしなのにしかねじいせき)から出土しました。
今回展示する茶壷は瀬戸で作られたもので、祖母懐土(そぼかいつち)と呼ばれる良質な粘土でできています。
使われている粘土の名前から、祖母懐壺(そぼかいつぼ)とも呼ばれます。