平成24年度「あいち環境絵本・紙芝居」の入選作品が決定しました！

　愛知県では、次世代を担う子どもたちに環境の大切さを伝えることを目的として、平成19年度から「環境」をテーマとした絵本作品「あいち環境絵本」を募集しています。今年度は「紙芝居」部門も新たに加わり、全国（本県を含む10都府県）から応募いただい103作品の中から、11月2日(金)に開催された「あいち環境絵本・紙芝居大賞審査会」において、各部門の入選作品が決定しました。

・絵本一般の部　　大賞　　「リョコウバトの話」　森広照美 （もりひろてるみ）さん　（名古屋市）

 　　　　　　　　　優秀賞2作品、入賞3作品

・絵本子どもの部　大賞　「該当作品なし」　優秀賞1作品

・紙芝居の部　　　大賞　「てんぐやま」　星野千絵 （ほしのちえ）さん　（愛知県額田郡）

 　　　　　　　　　優秀賞1作品、入賞1作品

　これらの入選作品は、平成25年2月に北名古屋市で開催予定の「あいち環境絵本・紙芝居まつり（※）」において、表彰式並びに展示・読み聞かせを実施するほか、環境学習のプログラムとして活用するため、複製を「もりの学舎(まなびや)」（愛・地球博記念公園内）に常設展示したり、希望する施設や団体に対して貸し出しを行います。

（※）「あいち環境絵本・紙芝居まつり」については、1月初旬に別途記者発表を行います。

＜ この作品について ＞

　昔、北アメリカにリョコウバトという渡り鳥が50億羽もいました。ヨーロッパからアメリカ大陸に来た人たちは、お金のために食料や羽ふとんの材料になるリョコウバトを毎年数十万羽も殺しました。そのため数がどんどん減り、50億羽いたリョコウバトは、わずか25万羽まで減ってしまいました。

　そしてハンター達は、オハイオ州の最後の群れにも襲いかかり、残ったハトはたったの数千羽、繁殖力の弱いリョコウバトに未来はありません。

とうとう最後の1羽もカナダで撃ち落され、残った1羽の「マーサ」も動物園で亡くなりました。今はマーサの標本があるだけ。人間はどうしてそんなひどいことをしたのだろうか。

＜ 作品に込めた思い ＞

【作者　森広　照美　さん（名古屋市東区）】

　かつて50億羽もいたリョウコウバト。あまりに多いので絶滅するとは考えず、乱獲したそうです。宇宙船地球号の大切な部品を、いつの間にか無くしている私たち人間。リョウコウバトの悲劇を繰り返さないよう祈りを込めて造りました。

＜ この作品について ＞

　とある保育園に天狗の羽扇(うせん)(鳥の羽で作ったうちわ)が落ちてきました。子供たちがびっくりしていると、天狗が「大事な羽扇があって助かった」と言って現れました。天狗は拾ってくれたお礼に子供たちを天狗山に案内してくれました。天狗は一本の大きな木で一本下駄を作り子供たちにプレゼント。木の実で布を染めて結袈裟(ゆいげさ)を作ったり、森の中でいろいろ遊んだりと楽しみました。

　そして今度は食事の準備。木の実やきのこ、お魚とスーパーみたい。天狗さんは竹筒ごはんを作っておいしく食べました。そろそろ帰る時間、子供たちは涙を流して別れを惜しみました。そして天狗は空から保育園を見守りました。

＜ 作品に込めた思い ＞
【作者　星野　千絵　さん　(愛知県額田郡)】

　テレビやゲーム、強い刺激のあふれる中、子ども達は自然にふれることが少なくなっています。豊な自然体験を通して、自然を愛し、大切にする心を育てることを願い、実際に行った保育をもとに紙芝居を作りました。