平成22年度「あいち環境絵本」の入選作品が決定しました！

　愛知県では、次世代を担う子どもたちに環境の大切さを伝えることを目的として、平成19年度から「環境」をテーマとした絵本作品「あいち環境絵本」を募集していますが、今年度は全国（本県を含む17都道府県）から127作品の応募がありました。

　審査の結果、一般の部の大賞には、安藤邦緒(あんどうくにお)さん（岐阜県）の作品「むしの　おきゃくさん」が、子どもの部の大賞には白井結花(しらいゆうか)さん（新城市）の作品「おばあちゃんのおまじない」が選ばれました（大賞作品の概要は2,3ページのとおりです）。

　また、この他、一般の部は優秀賞2作品、入賞3作品、子どもの部は優秀賞1作品が入選しました（入選者の一覧は別紙のとおりです）。

　これらの入選作品は、平成23年1月に瀬戸市で開催予定の「あいち環境絵本まつり（※）」において、表彰式並びに展示・読み聞かせを実施するほか、環境学習のプログラムとして活用するため、複製を「もりの学舎(まなびや)」に常設展示したり、幼稚園などでの読み聞かせに使用します。

　（※）「あいち環境絵本まつり」については、12月中下旬頃、別途記者発表を行います。

＜ この作品について ＞

　幼稚園でのある日のできごとを描いた作品です。色鉛筆と絵の具を使い、子どもたちの表情やむしの動きが丁寧に描かれています。

（あらすじ）

　モエちゃんはむしが大好きな女の子。いろいろなむしの名前を知っているだけでなく、むしの言葉もわかります。

　ある日、モエちゃんが通う幼稚園にたくさんのむしのおきゃくさんがやってきます。モエちゃんはむしの会話を皆に伝えますが、むしをキライな子もたくさんいて、大騒ぎです。しかし、幼稚園の先生から、最近は街の中にお花や木を植えているので、むしの数が増えて、幼稚園にもたくさんのむしのおきゃくさんが来てくれるのよ、と教えられ、それ以来、皆、むしと仲良くする、というお話です。

＜ 作品に込めた思い ＞
【作者　安藤邦緒（あんどうくにお）　さん（岐阜県）】

　最近、虫嫌いの子が多く見受けられます。未来の地球を守る子ども達が自然の使者である虫を厭うことはゆゆしき問題です。

　そこで、街を緑化し多種類の虫を集め、物心がつく幼い子の周りに虫がいる環境を与え、『いろんな虫がいたっていいや』の意識を育み、ひいては生物多様性の素地作りへつなげたいと考えました。

＜ この作品について ＞

　物を大切にして暮らしている、いつき君とおばあちゃんの心温まるお話を力強いタッチで描いた作品です。いつき君のやさしい気持ちがじんわり心に伝わってきます。

（あらすじ）

　ある春の日、いつき君はおばあちゃんと裏山に出かけ、おばあちゃんが編んでくれた大切な手袋を落としてしまいます。おばあちゃんは新しくまた手袋を編んでくれますが、いつき君はなくした手袋が気がかりです。季節がめぐり、秋になり、いつき君が再び裏山へ出かけると、お地蔵さんの前になくした手袋が置いてありました。ずいぶんと汚れて色あせた手袋を、おばあちゃんがおまじないをかけて、きれいな毛糸に戻してくれました。そこで、いつき君は手袋を守ってくれたお地蔵さんに感謝の気持ちを込めて、手編みのマフラーを編んでプレゼントする、というお話です。

＜ 作品に込めた思い ＞
【作者　　白井結花(しらいゆうか)　さん（新城市）】

　私は、幼い子たちに物を大切にして欲しいという願いを込めてこの絵本をかきました。買えば何でも手に入る今は、本当に必要なものかをよく考えずに買い物をする人が多いように感じます。しかし、これからは、いつき君のように、物を大切にし、物をつくってくれた人の気持ちも大切にする心を持った子が増えるといいと思います。