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1,土壌及び地下水の汚染の防止に関する規制等

ページID:0507846 掲載日:2024年3月15日更新 印刷ページ表示

規定の趣旨

特定有害物質による土壌・地下水汚染は、放置すれば地下水の飲用などによって人の健康や生活環境に影響が及ぶことが懸念されます。このため、土壌・地下水汚染の未然防止の観点から、点検・調査義務、汚染が判明した場合の拡散防止に関する措置や土地の形質変更時の義務等について規定するものです。

特定有害物質とは

「特定有害物質」とは、土壌・地下水に含まれることによって人の健康・生活環境に係る被害を生ずるおそれがある以下の26物質をいいます。

(1)カドミウム及びその化合物、(2)六価クロム化合物、(3)クロロエチレン※1、(4)シマジン、(5)シアン化合物、(6)チオベンカルブ、(7)四塩化炭素、(8)1,2-ジクロロエタン、(9)1,1-ジクロロエチレン、(10)1,2-ジクロロエチレン※2、(11)1,3-ジクロロプロペン、(12)ジクロロメタン、(13)水銀 及びその化合物、(14)セレン及びその化合物、(15)テトラクロロエチレン、(16)チウラム、(17)1,1,1-トリクロロエタン、(18)1,1,2-トリクロロエタン、(19)トリクロロエチレン、(20)鉛及びその化合物、(21)砒素及びその化合物、(22)ふっ素及びその化合物、(23)ベンゼ ン、(24) ほう素及びその化合物、(25)ポリ塩化ビフェニル、(26)有機りん化合物

※1平成29年4月1日に、クロロエチレンが追加されました。

※2平成31年4月1日に、シス-1,2-ジクロロエチレンが1,2-ジクロロエチレンに変更されました。

規定の概要

(1)土壌及び地下水の特定有害物質による汚染の防止義務(第36条)

特定有害物質等を取り扱う者は、特定有害物質等をみだりに埋め、飛散させ、流出させ、又は地下に浸透させてはならない。

(2)特定有害物質等を取り扱う施設の点検(第37条)

特定有害物質等を業として取り扱う者は、特定有害物質等を取り扱う施設の点検をするよう努めなければならない。

(3)土壌汚染等対策指針(第38条)

知事は、土壌及び地下水の特定有害物質による汚染の状況の調査並びに汚染による被害の発生の防止措置を行う際に従うべき指針を定め、公示する。

土壌汚染等対策指針の内容

調査方法や汚染が判明した場合の措置等に関し、以下の内容を定めています。

1.土地の形質変更時における過去の特定有害物質等取扱事業所の設置状況等調査の方法等
2.汚染状況の調査(概況調査)の調査対象物質、調査対象地、調査の方法等
3.汚染が判明した場合の応急措置の方法
4.汚染の除去等の措置(第41条で措置を命じられた場合)の方法
5.汚染の拡散を防止するための措置の方法
6.リスクコミュニケーションの推進及び環境保全対策の実施内容

(4)特定有害物質等取扱事業所における調査義務等(第39条)

ア 特定有害物質等を取り扱い又は取り扱っていた事業所(特定有害物質等取扱事業所)の設置者(特定有害物質等取扱事業者)は、土壌及び地下水の汚染の状況の調査(以下「土壌汚染等調査」という。)を行うよう努めなければならない。

イ 特定有害物質等取扱事業所(注)の全部又は一部を廃止しようとするときは、土壌汚染等調査を行い、その結果を知事に報告しなければならない。

注:義務の対象となる特定有害物質等取扱事業所

・水質汚濁防止法の特定施設を設置する事業者(法で調査される土地を除く)
・地下タンクでガソリンを貯蔵または取り扱う者(ガソリンスタンド等)

ウ 土壌・地下水汚染のおそれがあるときは、知事は特定有害物質等取扱事業者に対し、土壌汚染等調査を行い、その結果を報告するよう求めることができる。

エ 土壌・地下水汚染のおそれがあり、特定有害物質等取扱事業者による調査が行われないときは、知事は土地の所有者、管理者又は占有者(以下「土地所有者等」という。)に対し、土壌汚染等調査を行い、その結果を報告するようするよう求めることができる。

(5)土地の形質の変更をしようとする者の義務等(第39条の2)(旧第42条の規定を見直し)

ア 土壌の移動に伴う汚染の拡散等の未然防止の観点から、一定規模以上の土地の形質の変更(注)を行う者は、その土地において過去に特定有害物質等を取り扱っていた事業所の設置の状況等を事前に調査し、その結果を知事に報告しなければならない。

注:「土地の形質の変更」は、掘削、盛土、切土の別を問わず、形質の変更の部分の面積が3,000平方メートル以上(水質汚濁防止法に規定される特定施設で特定有害物質を使用している事業場等の敷地においては900平方メートル以上)となる場合です。ただし、土地の形質の変更の内容が盛土のみである場合には、対象外とします。

イ 知事は、土壌又は地下水が汚染され、又は汚染されているおそれがあるときは、汚染の状況について、土地所有者等に対し土壌汚染等調査を行い、その結果を知事に報告するよう求めることができる。

土壌汚染対策法第4条と条例第39条の2との比較
法令名 土壌汚染対策法 第4条 条例 第39条の2
義務者 ・土地の形質の変更をしようとする者(形質変更者)
 土地の形質変更の施行に関する計画の内容を決定する者。土地の所有者と開発業者等の関係では、開発業者等が該当。工事の請負の発注者と受注者の関係では、計画の内容を決定する者が該当
対象となる土地の形質の変更の規模 ・土地の形質の変更の部分の面積が3,000平方メートル以上(水質汚濁防止法に規定される特定施設で特定有害物質を使用している事業場等の敷地においては900平方メートル以上)
 実際に形質の変更を行う面積。形質変更の内容が盛土のみである場合には届出・報告は不要(一部でも掘削を伴う場合は、全体が届出の対象となる)
・対象となる土地の形質変更を行う場合は、法・条例の両方の手続きが必要。
 汚染のおそれがある場合は、法又は条例のいずれかの規定が適用される
手続きの内容 着手する日の30日前までに届出 形質変更に着手する前までに報告
添付が必要な書類 ・土地の形質の変更をしようとする場所を明らかにした図面
 掘削部分と盛土部分が区別して表示すること
・土地所有者等の土地の形質の変更の実施についての同意書
 形質変更者が土地所有者等である場合は不要
当該土地の利用の履歴として、
・過去の特定有害物質等取扱事業所の設置状況等の土地の利用の履歴
・特定有害物質等の取扱いの状況
・過去の土壌・地下水の調査結果
・その他土壌・地下水汚染のおそれを推定するために有効な情報
について調査した結果を記載した書類
届出等をした後の規定 知事は、土壌汚染のおそれがあるときは、調査・報告を命ずる 知事は、土壌・地下水汚染のおそれがあるときは、調査・報告を求める

 

(6)土壌・地下水汚染が判明した場合の汚染の拡散防止のための措置等(第40条)

ア 法及び条例の規定により調査をした結果、土壌又は地下水の汚染状態が土壌汚染等対策基準*に適合しないことが明らかになったときは、特定有害物質等取扱事業者又は土地所有者等(条例の規定により土壌汚染等調査を実施した者又は法の規定により土壌汚染状況調査を行わせた者)は、直ちに汚染の拡散防止のための応急措置を行うとともに、汚染の状況、応急措置の内容等を知事に届け出なければならない。

*土壌汚染等対策基準

土壌・地下水汚染の有無を判断するものとして施行規則で定める土壌溶出量基準、土壌含有量基準、地下水基準のことをいいます。

イ アの届出を行った者又は土地所有者等は、汚染の拡散を確実に防止するために必要な措置(以下「拡散防止措置という。」)を講ずるとともに、措置が完了したときは知事に届け出なければならない(当該土地が法で規定する「要措置区域」に指定された場合を除く。)。

ウ アの届出を行った者以外に汚染原因者が存在する場合は、知事はその者に対し拡散防止措置を講ずるよう求めるものとする(汚染者負担原則*)。

*汚染者負担原則(PPP:Polluter-Pays Principle)

公害防止のために必要な対策を取ったり、汚された環境を元に戻すための費用は、汚染物質を出している者が負担すべきという考え方をいいます。

(7)汚染の原因者に対する措置命令等(第41条)

ア 知事は、土壌又は地下水の汚染状態が土壌汚染等対策基準に適合せず、人の健康被害を生じ、又は生ずるおそれがある場合は、汚染原因者である特定有害物質等取扱事業者に対し、汚染の除去等の措置を定めた計画書(土壌汚染等処理計画書)を作成し、これに基づき措置を講ずるよう命令できる。

イ 汚染の除去等の措置命令を受けた事業者は、土壌汚染等処理計画書を知事に提出し、措置が完了したときは届け出なければならない。

(8)汚染の状況等の公表(第42条)

知事は、土壌または地下水の汚染に関する報告又は届出があった場合において、必要と認めるときは、汚染の状況について公表する。

(9)適用除外(第44条)

この条例の土壌・地下水汚染に関する規定は、以下の土地には適用されない。

ア 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律第2条第1項に規定する農用地

イ 土壌汚染対策法第6条第1項の規定により指定された要措置区域内の土地

ウ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第8条第1項に規定する一般廃棄物処理施設その他規則で定める施設*の存する土地

*規則で定める施設

廃棄物処理法第15条第1項に規定する産業廃棄物処理施設及び鉱山保安法に規定する鉱山等に設置されている施設のことをいいます。

(10)自主調査に係る報告等(第45条)

自主調査における調査の方法を指針で示すとともに、及び自主調査で土壌・地下水汚染が判明した場合に行政が一定の関与を行うことを規定しています。

ア 法や条例の規定によらず(自主的に)、指針に従って土壌汚染等調査を行った者は、土壌・地下水汚染が判明した場合は、知事に報告するよう努めなければならない。

イ 報告を受けた場合は、知事は、報告を行った者又は土地所有者等に対し必要な助言を行うことができる。

(11)汚染土壌処理業に係る生活環境影響調査の実施等(第45条の2)

ア 汚染土壌処理業*の許可申請をしようとする者は、汚染土壌を処理することに伴う生活環境影響調査を行い、その調査結果書並びに調査結果を勘案して作成した汚染土壌の処理の事業に関する計画書を提出しなければならない。

*汚染土壌処理業

法第22条第1項で「汚染土壌の処理を業として行おうとする者は、知事の許可を受けなければならない」としています。
なお、法第18条第1項では「汚染土壌を要措置区域等外へ搬出する者は、汚染土壌の処理を汚染土壌処理業者に委託しなければならない」としています。(平成31年4月1日より、国等が協議により、汚染土壌の処理を行おうとする場合についても生活環境調査の実施が必要になりました。)

イ 知事は、提出された計画書について、生活環境の保全上の見地からの意見を述べるものとする。

ウ アの規定により提出した者は、汚染土壌の処理の事業に知事の意見を反映させるよう努めなければならない。

 

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