本文
総務企画委員会審査状況(令和8年6月25日)
総務企画委員会
委員会
日時 令和8年6月25日(木曜日) 午後0時58分~
会場 第8委員会室
出席者
ますだ裕二、林 文夫 正副委員長
水野富夫、いなもと和仁、藤原ひろき、神戸健太郎、杉江繁樹、高木ひろし、高橋正子、谷口知美、桜井秀樹、
木藤俊郎 各委員
防災安全局長、防災部長、県民安全監、関係各課長等
委員会審査風景
付託案件等
議案
第120号 特定事業契約の締結について
結果
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第120号
会議の概要
- 開会
- 議案審査(1件)
(1)理事者の説明
(2)質疑
(3)採決 - 一般質問
- 閉会
主な質疑
議案関係
【委員】
私から、第120号議案特定事業契約の締結について、愛知県基幹的広域防災拠点整備等事業のうち第2期の防災公園の整備に係る部分を伺う。
理事者から話があったように、今日も青森県で地震があったり、台風の心配があったりする中で、我々愛知県の防災力を高めていく必要がある。そして、この基幹的広域防災拠点は、災害時には、物資や人の拠点となり、高速道路や、空港へ接続している道路も付近にある。また、空からのアクセスもよい場所にある。そして、24時間体制であることに加え、消防学校も併設される予定である。この防災拠点が整備されるからには、愛知県の防災力向上、そして、愛知県民の安心につながるよう整備していかなければならない。今、計画では3年で設計、建設を行い、今後、20年間の契約を締結し、運営してもらう流れであると思う。
まず、今回の第2期の防災公園に係る特定事業契約の内容について伺う。
【理事者】
この契約は、相手方が愛知県基幹的広域防災拠点の第2期・防災公園の設計、建設、開園準備、維持管理、運営並びに資金調達を行うことにより、県が要求する水準のサービスを提供する義務を負い、また、県がサービスの対価を支払う義務を負うことなどを規定したものである。
なお、相手方が施設全体を設計するが、屋内運動施設及び公園管理事務所以外の施設建設については、県が直接工事をすることとしているので、本契約には含まれていない。
また、本契約では、事業実施の準備、モニタリングによる適正な業務の確保、任意事業の実施、責任及び損害等の分担、契約終了時の措置、知的財産権の取扱いなども定めることとしている。
契約額は、65億5,396万9,400円、契約の相手方は、本事業を実施するために落札者が設立した特別目的会社、BaseParkあいち株式会社であり、契約期間は、契約締結日から2049年9月30日までとしている。
【委員】
屋内運動施設と公園管理事務所以外のスペースは、県が直接整備し、それ以外は、今回の約65億円で、設計から資金調達、また、運用まで行うとの説明であった。
今回の65億円という金額について、落札率はどのような状況であったのか、また、事業者の選定に当たって、どのような手順で行われたのか伺う。
【理事者】
本案件では、入札公告において、予定事業価格を73億2,825万1,000円と事前公表している。これに対し、落札額が65億5,396万9,400円であり、落札率は89.43パーセントになる。また、入札参加事業者は2グループであった。
続いて、どのような手順で事業者を選定したかについては、防災、災害医療、建築、都市計画、法務の各専門の分野の有識者に加え、豊山町の副町長、愛知県の防災安全局長で構成する事業者選定委員会を設置し、客観的な評価を行っている。
今回の入札は、総合評価一般競争入札方式を採用し、評価に当たっては、設計、建設、維持管理などに関する性能評価と、入札価格に基づく入札価格評価の二つにより総合的な評価を行っている。
選定に当たっては、応募のあった2グループからプレゼンテーション、ヒアリングを実施した上で、各委員による評価を行っている。その結果、県の要求水準を上回る提案であり、かつ性能評価点と入札価格評価点の合計による総合評価点が最も高かったグループ提案を最優秀提案として選定した。
県は、この選定結果を踏まえ、最優秀提案を行ったグループを落札者として決定し、その旨を当グループに通知するとともに、2月13日に公表している。
【委員】
手順の中で、評価というキーワードが出てきたが、特にどの部分が評価されたのか伺う。
【理事者】
2グループの提案内容は、いずれも県の要求水準を十分に上回るものであり、本事業の目的である、平常運用時には防災公園として広く県民の利用を図るとともに、拠点運用時には、活動要員の集結やベースキャンプ機能の確保、支援物資の中継・分配機能を発揮する、十分に期待できる内容であると評価された。
その中で、最優秀提案の評価を三つほど挙げると、一つ目として、基本コンセプトである防災公園を軸とした提案がされており、動線がシンプルで、緊急時の車両動線に配慮するなど、拠点運用時を見据えた計画となっていること。
二つ目として、公式大会と同等規模の競技を行うことができるサッカーコートを整備し、トップアスリートによるスポーツイベントやセミナー、スポーツ教室を開催する点や、各エリアをつなぐ歩道であるプロムナードを整備し、キッチンカーイベントを開催する点など、運営を見据えた設計がされていること。
三つ目として、維持管理について、不具合が発生する前に、定期的なサイクルで交換等を行う予防保全を基本とした合理的な点検、保守、修繕の実施により、維持管理の将来的なトータルコストの削減を図ることなど、総合的に優れた提案であると判断した。
【委員】
今回の第2期工事に当たって、どういったことを評価して選定したのか、また、金額について確認した。
災害がないとき、すなわち平時は、地域の人々から利用しやすく、そして、憩いの場として活用してもらうスペースになってくる。
しかしながら、大きな災害等が起きたときには、急遽、運用や仕組みを変え、災害の拠点にしていかなくてはならない。評価を聞いていて、この2面性があることが肝になってくると感じた。
第1期工事の消防学校と今回の公園、体育施設、屋内体育施設整備、これらの第1期と第2期がどのように連携し、運営していくのか伺う。
【理事者】
災害が発生し、県が拠点の運用開始を決定した場合、事業者から施設を引き継ぎ、消防学校を中核施設として、防災公園と一体的に、県が自ら拠点運用していくこととしている。
事業者に対しては、第1期と第2期の要求水準書の中で、それぞれの事業の整備に係る業務調整を適切に行うこと、また、大規模災害時にライフラインが途絶した場合に、拠点全体で電気、水道、通信等を確保し、防災活動拠点としての機能を維持することとしており、事業者には設計及び建設の段階から相互に連携し、一体的な拠点整備を実施することを求めている。
加えて、事業者の災害時における拠点運用の対応について、災害時等対策マニュアルを作成することとしている。
県は、マニュアル作成の段階から、災害時に拠点が一体的に運用できるよう、事業者と協議していく。その上で、マニュアルに基づいた定期的な訓練を通じて、拠点運用時の事業者間の連携を確認し、また、訓練で明らかとなった課題等の解消を図ることで、拠点の円滑な運用につなげていく。
【委員】
基幹的防災拠点の整備に当たり、この話が上がったときに、当時の総務企画委員会のメンバーで、岩手産業文化センターに視察に行った。東北における震災時の物資の支援拠点となり、岩手県トラック協会等が運用していたが、その拠点を見て感じたこと、また、注意しなくてはいけないことについて説明を聴取し、その当時も委員会で議論した。
再度確認するが、これから設計していく中で、まず、この屋内運動施設の中でも体育館に、支援物資、応援物資等が送られてくることを想定したときに、入口、また、出口が複数ないと運搬に来たトラックが渋滞してしまう。トラック等が渋滞したときに待機するスペースがあるのか、フォークリフト等を十分に活用して円滑に物資の出し入れができるようになっているのか、また、雨天時の対応などを確認したい。
【理事者】
これまでの本委員会で様々な意見を聞いてきた。これらの意見を踏まえ、物資拠点となる屋内運動施設の機能については、必要な仕様を要求水準書において明記している。
まず、搬入搬出口については、拠点運用時に複数の大型トラックやフォークリフトが滞留することなく、円滑な出入りが可能となるよう、搬入搬出口は別々とし、それぞれ複数箇所設置することとしている。
また、雨天時における荷さばきの対応について、大型トラックが施設内に進入し、フォークリフトを使用した荷役作業ができるよう、床の強度を十分確保できる旨も記載している。
なお、これらの内容について、今回契約を予定している事業者からの提案では、要求水準書を満たしていることを確認している。
【委員】
今の説明で、必要な仕様が設計しているとあり、少し安心した。
要求水準書というのは、互いの約束事であり、互いが義務を負うとあった。県はお金を払う義務、相手方は約束を守る義務があるとして、要求水準書ができていると思う。
この要求水準書について、もし相手方が約束を守れなかった場合のペナルティはどのようになっているのか伺う。
【理事者】
今回、契約書の中に、モニタリング基本計画を添付し、その中で、県と事業者が会議体を設置し、逐次モニタリングを行うことを定めている。指導、勧告、是正と各段階があり、一番強いものだと契約解除とある。20年間と事業が長いので、それぞれの段階で、逐次県や議会の意見も反映しながら、事業者にしっかりと意見を言っていきたい。
【委員】
設計、建設はこれから3年かけていく契約内容で、そして、その後20年間という長い運営をしてもらう。大きな災害が起きたり、県でも被害予測調査等の見直しがあったりするなど、その期間にいろいろな動きがあると思う。
想定外の災害も起き得るし、そのときに、委員会や、議会の声にしっかりと柔軟に対応できるのか、また、防災安全局、県の担当部局の声をしっかりと受け止めることができるのか。20年間の長期の約束であるので、我々はそういった心配をしている。
我々の声が届くように、また、柔軟に対応してもらえるようにしっかりと取り組んでほしい。県と事業者との関わり方など、今後どのような形になっていくのか伺う。
【理事者】
繰り返しになるが、県は、平常時の防災公園、それから災害時における基幹的広域防災拠点としての機能を十分果たすことができるように、事業者に対してしっかり意見を伝えていく。
本事業の実施に当たり、議会あるいは県の意見、また要求水準書の内容が適切に履行されるように、会議体を設置し、定期的に事業内容の報告を求めていく。
その内容が、要求水準書あるいは条件に適合しない場合には、是正するよう指導し、確実な履行を事業者に求めていく。
20年間という長期間の事業となるので、しっかり契約書の中に書き込み、人が替わっても、それが履行できるような体制をつくり、しっかりと事業を進めていく。
一般質問
【委員】
南海トラフ地震被害予測調査を踏まえた今後の地震防災対策について伺う。
愛知県は、6月2日に南海トラフ地震の被害予測調査結果を発表した。過去最大モデルの結果では、県内の平野部、半島部など、広い範囲で震度6弱以上の強い揺れとなっており、濃尾平野、岡崎平野、豊橋平野を中心に液状化の危険度が極めて高くなっている。
また、西三河南部の平野部を中心に、津波などによる浸水が想定されるなど、こうしたハザードの危険性については、地域によって異なっている。
被害量については、建物被害は、揺れによる全壊が約5万棟、火災による焼失が約2万棟であり、全壊・焼失棟数の合計は9万2,000棟となっている。
人的被害については、建物倒壊等による死者が2,400人、浸水・津波による死者数の合計は2,800人であり、死者数の合計が5,300人となっている。
前回の12年前の調査と比べると、全壊・焼失棟数は2パーセントの減、死者数は約17パーセントの減と、減少幅は限られている。
そこで、こうした被害予測調査の結果について、県としてどのように受け止め、今後さらに被害を減らしていくためにどのように取り組んでいくのか伺う。
【理事者】
今回の調査結果については、前回調査と同様、多くの建物被害や死者の発生など、南海トラフ地震により、本県で甚大な被害が見込まれる結果であると受け止めている。
本県では、2025年3月に策定したあいち防災アクションプランに基づき、住宅の耐震化や河川・海岸堤防、水門の整備、家具等の転倒防止対策の促進などの取組を全庁を挙げて推進している。
今回の調査結果により、これまでの対策が大きく変わるものではなく、県内の全ての地域において、引き続き必要となる防災・減災対策に取り組んでいくことが重要だと考えている。
また、今回の調査では、建物の耐震化、家具等の転倒・落下防止、感震ブレーカーの設置及び浸水・津波からの迅速な避難の実施により、被害量を大きく減少できる試算もしたところであり、こうした取組を、より多くの県民に行ってもらうための防災啓発の推進がより重要になってくると考えている。
こうしたことを踏まえ、今後、本県の地震防災対策のアクション項目を整理したあいち防災アクションプランの内容の充実について検討を進めていきたい。
【委員】
今回の調査結果を踏まえ、あいち防災アクションプランの内容の充実を、どのように進めていくのか伺う。
【理事者】
本県では、防災施策の実施に関する行動計画等に対する助言を受けることを目的として、学識経験者等で構成する愛知県防災対策有識者懇談会を設置しており、アクションプランの見直しに当たり、この懇談会において意見や助言を受ける予定である。
また、アクションプランに位置づけているこの取組は、防災安全局のみでなく、全庁にまたがるものであることから、今回の調査を受けた取組の拡充等について、関係局としっかり意見交換、調整を行い、アクションプランの内容の充実を検討していく。
今年度中にアクションプランの改訂を行えるよう進めていきたい。
【委員】
次に、今回の調査において、大きな減災効果が示された感震ブレーカーについて伺う。
令和6年能登半島地震では、輪島市朝市通り周辺において大規模な市街地の火災が発生し、多くの住宅や店舗が焼失した。記憶している人も多いと思う。
消防庁の検討会報告書では、過去の大規模地震と同様に、電気に起因する火災への対策の重要性が指摘されている。
この検討会は、輪島市大規模火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会といい、輪島市朝市通り周辺の大規模火災を受け、総務省消防庁と国土交通省が共同で立ち上げた検討会である。
能登半島地震の教訓を踏まえ、消防庁は令和7年3月28日、感震ブレーカーの普及推進に関する計画(例)を策定し、都道府県及び市町村に対し、地域防災計画に基づく具体的な普及計画の策定を求める通知文を発出した。
このモデル計画では、木造住宅密集地域、また、津波浸水想定区域など、火災延焼リスクの高い地域を重点エリアとして位置づけること、設置状況の調査を行うこと、設置目標を設定すること、さらには、購入、設置に対する支援制度を検討することなどが示されている。
愛知県においても、南海トラフ地震の発生が懸念される中、名古屋市南部や知多半島、三河湾沿岸部などでは、大規模火災の発生が危惧されている。また、県内には、木造住宅が密集する地域も少なくない。
感震ブレーカーは、一定以上の揺れを感知すると、自動的に電気を遮断し、通電火災を防止する有効な手段である。高齢者世帯や避難行動要支援者世帯では、避難時にブレーカーを落とすことが困難な場合も多く、自動で電気を遮断できる感震ブレーカーの役割は極めて大きいものと考える。
そこで、まず、県内における感震ブレーカーの普及率を把握しているのか、把握している場合には、その状況を伺う。
【理事者】
本県が2025年9月16日から10月24日にかけて実施した2025年度防災に関する意識調査によると、感震ブレーカーを設置していると回答した割合は18.5パーセントとなっている。
【委員】
普及率が18.5パーセントというのは、低いと思う。
なぜこのように低い水準にとどまっているのか、県としての考えを伺う。
【理事者】
昨年度実施した2025年度防災に関する意識調査では、感震ブレーカーを設置しているが18.5パーセントであるほか、感震ブレーカーの存在は知っているが設置していないが18パーセント、感震ブレーカーの存在を知らないので設置していないが28.1パーセント、分からないが34.1パーセントとなっており、知らないと分からないとを合わせると62.2パーセントとなり、6割以上を占めている。
こうしたことから、感震ブレーカーに対する認知の不足が、普及が進まない主な要因であると考えられる。
【委員】
アンケートの結果により、どのような意識であるか、なぜそうなのかが、ほぼ分かっていることは、今後の対策をつくる上で、重要なデータとなる。
もう既にいろいろな市町村で取組があるが、補助を受けて進めているなど先進的な事例はあると思う。
そこで質問したいが、こうした普及率が低い中で、県として、先ほど示した消防庁のモデル計画を踏まえた、感震ブレーカーの普及の推進計画を策定する考えはあるのか伺う。
【理事者】
消防庁の通知には、感震ブレーカーの普及を効果的に進めるためには、防災関係部局だけではなく、福祉等の関係部局、電気関係事業者や住宅関係事業者等と連携した普及推進体制を構築することが必要であることが示されている。
このため、本県では本年2月に、宮崎幸恵東海学園大学名誉教授、中部電力パワーグリッド株式会社、一般社団法人プレハブ建築協会中部支部、市町村及び県関係部局で構成している愛知県住宅防火対策推進協議会の中に、愛知県感震ブレーカー普及推進検討会を設置し、本年4月から検討を開始している。
この検討会で取りまとめた計画案を愛知県住宅防火対策推進協議会で諮り、年度内の計画策定を目指している。
【委員】
愛知県感震ブレーカー普及推進検討会があると答弁があった。そこで検討して、年度内に感震ブレーカー普及推進計画を策定するということで、明確な方針が示された。
期待を込めて要望する。
まず、一点目。感震ブレーカーの普及を重点的に進める地域として、木造住宅が密集する地域、また、津波浸水想定区域など、火災延焼のリスクの高いエリアを、市町村が重点エリアとして設定するものであることは承知している。
こうしたエリアについて、県も積極的に市町村と連携し、感震ブレーカーの重点的な普及を進めていくこと。重点エリアが必ずあると思うので、そのような市町村との連携、普及促進を進めてほしい。これが一点目である。
二点目として、先ほど述べた、国の示したものにも最終的に入っていたが、今は県独自の補助制度がない。その創設に向けて検討してほしい。
感震ブレーカーは、極めて有効な防災機器である。先ほど答弁で、普及が低い理由として、県は、認知度が低いことを挙げていたが、購入費や設置費が普及の障害となっていることも考えられる。全国では、東京都をはじめ、補助制度を設けて普及を進めている自治体も増えている。愛知県にも、もう既に補助を設けている市町村も幾つかある。
そうであれば、感震ブレーカーの普及を加速するために、住民負担の軽減が重要であるので、消防庁のモデル計画でも購入支援や設置支援が示されているが、南海トラフ地震による地震・火災リスクが高い愛知県こそ、消防庁のモデル計画を踏まえて、県独自の補助制度の創設についてぜひとも検討することを要望する。
【委員】
我が党の代表質問でもあったが、今回の被害予測調査は12年ぶりで、2万本のボーリング調査や、最新のレーザー測量により調査し、新たな結果が出たところである。
まず、この12年間、評価するところは評価し、今後に向けて、さらに強固な防災力向上に向けた取組が必要であると思う。
代表質問の答弁でもあったが、数字で分かるところだと、死者数が、12年前の調査の内容から比較すると、約1,100人減って、6,400人から5,300人になった。また、家屋の全壊倒壊が、9万4,000棟から2,000棟減って、9万2,000棟となった。
これは、10年以上にわたり、建設局や、防災安全局の取組はもちろん、河川の護岸の改修工事や港湾を強いものにしていくこと、また、住宅の耐震調査等で、県が補助金を出しながら、県民がいろいろな調査に協力してくれたことが、こういった数字につながっていると思う。
今回の最新の調査内容を踏まえ、県は今の先端技術を活用し、より具体的な被害予測調査の数字を出した。
これから、各市町村の立場の中で、市町村はこの調査内容を踏まえて、より具体的に防災計画を詰めていくと思う。例えば、備蓄量であったり、避難所の運営であったり、廃棄物の問題など、それぞれが新たな数字を参考にして、行動計画を進めていくと思う。
今回の被害予測調査を踏まえた市町村への影響をどのように想定しているのか伺う。
【理事者】
今回の調査においては、先ほど委員から指摘があったとおり、地盤モデルの更新や、レーザー測量による標高データ等を収集するなど、地形データを更新したことにより、震度分布や液状化危険度分布、津波の浸水範囲等に変化が生じている。
市町村においては、県の被害予測調査結果を参考にハザードマップを作成しており、この調査結果を踏まえ、ハザードマップの見直し等について検討していくことになると考えている。
また、震度分布や津波の浸水範囲など、ハザードの変化に加えて、建物データや人口データ等において、前回調査以降の社会状況の変化を反映したことにより、被害量の推計結果にも変化が生じている。
市町村においては、先ほど委員からも指摘があったが、避難者数等が変更になっているので、そういったことを踏まえて、避難所の確保、物資の確保等の対応を検討していくことになると考えている。
このほかにも、津波の避難計画や災害廃棄物の処理計画、応急仮設住宅の建設候補地などについて、新たな調査結果を踏まえて、必要に応じて見直しをしていくことになると考えている。
【委員】
今回の調査で、想定される避難者が増加していると思うが、増加の要因を伺う。
【理事者】
今回の調査においては、避難者数の推計手法を変更したことが、避難者数が増加している主な要因である。
具体的には、国の被害想定において、最新の知見に基づいた推計手法として、半壊建物から避難する人の割合が、前回調査より大きく設定されている。また、ライフライン被害によって避難する人について、前回調査の、断水によって生活支障を生じる人に加えて、停電による避難者や中高層マンションにおけるエレベーター停止の被害を受ける避難者が推計に加えられている。
県の調査においても、こうした国の手法を踏襲したことから、避難者数が増加する結果となっている。
【委員】
より安全に行動すること、例えば、家屋全壊倒壊の予測でなく、半壊という予測でも、安全のために避難してほしいし、断水だけではなくて、停電や、エレベーターが止まっている状況でも避難してほしいという計画だと理解した。
今回の調査計画の中で、前回よりも避難者数が増えた事実がある。昨年の委員会でも議論したが、国は、避難所の運営マニュアルを、国際基準のスフィア基準にしてほしいと方針を出した。避難所の1人当たりの面積が、今までの基準で約2平米だったものを、国際基準であるスフィア基準により、より広いスペースを確保し、1人当たり約3.5平米の面積を確保してほしいということである。
計画の中で、避難者は増えているが、避難所において求められる一人一人の面積は増えているので、例えば、体育館で今まで100人が避難できていたものが、あくまでこのスフィア基準を参考にすると避難できる人は大体6割とか8割ぐらいに減ってしまう。
そこで、市町村は、基準が変化していく中で、こういった避難所運営の在り方をいろいろな部分で県に相談するし、県は、そういった相談に対応する立場であると思う。
こういったスフィア基準等の指針が示される中で、愛知県として、市町村の取組をどのように応援していく考えがあるのか伺う。
【理事者】
国のスフィア基準を避難所の運営に取り入れるといった想定を受けて、愛知県では昨年11月に、それまでの避難所運営マニュアルを愛知県避難生活支援マニュアルに改定した。
その改定後、昨年12月3日だが、市町村防災担当者を対象として、説明会を実施している。そこにおいて、居住スペースの確保をはじめとするスフィア基準への対応などについて、市町村に説明を行い、取組を促した。
ほかに、県では、令和6年能登半島地震の発生を受けて、2024年2月から、市町村に対して、県立高校における体育館や武道場の指定避難所への指定を積極的に進めるように働きかけている。2026年4月の時点で、県内全県立高校148校のうち、117校が既に指定避難所に指定されている。この動きについては、避難者の居住スペースを確保する上で有効であるので、今後も働きかけを継続していく。
また、県の避難生活支援マニュアルを踏まえた、各市町村の運用マニュアル改定の取組への支援として、今年度、避難生活環境整備モデル事業を実施する予定としている。
【委員】
今、モデル事業を実施していくと発言があったが、モデル事業ではどのようなことをやっていくのか伺う。
【理事者】
まずは進捗率について説明する。
避難生活環境整備モデル事業を実効性のあるものとするために、今年3月から4月にかけて、複数の市町村に出向くなどして、現在の状況や課題、県に対して求める支援について聞き取りを行うとともに、2月と5月に開催した市町村防災担当課長会議で説明を行い、積極的なモデル事業への応援を呼びかけている。
現在、7月上旬の事業開始を目指して、モデル市町村の募集を行っている。モデル市町村が決まり次第、事業に着手することとなるが、その実施に当たっては、県自ら市町村に足を運び、専門家の助言を受けながら、伴走型で取組を支援することとしている。
なお、事業の実施結果を県内市町村に横展開することはもちろん、事業実施過程においても、適宜情報を共有することで、モデル市町村以外の市町村の取組も促していく予定である。
【委員】
市町村からすると、国からスフィア基準が示されて、どのように進めていけばよいのか難しいと思うため、そうしたモデルを参考にできるようにしてほしい。地域によってそれぞれ特性があると思う。沿岸部、山間部、都心部、また、地盤の強いところ、弱いところ、それぞれ特徴があるので、そういったこともしっかり反映できるようモデルを選定してほしい。せっかく事業を行うので、ぜひ中身のある、また、市町村が参考にできる事業の展開を期待している。
全体計画に戻るが、今回の地震アクションプランができる前は、第3次地震アクションプランを防災安全局がつくり、それに沿って、各局が減災に向けて、それぞれ事業を展開し、県の強靱化に取り組んできたと思う。
先ほどの委員の答弁の中で、今年度中に新たなアクションプランを整備していくとあった。
前回の第3次地震アクションプランの際には家屋の全壊倒壊を5割、死者数を8割削減という分かりやすい数値目標があった。
具体的な数値目標はもちろん大事であるが、各局全体が、県内の防災力向上に向けて、それぞれ汗をかいていくわけなので、それぞれの局が意思疎通できるよう、数値目標を検討してほしいし、そういったものを今後の計画に表記する考えがあるのか伺う。
【理事者】
現在進めているあいち防災アクションプランでは、現時点で125の進捗管理指標を設定した上で進捗管理を行っている。
今回、アクションプランの見直しを行うに当たっては先ほど答弁したとおり、取組が広く局にまたがることから、そうした局からしっかりと意見を聞いて、意見調整を行った上で拡充するものは拡充して、新たな計画としていきたい。
その中で、今の進捗指標の進捗の状況や、新しい事業が加わってくれば、それに対して指標が設定できるかどうか、こういったこともしっかり踏まえながら、目標を持って取り組んでいけるように検討を進めていきたい。





