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県民環境委員会審査状況(令和8年3月16日)

ページID:0650784 掲載日:2026年6月17日更新 印刷ページ表示

県民環境委員会

委員会

日時 令和8年3月16日(月曜日) 午後1時~
会場 第6委員会室
出席者
 鳴海やすひろ、柳沢英希 正副委員長
 神戸洋美、石井芳樹、山本浩史、成田 修、佐藤英俊、村瀬正臣、高木ひろし、福田喜夫、
 永田敦史 各委員
 環境局長、同技監、環境政策部長、地球温暖化対策監、資源循環推進監、 関係各課長等

県民環境委員会の審査風景画像
委員会審査風景

付託案件等

議案

第 1 号 令和8年度愛知県一般会計予算
 第1条(歳入歳出予算)の内
 歳出
 第3款 県民環境費の内
 第5項 環境対策費
 第6項 自然環境費
第 32 号 愛知県環境影響評価条例の一部改正について
第 60 号 権利の放棄について(愛知県循環型社会形成推進事業費補助金の返還金、加算金及び延滞金に係る債権)

結果

全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
 第1号、第32号及び第60号

閉会中継続調査申出案件
  1. 文化芸術の振興及び文化財の保護について
  2. 青少年の健全育成及び県民・NPOとの協働の推進について
  3. 男女共同参画社会の形成の促進について
  4. 生活環境及び自然環境の保全について
  5. 地球温暖化対策について
  6. 県民文化局及び環境局の行政運営について

会議の概要

  1. 開会
  2. 議案審査(3件)
    (1)理事者の説明
    (2)質疑
    (3)採決
  3. 委員長報告の決定
  4. 一般質問
  5. 閉会中継続調査申出案件の決定
  6. 閉会
主な質疑
議案関係

【委員】
 予算に関する説明書(1)の132ページ、(2)廃棄物処理計画推進費の食品ロスの削減の取組について伺う。
 今回、食品ロスの啓発ということで、インフルエンサーを使ってSNSで啓発していく話があった。今までの食品ロスだと宴会の最初の30分と終わりの10分は出された食事を食べる3010運動や、海外でよくやるドギーバッグを用いて残ったものを持って帰る取組を今回やらずに、なぜSNSのインフルエンサーを使う取組にしたのかを最初に伺いたい。
【理事者】
 今回の事業は、環境省の資料において食品ロスを多く排出する傾向にあるとされる30代を主な対象として、これらの世代で利用が多いと考えられるインスタグラムなどのSNSを活用して、食品ロス削減に関する情報発信を行うものである。
 情報発信は、影響力のあるインフルエンサーによるSNS投稿を通じて行い、外食、料理、買物等の日常生活で実践可能な食品ロス削減の工夫等について紹介していきたい。
 例えば、愛知県内の飲食店等を紹介するグルメ系のインフルエンサーについては、食べ残しを防ぐメニュー選択や食べ切れなかったものの持ち帰り等の実践といった外食をするときにできる工夫について投稿してもらいたいと考えている。
 また、調理レシピを紹介するインフルエンサーには、無駄のない調理法や食料の保存方法などについて投稿してもらうことも考えている。
 実施時期は、食品ロス削減月間である10月を含む9月から12月にかけて行う予定である。
【委員】
 インフルエンサーの活動だが、30代、40代に向けて啓発をしていく動きは非常によいが、県民の活動や運動という感じがあまりしないことについて、どのように考えているのか。
【理事者】
 食品ロスに関して、今年度は食品ロス削減のレシピコンテスト、昨年度は小学生向けの取組を行うなど、いろいろな対象向けにこれまで実施している。来年度については、食品ロスに関する関心が低い人などを対象にしている。先ほど説明した環境省資料によると、食品ロスの関心が低い人については、セミナー等をやるよりもこちらから情報を発信するSNS等を使うのが望ましい、効果的だということもあり、今回、SNSを使った取組をやりたいと考えている。
【委員】
 これからどのようなインフルエンサーと契約するかなど、いろいろな話が出てくると思うが、SNSと同様に、例えばフォロワーが何人いる、カウントがどれぐらい回るかなどで委託金を支払い、費用対効果が見えてくると思っている。効果に対するコメントもいろいろ入ってくると思うが、インフルエンサーをいろいろな分野に分けてお願いするような話もあった。金額によって、フォロワーの多いインフルエンサーと少ないインフルエンサーなど、いろいろあるのかもしれないが、どのように選定するのか。本来、評価であればKPIなどを入れるべきだとは思うが、SNSだと難しいのかもしれない。どのような効果が出たという評価をどのようにしてこれから行うのか。
【理事者】
 本事業は、インフルエンサーとの契約も含めて、民間事業者に委託して実施する予定である。この委託事業者の選定に当たっては、事業者から提出される企画提案の中で、より効果的なインフルエンサーを提示してもらう予定である。
 インフルエンサーを選ぶポイントとしては、食品ロスにつながる投稿が可能か、フォロワー数が多く、特に30代の県民に対して十分な発信力を有するかといった観点で、事業効果が最大限高まるよう事業者を選定していきたい。また、事業の評価については、発信した情報がどれだけの人に届いたかを示すリーチ数や、受信者からの反応を示す、いいねの数などを指標とすることを考えている。
【委員】
 若い世代が食品ロスに関心を持ち、どこかの飲食店に行ったときに、食べ物を残してはいけないというような話が隣の若い人から聞こえてくるぐらい、インフルエンサーの取組の効果を挙げてもらうよう要望し、質問を終わる。
【委員】
 四点質問する。
 質問の一点目は、令和8年2月定例愛知県議会議案(1)281ページの債権放棄について伺うが、先ほどの説明だと、本人死亡、そして度々にわたる催告を行ったものの支払ってもらえないので債権を放棄するとのことであった。今年になってから、大きく方針を変え、債権放棄に対する議案が多数、各部局から提出されているが、これは、血税であり、安直に放棄することを認めるべきではない。
 今回、催告をしたと言っているが、時効は、当然催告したら中断するが、どうして消滅時効になったのか教えてほしい。
 何かを売却したことや、いろいろな不正行為があり、その分の返却を求めていること、加算金があることなど、もう少し詳しく教えてほしい。
【理事者】
 権利の放棄の概要として、2007年、食品残渣のリサイクル実用化事業の設備整備に対して、5,000万円の交付決定をしたが、2012年に補助金により整備した設備が放置され、さらに無断売却されていることが判明した。このため、県は2013年7月に補助金交付決定の取り消し、返還金、加算金、延滞金の返還納付請求をした。
 その後、返還金の督促を繰り返し、電話、メール、自宅訪問、事業所への訪問等を行ってきたが、2023年8月に債権の消滅時効期間である10年が経過したところである。
 時効期間が消滅する前に、返還請求の訴えの提起や破産の申立てなどの裁判所の手続をするかどうかも検討し、併せて金融機関等に資産調査も行った。
 裁判手続に関する費用が東海リソース株式会社の法人の資産を上回る可能性が高いことが判明し、顧問弁護士にも相談したところ、回収見込みのない債権は無用な追加費用を支出しないようにすべきだという助言ももらい、今回の判断をした。
 その後、2023年、債権の消滅時効期間である10年が経過した後に、会社法に基づくみなし解散状態であることが分かった。これまで事業者が行方不明だったこともあり、住民票を確認しながら催促をしていたところ、住民票の情報や、会社の登記簿等から、みなし解散状態であることや、2024年2月に代表が死亡していることが把握できた。
 今回、この時期に権利を放棄するのは、2025年3月、1年前になるが、県の総務局で不納欠損処分等に関する基準が定められており、基準に基づいて手続を取っている。
【委員】
 簡潔に言うと、物を買って、それを売却したことが分かって、それに基づいて取消処分をした。訴えを提起するに至らないというところまでしっかりやってもらった。
 個人に対してのいわゆる放棄については、額が少額であることもあるが、会社には財産がある場合がある。結果として、取り込み詐欺に近くなっているということなので、ぜひ、補助金は血税を交付して新たな事業を創出する大切な事業であるので、精査してもらい、回収ができるものであればしっかり回収してもらいたい。
 二点目、ペロブスカイト太陽電池普及拡大プロジェクト推進費について伺う。
 12月の委員会でもこの事業の加速化をお願いした。
 県有施設の実証事業について、来年度、県庁西庁舎に加えて、他の県有施設においても実施を予定しているのかを伺う。
【理事者】
 来年度については、今年度の実証事業とは異なる設置環境や設置の方法など、新たなモデルケースが作成できるよう、実証事業を実施していく。
 施設の選定に当たっては、設置場所の適性や横展開性、また、県民への普及啓発効果などを踏まえて、効果的な施設を選定していきたい。

愛知県庁西庁舎における実証事業の開始
​愛知県庁西庁舎における実証事業の開始

【委員】
 12月定例議会の委員会答弁において、来年度以降の市町村や企業における実証導入に向けて調査をしているとのことであったが、令和8年度当初予算において、市町村や企業の実証事業の予算は計上されているか。
【理事者】
 市町村や企業等における実証事業については、当該実証事業を支援するために、ペロブスカイト太陽電池の設置方法や測定するデータの種類、また、機器の構成など、実証事業の内容の検討や市町村等が実施する設置工事に必要な設計図面の作成等の予算を計上している。
 実証事業については、薄くて軽いペロブスカイト太陽電池の特徴を生かせる実証施設を幅広く選定するとともに、各施設で得られた経験やデータを今後の事業展開に活用していきたい。
 これら市町村等の施設についても令和8年度中に実証を開始していく。
【委員】
 今の話だと、物は県からの支給品ではなく、市町村等が調達するという理解でよいか。
【理事者】
 ペロブスカイト太陽電池については、提案企業である開発メーカーからの支給を考えている。
【委員】
 三つ目、公用車等でも実証を検討していると聞いているが、令和8年度当初予算については、どのような予算が計上されているか。
【理事者】
 令和8年度は、建築物に加えて県公用車や市町村等の車両を活用した実証事業も実施する予定としている。
 県公用車による実証事業については、ペロブスカイト太陽電池の車への搭載方法や測定データの種類、機器構成の検討といった実証事業の内容検討から始まり、太陽電池を搭載させた車両の走行までの費用を計上している。
 また、市町村等が実施する実証については、県公用車とは異なる車種での実証事業を支援するため、実証の内容検討、仕様作成及び設計等の費用を計上している。
 現在のところ、推進協議会に参画している自動車メーカーなどと共に車両の選定方法等について検討中であり、県、市町村等とも令和8年度に実証事業を開始することを予定している。
【委員】
 設置は結構大変だと思うが、自動車メーカーに委託のような形で実施する理解でよいか。物だけ愛知県のもの、または、自動車メーカーのものを買い取る前提で改造し、それを実証実験に供用するのかなど、その辺りはどうなっているか。
【理事者】
 ペロブスカイト太陽電池については、建築物と同様、開発メーカー等の支給と考えている。
 また、搭載方法等、詳細については、今、自動車メーカーなどと一緒に検討中である。
【委員】
 もう一回確認する。
 車は、県有のものなのか、先方にある実験車を買い取る前提で改造してもらうのかを聞いたが、その辺りはどうなっているか。
【理事者】
 車両については、県公用車等を想定しているが、自動車は建築物と比して技術的なところがあるので、自動車メーカーと共に車両の選定方法についても現在検討中である。
【委員】
 私の経験からすると結構大変だと思うので、県のものを無理に使うのではなくて、向こうにあるものを加工してもらい、装着したものを県が購入するような形も含めて検討しないと、なかなかうまくいかないと思うので、県のものでなければ駄目ということではなく、柔軟に対応してもらうことを希望する。
 二番目、第3款県民環境費第5項環境対策費、温暖化防止県民運動推進事業費について伺う。
 新たにプロスポーツチームと連携し、カーボンニュートラルの実現に向けた県民の行動変容を促進するための普及啓発事業を実施することとしているが、県民の行動変容を促進するため、県では、どのような普及啓発事業を実施してきたのか伺う。
【理事者】
 県は、これまで地球温暖化防止に向けて、県民に脱炭素型ライフスタイル、製品、サービスの賢い選択を呼びかけるあいちCOOL CHOICE県民運動を推進し、様々な普及啓発事業を実施してきた。
 主に小学生を対象とした事業で、地球温暖化防止に関する出前授業を行うストップ温暖化教室、家族が一緒に過ごす時間が長い夏休み期間中にチェックシートを活用して家族で環境配慮行動を実践する夏休み!おうちでエコアップ大作戦がある。そのほか、県や市町村などが開催するイベントにおける地球温暖化防止を普及啓発するブースの出展や、カーボンニュートラルの実践に向けた方策について考えてもらうあいち地球温暖化対策フォーラムなどを実施している。
 県としては、県民の意識改革や行動変容を促すため、引き続きこれらの事業を実施する。
【委員】
 新たにプロスポーツチームと連携して事業に取り組む理由と、具体的にどのような連携事業を予定しているのか教えてほしい。
【理事者】
 はじめに、新たにプロスポーツチームと連携して事業に取り組む理由である。
 県では、未来を担う若い世代をはじめ、幅広い世代への普及啓発を進めるため、情報発信力の高い新たな主体との連携を検討していた。
 こうした中、豊田スタジアムで気候変動に関するブースを出展するなど、主にサポーターに向けた啓発に取り組んでいる名古屋グランパスエイトから、取組をサポーター以外にも広げていくため、県と連携した事業の実施について相談があった。スポーツは身近で親しみやすい存在であるとともに、屋外で行うサッカーは、近年、選手やサポーターにおける熱中症リスクの高まりや大雨による突然の試合中止など、気候変動の影響を強く受けている。
 このようにサッカーと気候変動は密接に関連していることから、県は、本年1月26日に名古屋グランパスエイトと気候変動に対する取組に関する連携協定を締結し、広く県民に向けた普及啓発について、継続的に連携して取組を進めることとした。
 県としては、名古屋グランパスエイトのブランド力や強い情報発信力を活用することで、これまでに県が実施してきた事業では啓発が行き届かなかった若い世代などに対して、啓発効果が期待できると考えている。
 続いて、来年度実施する事業についてである。来年度は三つの連携事業を予定している。
 まず、一つ目は、ワークショップの開催である。
 この事業は、高校生や大学生といった若い世代に気候変動がスポーツに及ぼす影響を学んでもらうとともに、名古屋グランパスエイト、自治体、若い世代が連携して取り組むことができる地球温暖化対策などを提案してもらい、県や参加者がSNSなどを活用して広く発信するものである。
 二つ目は、共同ブースの出展である。
 この事業は、豊田スタジアムや商業施設などで開催されるイベントにおいて、名古屋グランパスエイトと共同でブースを出展し、地球温暖化防止に向けた啓発を行うものである。
 三つ目は、啓発動画の作成である。
 この事業は、名古屋グランパスエイトの選手やキャラクターを起用した動画を通じて地球温暖化防止を呼びかけるものである。
 県としては、これまで実施してきた事業に加えて、名古屋グランパスエイトとの連携事業を進めることで、より幅広い世代に対し、地球温暖化防止に向けた意識改革や行動変容を促していきたいと考えている。
【委員】
 趣旨は理解した。何でサッカーチームと連携するのかと思ったが、今の話を聞いて、外でやる競技だからだと理解した。
 発信力という意味だと、私が小さいときにサッカー、その直後に全日本のバレーボールが非常にブームであった。直近だと、県はIGアリーナを整備した。バスケットチームがIGアリーナを利用して、いろいろなチームが戦っており、アリーナごとにそれぞれチームがある。発信力という意味だと、地球温暖化のカテゴリーでの発信なので、サッカーが非常にマッチしている。向こうからも提案があったということでよいと思うが、一方で、発信力、プロチームというカテゴリーでみると、競技人口、今の若者が何に注目しているか、SNSの書き込み等を含めてどういったものがよいかも、ぜひできれば考慮してほしい。暑いからだとよく分かったが、発信力という意味で、どのようなプロチームにお金を払っていけばいいのか、もし再検討するとしたら、ぜひそういったものも検討した上で選定するとよい。
 最後の四番目である。環境影響評価法の一部改正を受けて、環境影響評価手続の見直し等を行うとのことであるが、環境影響評価法と県条例との関係性や、どのような形で条例を運用していくか教えてほしい。
【理事者】
 環境影響評価については、環境に著しい影響を与えるおそれがある事業について、環境保全の見地からより望ましい事業計画としていくために実施するものである。一定規模以上の事業が環境影響評価制度の対象となる。中でも、高速道路や新幹線など、全国一律に対応すべき事業が環境影響評価法の対象である。県道やごみ処理施設などの法が対象としていない施設や、法よりも小さい規模の施設を愛知県環境影響評価条例の対象として法を補完している。
 このように、法と条例を一体的に運用することにより、地域の実情に応じた適正な環境配慮を確保している。
【委員】
 今回の環境影響評価法の一部改正の概要について伺う。
【理事者】
 近年、全国的に環境影響評価手続の対象となる発電施設が、建て替えの時期を迎えている。改正前の法では、施設の位置や規模が同程度で環境への影響は大きく変わらない建て替えの事業についても、新規と同様の手続を課していた。そのため、今回の法改正により、環境影響評価の最初の段階である計画段階環境配慮書の手続においては、新たに周囲の概況調査などを実施する代わりに、既存施設のモニタリング結果を活用すればよいことにされた。
 また、公開期間が1か月程度であった環境影響評価図書の調査結果の有効活用を図るため、事業者の同意を得た上で、環境大臣がこれらの図書をインターネットにより手続終了後も公開できるようになった。
【委員】
 今回の条例改正によって、環境影響評価手続の見直し等の具体的内容は今説明した内容だけか。
【理事者】
 先ほど説明した法の改正に合わせて、条例と法を一体的に運用していることから、法と同様に、建て替え事業の計画段階環境配慮書の手続の見直しを実施する。
 また、インターネット上の公開についても、法と同様の改正を行う。
 環境影響評価法の改正とともにもう一つ別の法律、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律も改正され、洋上風力発電について、これまで事業者が実施していた環境影響評価法の初期段階の手続を環境大臣が代わりに実施することとなった。
 この手続の中で、環境大臣が作成した図書についても、環境影響評価制度と同様に学識経験者で構成する愛知県環境影響評価審査会の意見を聞いた上で、知事意見を述べられるように改正する。
【委員】
 既存施設については、そこまで詳しくやらなくてよいと緩和する一方で、その他のものをしっかり実施していくと理解すればよいと思うが、規模を拡大したときに、何倍からは新しい手続をしなければならないなどはあるか。
【理事者】
 委員が指摘した規模については、環境省が技術的な検討を検討会で行っていて、規模や距離がどの程度まで離れていればよいかや、どの程度までが建替配慮書で対応できるかを検討しているので、その結論が国により公表された後、愛知県としても対応していきたい。
【委員】
 要望する。
 発電施設だけではなく、いろいろな施設、特に産業廃棄物処理施設などが建つときに、相隣関係、周辺の人々の意見を聞く、そして、必ず説明会のステップを踏むが、そこの部分がうまくいかない施設がある。総論賛成、各論は、近くだと嫌という人が多くいるので、事業者の人々が本当に頭を悩ませている。その辺をしっかり見てもらうこともそうであるし、新たな事業者が参入する場合にはノウハウがないので、説明会の開催について、このようにすれば皆が納得できるようになるのではないかというアドバイスも含めて、行政側としてしっかり対応してほしい。迷惑施設は住民に嫌がられるが、必要なものを建てるので、協力してもらうことを希望する。
【委員】
 第1号議案令和8年度愛知県一般会計予算、予算に関する説明書(1)の129ページ、あいち環境イノベーションプロジェクト推進費について伺う。
 事業概要については、環境政策部長から説明があったが、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、生物多様性のような環境問題の解決に向けて、スタートアップと連携して、産学官金で推進してイノベーションの創出を目指す、社会実装するものだと思う。
 事業は2023年度からスタートしていると承知しているが、この事業は、2024年度と2025年度にわたって、環境分野全般にわたる六つのテーマを掲げて、全国のスタートアップから幅広いアイデア、技術を募集している。募集した中から、2024年度は8件、今年度は4件のプロジェクトを採択したと聞いている。
 採択されたプロジェクトは、採択された年度から経費支援、いわゆる資金の支援とともに充実した伴走支援が提供されて、採択された次年度からは、愛知県の委託事業として実証実験を行うなど、あいち環境イノベーションコンソーシアムを推進母体として、地域一体となって社会実装に向けて支援していることを承知している。
 そこで、まず確認だが、2024年度と2025年度に採択したプロジェクトについて、伴走支援、その後の実証実験、経費の支援など、どのような支援をいつまで実施するかなど、事業のスキームを確認したい。
 あわせて、2026年度に同じようにもう一度募集をかけて採択プロジェクトを行うのかも確認したい。
【理事者】
 2024年度の採択プロジェクトについては、2024年9月から企業とのマッチングやロードマップづくり、イベント等を通じたプロジェクト内容のPRといった伴走支援に加え、1プロジェクト当たり1年度最大220万円の事業化に関わる経費支援を実施している。
 本年度、社会実装に向けた課題や対応策を検証する実証実験を1プロジェクト当たり約900万円の委託で実施していて、来年度も実証実験を継続する予定である。
 2025年度の採択プロジェクトについても、2025年9月から、先ほどと同様の伴走支援や事業化経費支援を実施していて、来年度からは実証実験を実施予定である。
 こうした採択プロジェクトに対する支援について、およそ2年半行うこととしていて、2024年度採択プロジェクトは2027年3月まで、2025年採択プロジェクトは2028年3月までを予定している。
 また、来年度も新たなプロジェクトの募集を行い、4件程度、採択する予定であり、関連予算は、あいち環境イノベーションプロジェクト推進費に計上している。
【委員】
 今の答えを少し整理すると、経営支援が1年度で1プロジェクト220万円、3か年伴走支援するので、1プロジェクト合計660万円で、委託事業が1プロジェクト900万円、2か年で1,800万円だから、足すと大体、1プロジェクトで2,500万円弱ぐらいの支援になることがよく分かった。2026年度も募集をかけて4件採択するということなので、伴走支援に関して、2024年度、2025年度、2026年度の8件、4件、4件、全ての件数がそのまま行うかどうかは別として、2024年度分、2025年度分、2026年度分の伴走支援が来年度行われる。実証実験に関しては、2024年度分に新たに2025年度分が追加され、来年度は2024年度分が終わるということかと思う。
 もう一度確認だが、今述べた2年半の伴走支援、2年後の実証実験後の次に社会実装の流れでよいのかと、どのプロジェクトでも社会実装と言われているが、このプロジェクトでの社会実装はどんなことをイメージしているのか聞きたい。
【理事者】
 社会実装までの流れについては、委員の指摘のとおり、2年半の伴走支援と、その間2年の実証実験を通じてプロジェクトの事業化を目指している。
 あいち環境イノベーションプロジェクトでは、革新的プロジェクトに果敢に挑戦するスタートアップを支援する観点から、スタートアップに寄り添った丁寧できめ細かい伴走型の支援を実施している。社会実装については、スタートアップがこうした伴走支援に依存することなく、プロジェクトをビジネスとして実装できるようになることだと考えている。
【委員】
 社会実装というのは、最終的に市場でのビジネスとして自立自走することと同じだと思っている。
 ただ、一方で、社会実装は完全に公金が入らないものではないと思っている。特に環境分野は、再生可能エネルギーやエコカー補助などもそうだが、公金を入れ、バックアップしながら、自立自走、社会実装を行っているので、そうした意味では、行政支援、実証実験などが入る形もあり得る。特に経済合理性が低い、環境分野はそのようなことが往々にしてある。
 さらに聞きたいのが、2024年度採択プロジェクトは来年度、2026年度で実証が終わると思うが、今年度1年終わった進捗状況はどのようか。まだ1年残っている話で少し気が早いかもしれないが、そのまま社会実装につながる事業になりそうか、現時点でどんな見込みかを聞きたい。
【理事者】
 2024年度採択プロジェクトは、あいち環境イノベーションコンソーシアムの会員企業による実証実験のフィールドの提供など、様々な協力の下、事業化につながるステップが着実に進展している。
 例えば、ドローンとAIを活用して森林をモニタリングするプロジェクトでは、2025年2月に採択スタートアップと地元企業とが健全な森林管理等の検討に関する基本合意書(MOU)を締結するとともに、同年9月に豊田市内の森林において実証実験を行い、森林の計測、解析精度の向上を推進している。
 また、海面最終処分場に排ガスや大気中のCO2を回収、固定化するプロジェクトでは、2025年9月から12月にかけて、衣浦港3号地廃棄物最終処分場において、CO2の固定化実証を実施し、CO2固定化能力の増強を推進している。
 このほかのプロジェクトについても、コンソーシアム会員を中心とする地元企業との協働体制の構築や基盤技術の精度向上などに引き続き取り組み、社会実装につなげていく。
【委員】
 最後の質問をする。
 状況は何となく分かった。事業化につながるステップが着実に進展している答えもあったので、そこに期待をしたい。
 ただ、一方で、イノベーションは、とにかく新しいことに挑戦していくことなので、全てのプロジェクトが決してうまくいくと思っていない。うまくいってほしいが、うまくいかないといけないとも思っていない。今の報告も、うまくいったものをもらった。8件全部聞くつもりはないが、8件全てがうまくいっていない部分もきっとあると思うし、2年半の伴走、2年間の実証で全てのプロジェクトが成果を出す、社会実装につながるのはなかなか難しいと思っている。
 先ほどの答えでは、2024年度の採択プロジェクトは来年度までの支援になるが、2年で全ての支援を終了させてしまうのか、それとも、引き続き今と同等の支援を継続する可能性があるのか、それとも、今とは違った支援の形で何らか支援していくのか。この環境イノベーションプロジェクトを来年度以降、特に支援終了後、どのように進めていくつもりか答えてもらいたい。
【理事者】
 来年度については、先ほど理事者からも答弁したとおり、2024年度と今年度に採択をしたプロジェクトに対する伴走支援や実証実験を実施して、社会実装に向けた課題に着実に対処していく。
 そして、2024年度採択プロジェクトの支援終了後の対応については、現在の伴走支援をそのままの形で継続することは想定していない。各スタートアップは、事業の進捗度合いだけではなく、市場環境もまちまちであるし、人材や組織体制、あるいは資金調達、法規制など、様々な面でそれぞれ異なる状況に置かれている。こうしたことも踏まえて、各スタートアップの意向やニーズ、そして、来年度実施する実証実験の結果などを考慮して、個々のケースに応じた適切な対応を検討していきたい。
【委員】
 最後に要望する。
 個々の状況に応じて対応を検討していくということで、もう終わりではなく、ぜひ検討してほしい。環境イノベーションプロジェクトは、税金を原資とする支援である以上、必要以上に長期的にわたっての支出はなるべく避けるべきだし、極力無駄がないようにしなければならない。そして、できる限り明確な成果やアウトプットが求められるのは、原理原則として当然だと思っている。そうした姿勢で臨んでもらいたい。
 ただ、一方で、先ほど述べたように、イノベーションの創出、社会実装という困難な課題に挑戦するスタートアップに対して、短期的な成果を求め過ぎるのも適切ではない。ましてや経済合理性が低い環境分野についてはなおさらだと思っていて、さらに言えば、期間の長い短いだけではなく、その成功の可否も含めて全て100パーセントの成功を求めるのも、酷だと思う。目先の短期的な成果にこだわり過ぎることで、せっかくの新しい芽を摘んでしまうこともあるし、結果的に、長期的に見れば、せっかくの支援や投資がそれこそ無駄になってしまう可能性がある。目的は、この事業を2か年半で回すことではない。イノベーションを起こして環境問題を解決する、社会実装につなげることだと思うので、環境分野のいろいろな創出は、将来への投資であり研究開発である。先進的な取組は必ずしも短期的に成果を出して成功するものではないため、一定の失敗も含めて受け止める、あるいは長い目で挑戦を後押しする姿勢も必要だと思う。個々のケースに応じた対応を検討していくとのことだったので、ぜひ今後の対応もお願いしたい。
 支援の継続とともに、2年後の段階で、例えば応募時と同じような審査をもう一回かけて継続するメニューがあってもよい。2年前に採択したものを全部採択するわけにいかないので、駄目なものは切る考え方があってもよいと思うが、ぜひ検討してもらいたい。
 愛知県としては、農業、デジタルヘルス、モビリティー、スポーツ、環境の五つの分野でイノベーションプロジェクトを実施している。このうち、デジタルヘルス、スポーツ、環境は民間などと共同事業体、コンソーシアムを推進母体として位置づけて実施し、農業については、愛知県農業総合試験場が中心となって、先ほど言った産学官金で連携が進められているが、取組の内容自体はそれぞれ異なる。スキームやスタートアップの支援の在り方をどうするかだと思うが、関係者間で情報共有や連携の協議などを行いながら、より効果的な支援の形や事業のスキームをブラッシュアップしていく必要がある。ぜひ、真に社会実装され、広く普及されていく環境イノベーションが創出されるような事業になることを期待して質問を終わる。

一般質問​

【委員】
 ごみのポイ捨て防止について伺う。
 ごみのポイ捨てについて、20年ほど前から自宅と勤務先である消防署の距離が約2キロメートル弱だったので、歩きで通っていた。ちょうど県道を行って帰ってくることになったのだが、県道片道2キロメートルを歩くとごみ袋が可燃ごみや不燃ごみでいっぱいになり、当時は分別の意識がなかったので全部詰めて持っていっていた。また、帰りもたまっているような状況が何年も続き、拾えるものは拾っていたが、特に中央分離帯の植栽の中が茂ってくると、缶、瓶などいろいろなものがあり、何でこれを回収しないのかなど、いろいろ思っていたときもある。
 最近、このような仕事になってから、駅頭活動を行い、その後に駅の前のごみ拾いもするが、たまたま私のエリアの駅にコンビニがあり、すぐ横にハンバーガー屋がある。そうすると、コンビニの袋の中にペットボトルや食べ物のごみを入れて置いていく例も多い。当初はコンビニも外にごみ箱があり、てんこ盛りにごみが突っ込んであるような様子が見られた。それから、ハンバーガー屋は、店内にはごみを捨てるところがあるが、外にはない。また、消費税が10パーセント、8パーセントと食品を持ち帰るかどうかで区別がついたので、8パーセントで買って外で食べるような事案も多々ある。駅の前にはハンバーガー屋の袋が捨ててあり、中には、シェイクの場合はキャップがプラスチック、紙やストローも入っているなどの状況が多々見受けられた。
 また、家の周りの空き地にもスーパーの袋の中に食べ終わったごみを入れて捨ててあった。一番危険だと思ったのは農地である。田んぼの中に瓶、缶などが散乱している。春先になりロータリーをかけると瓶が割れるなど、危険である。何とかならないかといろいろ考えてみたが、なかなか意識は変わらない。今も県庁には名二環や国道153号から来るが、ランプへ来るとイン側はごみ、缶、瓶がいつまでもある。道路管理者がかなり回収はしているが、なくならない。
 現在は、子供のうちに、ごみを捨ててはいけないという考え方を教えたかったので、ライオンズクラブの青少年の健全育成の活動として、少年野球チームやボーイスカウトに活動助成金を出しながら、毎年2月に境川で500人ぐらいが集まって河川のごみ拾いを行っている。そこで必ず言うことは、このペットボトルは誰が捨てたか分からないが、これが海に流れていくと、少し前に話題になったマイクロプラスチックになり、魚が食べてしまう。その魚をみんなが食べることになるといけないから捨ててはいけないという活動も行っている。
 県の職員に怒られてしまうかもしれないが、ごみのポイ捨ての話をすると、それは市町村の事務と言われる。産業廃棄物は県でやるが、一般ごみ、ごみのポイ捨ては県ではないという話をよくするが、そうではなくて、愛知県で、ごみのポイ捨てをまず防ぐ取組を率先して行ってもらいたいと思っている。県内の道路や空き地、田んぼなどにごみが捨てられているが、愛知県は、ごみポイ捨て防止についてどのような取組を行っているのか伺う。
【理事者】
 本県では、空き缶等ごみの散乱の防止に関する条例に基づいて、5月30日、ごみゼロの日から、6月5日、環境の日までの1週間をごみ散乱防止強調週間と定めて、県庁や県民事務所周辺での清掃活動や市町村等への取組の呼びかけを実施している。
 今年度は、この強調週間において、県及び県内の全ての市町村により清掃活動、啓発活動、パトロールなど、129の事業を実施している。
 また、委員から指摘のあった道路の中央分離帯や沿道には、ポイ捨てされたごみが多く見られる。そういった部分は危険を伴うので、清掃活動が難しいところもある。
 このため、本県では自動車からのごみの投げ捨て防止を促す啓発資材を作成して、毎年度、一般社団法人愛知県トラック協会や愛知県警察の運転免許試験場及び東三河運転免許センターを通じて、自動車運転者への働きかけを実施している。
【委員】
 ホームページで今の答弁の関係は見てきた。
 議会が始まる前からこのテーマのやり取りをしていたが3月13日、本日、他の委員の地元の安城市のABK♡朝美活の活動が2026愛知環境賞で中日新聞社賞を受賞し、非常に面白いと思った。ごみ拾いは地球を救うというテーマで、ジョギングや、仮装しながらごみを拾うという遊び感覚を入れて本当にすばらしい。今日、調べてみたら、ウィキペディアにも載っている。既に社会的に認知された活動である。県の活動もよいが、せっかく愛知環境賞で表彰するのだから、全県に広げていく取組もプラスしてやってもらえるとありがたい。
 あわせて、調べたところ、ごみゼロ運動は、愛知県豊橋市が発祥の地というのは有名な話であるが、この大元は、ごみを拾うことではなく、ごみを持ち帰ることといっている。昭和50年5月、豊橋市の山岳会会長が始めた自分のごみは自分で持ち帰ろうという運動である。例えば私の地元の日進市では、ライオンズクラブが主体となって市民一斉ごみ拾いをやろうと、可燃ごみ、不燃ごみの袋などを作って、市内を挙げてやっているが、ごみを持ち帰ることが一番大事だと思っている。山歩き、体力づくりでよく尾瀬へ行き、穂高などを登ったこともあるが、ごみを持ち帰ることが一番重要なところで、それが自然環境の保護につながると思っている。ただいま述べたようなことを含めて、今後、ごみのポイ捨てにどのように取り組んでいくのか、県の考えを教えてほしい。
【理事者】
 委員から愛知環境賞の話があったが、県は長年にわたる清掃活動の中でも非常に優れた取組については、これまでにも愛知環境賞や環境保全関係功労者表彰などの表彰をしてきた。
 来年度からは、県内の消費者団体、事業者団体、市町村等で構成するごみゼロ社会推進あいち県民会議においても、ごみゼロ社会の形成に資する優れた取組や活動を新たに表彰することとした。継続的な清掃活動やポイ捨て防止の取組等を表彰していくことで、県民のごみに対する意識の向上を図っていきたい。
 また、委員の発言にもあったが、ポイ捨てされたごみは、河川を通じて海に流れ出て海洋生物にも悪影響を及ぼすなど、いわゆる海洋ごみの問題も引き起こす。
 こうした海洋ごみへの関心を高めるため、今年度、海岸での清掃体験を含むバスツアーを開催して、33人が参加した。また、小中学生を対象とした海洋ごみをテーマとする出前講座も実施した。
 参加者からは、マイクロプラスチック問題がポイ捨てから始まることを知らなかった、もうポイ捨てをしないなどの声が寄せられている。参加者の行動変容を促すとともに、家族や周りの人々への波及効果もあった。
 このような県民の意識を高める啓発活動を継続的に実施することが重要であると考えていて、来年度は、このバスツアーの開催を2回に増やして実施する予定である。
 ポイ捨ての防止には特効策があるわけではないことから、効果の見られた施策については、市町村等と連携しながら啓発活動等を引き続き実施していきたい。
【委員】
 積極的に取り組んでもらいたい。
 最後、一つ要望だが、昨日、たまたま高速道路を走る機会があって、サービスエリアに入った。トイレへ行ったら真正面に、運転手とドライバーへ向けて、ポイ捨てしないでくださいとしっかり掲げてあり、そこに全日本トラック協会という文字もあった。各種団体にもっと訴えて、その団体からも呼びかけてもらうなど、各事業所、企業からもごみのポイ捨てをしない、ごみは持ち帰ることも含めて、企業、各種団体ぐるみで取り組んでもらうことを要望して終わる。
【委員】
 私からは、昨年8月より通行止めになっている休暇村伊良湖の南連絡道路、通称サンセットロードに関連して、地元地域で行われた道路存続のための署名1万3,000筆も含めて質問する。
 本道路は、昭和41年に愛知県が当時の厚生省から三河湾国定公園における国民休暇村を誘致した際に愛知県によって建設された公園施設であり、いわゆる県道や市道などの道路法に基づく道路ではないものの、一般交通に供されているため、道路交通法上の規制はかけられている。公園施設であることから、道路であるにもかかわらず、これまで愛知県が地権者と借地契約を結び、管理を田原市が行ってきた。
 手前が伊良湖で奥が休暇村になる。
 本道路の設置の経緯について、少し詳しく説明する。
 昭和40年当時の休暇村誘致の際の国の内定資料をひもとくと、厚生省が県に送付した昭和40年3月25日付け、厚生省発国第25号伊良湖国民休暇村の設置についてと、県が国に送付した昭和40年5月24日付け、40通第88号伊良湖国民休暇村の設置について(回答)において、次のようなやり取りが残されているので、関係箇所を抜粋要約する。
 国からの問いとして、候補地として内定された地域を含めての伊良湖港及び恋路ヶ浜一帯の公園計画についての県の意見はどうかに対して、本県は、基本方針としては、恋路ヶ浜一帯を一応、景観の頂点とし、主としてその海浜及び林間の園地利用に留意するとともに、高級な宿舎もしくは自動車旅行者のための最小限度の施設を整備するものとし、また、港湾地区を交通の中枢部として交通施設を中心とする公共施設を整備するものとして、この2地区を集団施設地区の公共的利用の中心と考え、同地と候補地を含めた他地区とを既設もしくは新設の道路により相互に有機的な連絡を図ることとしたいと回答している。
 また、国からはほかにも、県における公共事業の執行について、国民休暇村事業に必要な取付け道路及び地区内幹線道路、中略する、等の施設の整備は県において設置されたいが、これに関しての実施計画はどうかとの問いがあり、本県は、国民休暇村事業に必要な取付け道路及び地区内幹線道路、中略する、等の施設については、本県において措置する方針であると回答している。
 繰り返しとなるが、このような経緯で、本道路は道路法に基づく道路ではなく休暇村を誘致した愛知県により公園施設として整備され、愛知県が地権者と借地契約を結び、田原市が指定管理を受けて、これまで長きにわたり供用されてきた。当然ながら、本道路は休暇村誘致の際、国と県の取り交わしの上で設置された重要な道路であり、休暇村伊良湖にとってはなくてはならない道路である。例えば、休暇村伊良湖は、その所在地が伊良湖であると言われても何の違和感もなく、多くの方が伊良湖と認識していると思うが、これは、伊良湖観光の中心である恋路ヶ浜や伊良湖港と直接最短で結ぶ本連絡道路があるからこそであり、本連絡道路がもしなければ、実際の休暇村所在地は中山町であり、伊良湖へ行くためには、中山町から西山町を通り、亀山町を通り、伊良湖へ向かうこととなるため、もはや地理的には伊良湖とは言い難い状況となる。
 道路がなくなるといった状況は、この地で長きにわたり観光を支えてきた休暇村伊良湖としては想定しておらず、施設経営に大きな痛手を与えることは容易に想像できる。
 また、当該場所は、休暇村施設のみならず、愛知県が整備した園地、キャンプ場等もあり、平成30年3月には、全国初となる砂丘とオアシスを再生し、この地域固有の海浜性の植物を復元した公園、いらごさららパークが整備され、現在、全面供用され、親しまれている。
 このように、愛知県としても、本連絡道路を活用し、三河湾国定公園の利用の増進を図ってきた。さらに、連絡道路としての役割だけでなく、三河湾国定公園の景観の中心である渥美、知多両半島の海岸景観と三河湾の内海多島海景観を一望できるという、伊良湖観光においては大変貴重な道路としての役割も担っている。
 その景観のすばらしさから、昨年、テレビCMでもドライブコースとして本道路が紹介されており、そのCMは現在も動画サイトで視聴することができる。
 伊良湖観光協議会としても、すばらしい夕日を眺められるスポットとしてサンセットロードという名称をつけ、観光をPRしている。
 さらに本道路は、田原市が管理する排水機場へ行くための進入路ともなっており、また、県営海岸整備事業、伊良湖樋門地区の改修工事にも必要とされている。こうした地域の防災事業においても重要な役割を担っている。
 そこで、はじめに、本道路が果たしている役割について、県はどのように認識しているのか伺う。
【理事者】
 休暇村伊良湖の南連絡道路は、三河湾国定公園の利用の増進を図っていくため、恋路ヶ浜や伊良湖港と当時の伊良湖国民休暇村とを結ぶ連絡用として県が整備をして、昭和45年頃に開通したものである。それ以降、伊良湖岬方面と休暇村伊良湖を結ぶ海沿いのアクセスルートとして、主に観光面における役割を果たしてきた。
 さらに、この道路は、一般の人が自由に通行できる道路として、地元の住民の人々や隣接する海辺を訪れる釣り客のほか、毎年地元で開催されてきたトライアスロン伊良湖大会の自転車コースに用いられるなど、長年にわたり広く利用されてきた道路であると認識している。
【委員】
 この道路は、平成31年に隣接するゴルフ場の経営が名鉄から現在の民間会社に移り、それに伴い、土地の所有者も同民間会社へと移った。
 このたびの道路の閉鎖は、県の支払う土地借地料が地価の下落とともに減少する一方で、ゴルフ場内に設置されたゴルフ練習場からボールが道路へ出ないようにするネットの維持管理に高額の対策費が必要であるため、このような状況を回避するための話合いが持たれ、その協議が頓挫したことに端を発していると聞いている。
 これまで地権者とはどのような話合いを行ってきたのか伺う。
【理事者】
 2024年7月に土地所有者から、契約期限である2025年7月31日をもって土地の賃貸借契約を終了したいとの申出を受けた。
 その後、相手方へは、この道路ができた経緯や目的、必要性について何度も話合いを重ね、合意点を探ってきたが、残念ながら相手方の理解は得られなかった。
 このため、契約期限の昨年7月末をもって、やむを得ず一旦道路を通行止めとしている。
 しかし、現在も土地所有者とは道路の通行再開に向けて交渉を重ねている状況にある。
【委員】
 もし今後、打開策が見いだせず、地権者と愛知県との借地契約が更新できなければ、愛知県は契約上、原状回復し返還しなければならず、これには約1.6キロメートル区間の道路アスファルトを剥がして、道路として盛られた盛土を完全に撤去し、土留めとして建設された擁壁も完全に撤去した上で、さらに新たにのり面に土留めを施すなど、少なくとも数億円規模の支出が必要になると思われる。
 契約が継続できない場合、本県が負担しなくてはならない原状回復費用は幾らかかると見込んでいるのか伺う。
【理事者】
 委員の指摘のとおり、舗装や盛土の撤去など、一連の原状回復工事には億単位の費用がかかると予想している。
 しかしながら、本県としては、賃貸借契約の延長を断念しているものではない。
 また、土地所有者は、県が土地賃貸借契約に基づき原状回復をするのではなく、道路の安全な通行を確保するための具体的な話合いをしていきたいという意向を持っている。
 そういった点も踏まえて、今後も問題解決に向けた様々な方策を検討しながら相手方との交渉を継続していきたいと考えている。
【委員】
 もし打開策を見いだせない場合、本県は大切な公園施設である道路を失うだけではなくて、何も生み出さない工事に莫大な費用を投入しなければならなくなる。
 また、ゴルフ場にとっても、所有する道路用地の隣には県が既に土地買収した一部未整備の自転車道用地があるため、ここへボールが飛び出す可能性は残ったままである。
 また、本道路を、指定管理を受けて管理しながら観光の振興に活用してきた田原市としても、なくなることでのデメリットは計り知れない。
 さらに、県や市の防災事業についても支障を来すこととなる。
 つまり、契約の破棄は、全ての関係者にとって得策ではなく、避けるべきものであることは明白である。であるからこそ、十分な話合いを持ち、関係者間で妥協点を模索すれば、必ずや道路として存続できるものであると考える。
 そこで、田原市はじめ、関係者間とどのような調整を行ってきたのか伺う。
【理事者】
 田原市をはじめとした関係者、これは、農地海岸の堤防を管理する東三河農林水産事務所、南連絡道路に隣接した一部未開通の自転車道用地を所管する東三河建設事務所とは、昨年度から土地所有者との交渉状況を随時伝達するなど、情報共有を図ってきた。現在は、地元、田原市にも交渉に加わってもらい、土地所有者との交渉を継続して進めてきた結果、来年度の1年間は土地の賃貸借契約を継続する旨の合意を得ることができている。
 今後、南連絡道路の通行再開に向けて、引き続き土地所有者との交渉をしっかりと行っていくとともに、状況に応じて関係者にも協力してもらいながら話合いを前に進めていきたい。
【委員】
 このような状況の中、地元観光事業者で構成されている伊良湖岬観光協議会が中心となり、道路存続の署名活動が昨年9月から11月末にかけて行われた。限られた期間であるにもかかわらず、1万2,950筆という大変多くの人々が署名に協力した。旧渥美町地域のコミュニティー協議会とその関係自治会では、少なくとも関係地域のほぼ全戸に署名用紙が配布され、その上で、それぞれの地域で署名活動を展開するなど、地域を挙げての活動となった。
 また、昨年で39回を迎えたトライアスロン伊良湖大会では、バイクコースのハイライトである本連絡道路が使用できなかったため、やむなく堤防の上を追越し禁止区間としてコース利用した。迂回路がないため、2025年は急遽このような対応となったが、2026年以降もこのようなコースでは大会自体が成り立たなくなるのではないかと心配の声も寄せられている。こうしたトライアスロン関係者も署名活動に協力している。
 また、本道路は釣り客の利用も多く、本署名には多くの釣りの関係の人々が協力している。
 また、この海岸は、長年にわたり環境活動を行ってきたNPO法人の活動場所でもあり、こうしたNPO法人の関係の人々からも多くの署名が集められている。
 また、署名活動においては、商工会が全面的に協力しており、さらに市内3か所ある道の駅やその他商業施設にも回収箱が設置されるなど、多くの人への周知と署名活動が展開された。
 旧渥美町の人口は現在約1万6,500人という規模から見ても、この約1万3,000筆は目標を大きく上回る署名数となった。個人情報の取扱いには神経質な現代社会において、署名の一筆一筆に込められた思いは相当なものであると思う。
 そこで、令和7年12月19日に本県に提出された道路存続を求めるこの1万3,000筆の署名をどのように受け止めているのか伺う。
【理事者】
 今回、県に提出された署名は、道路を存続させたいという地域の人々や伊良湖を訪れた観光客、トライアスロン大会の関係者など、非常に多くの人からの切実な思いが込められており、署名者から示された熱意としてしっかりと受け止めている。
 また、今回提出された署名は、今後の土地所有者との交渉の場において大きな力になるものと考えている。土地所有者との交渉の中でも、署名とその思いを伝えた。
【委員】
 では、最後に、今後どのように問題解決に向けて進めていくのか伺う。
【理事者】
 本件については、地域の人々の期待に応えられるよう、地元である田原市をはじめ、関係部局と緊密に連携し、互いに知恵を出し合いながら、事態を打開するために取り得る方策を丁寧に検討していきたい。
 また、相手方とは今後も粘り強く交渉を続け、道路の再開につながる妥協点を着実に見いだせるよう取り組んでいきたい。
 大変心配をかけているが、一日も早い解決に向けて、全力で取り組んでいく所存である。
【委員】
 最後に要望する。
 先ほど答弁にもあったが、ぜひとも今後も粘り強く協議を進めてもらうことで、地権者にとっても、そして、本県、田原市、全ての関係者にとって利益となる着地点が必ず見いだせると思う。県においては、そうした努力を重ねてもらうよう、重ねて切に願い、質問を終わる。

〈委員外議員発言〉
【議員】
 本県の生物多様性の推進、自然共生サイトについて伺う。
 生物多様性の保全は、希少な自然を守るだけではない。私たちの暮らしや地域経済を支える基盤であり、SDGsの達成にも直結する大事な課題である。
 国は、企業や自治体、NPOなど、民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域を自然共生サイトとして認定する制度を2023年度に開始した。
 2025年度からは法制化して、2030年までに陸と海の30パーセント以上を効果的に保全する、いわゆる30by30目標の実現につなげようとしている。
 自然共生サイトは、地域で積み重ねられてきた保全活動を見える化し、その価値を広く共有し、次の取組へつなげる制度として重要だと考えるところである。
 県内でも、企業の森、大学の緑地、湿地、ホタルの里など、様々な場所で認定が進み、多様な主体の努力が形になってきていると承知している。県が認定への後押しを強めれば、挑戦する地域や団体はもっと増えるはずである。
 そこで、自然共生サイトについて二点伺う。
 一点目、県内の認定状況はどうか。そこではどのような取組が行われているのか。あわせて、県は自然共生サイトの意義をどう捉えており、どのようにその取組が広がることを期待しているのか。また、認定を促進するために、これまでどのような取組を行ってきたのか尋ねる。
【理事者】
 まず、県内の認定状況については、2023年度の制度開始以来、これまで26件が認定されており、東京都、神奈川県に次ぐ全国3位の認定件数となっている。
 各サイトでは、企業、NPO、大学、自治体など、多様な主体により、都市部から里山に至る幅広い環境において、里地・里山の保全、ビオトープの整備、希少種の保護など、様々な取組が行われている。
 県内の例を挙げると、2023年度に認定されたなごや東山の森は、二つの都市公園で構成され、市と保全団体が連携して保全活動等を行い、多くの市民に利用されている。
 また、本県が申請し、2025年9月に認定されたあいち海上の森では、県保全団体、企業が協働し、里山環境の維持や希少な動植物の保護などが行われている。
 県が自然共生サイトへの認定を促進することにより、県内の生物多様性が図られている区域が実質的に拡大し、生物多様性国家戦略の主要な目標である30by30目標の達成に向け、貢献することにつながる。
 また、NPOや事業者の活動する場が認定されることにより、活動の効果が見える化され、企業等から支援や協力が受けやすくなるといったメリットがあり、それが環境保全活動のさらなる活性化につながり、多様な主体との連携や活動の持続性が高まることから、自然共生サイトを核とした地域の保全活動が広がることを期待している。
 また、これまでの取組について、2024年度は、企業やNPO等に対して、制度の趣旨やメリットを周知する説明会を実施した。
 さらに、今年度は申請に支援を要するNPOに対して、申請書作成に必要な現地調査やモニタリング計画の作成等の支援を実施した。
【議員】
 自然共生サイトを増やしていくには、ぜひ取り組みたいと思う地域や団体が実際に動き出せるようにすることが重要だと思う。そのためには、現場の課題を丁寧に拾い上げて、分かりやすく後押しする仕組みが必要である。
 また、自然共生サイトの広がりを一時的なものに終わらせず、県内各地へ着実に広げていくには、申請前の相談支援、認定後の継続支援、そして、自治体、企業、NPO、市民団体など、多様な主体をつなぐ仕組みが欠かせない。
 そこで伺う。県は来年度、モデル事業を実施すると聞いているが、今後、県内の自然共生サイトを拡大していくために、企業、NPOなど、多様な主体の申請をどのように支援していくのか。また、それぞれの活動をどう支え、後押ししていくのか、今後の方向性について伺う。
【理事者】
 今後の申請支援の取組については、あいち生物多様性戦略2030の中間見直しを現在行っており、自然共生サイトの拡大を新たに重点プロジェクトの目標に位置づける予定である。
 来年度の取組としては、モデル事業を実施し、自然共生サイトの課題整理と事例収集、そして、回復タイプの申請支援のケーススタディーを通じ、申請の準備、方法等を分かりやすく示す手引を作成し、多様な主体に活用してもらえるよう、広く冊子やウェブにより情報発信をする。
 また、それぞれの活動への支援としては、保全活動を持続可能なものとするために、資金や担い手などの支援を必要としている保全団体とそれらの活動への貢献を希望する事業者とのマッチング制度によるコーディネートや、専門家派遣による指導、助言などを引き続き行っていく。
 さらに、自然共生サイトは、多様な主体が連携することによってより効果的で持続的な仕組みとなることから、NPO、企業、大学等の協働により、県内各地で生物多様性保全の取組を行う生態系ネットワーク協議会を活用して、多様な主体とのネットワークを広げ、協働を促進することにより、自然共生サイトの活動を後押ししていく。
【議員】
 要望する。
 自然共生サイトを県内に広げていくには、制度の案内だけではなく、質問でも少し述べ、今の答弁でもあったが、一、申請前の相談、二、申請ノウハウの提供、三、企業と地域団体の連携支援、四、認定後の継続支援、五、好事例の横展開まで、一連の支援が必要となってくる。
 保全活動は、熱意で支えられていても、人材、資金、専門知識、企業との接点が足りなくて、継続や発展に悩む例も多々ある。県には多様な主体をつなぐハブ役をぜひとも、答弁でもあったが担ってもらいたいと思う。
 今回、このような形で委員外質問として取り上げてもらったのは、県が管理する都市公園など、県有施設でももっと積極的に自然共生サイトの認定申請に取り組んでほしいと考えたからである。
 地元の話になって恐縮だが、県営大高緑地では現在、将来構想の策定とともに、環境調査会社による環境調査が大変子細に行われている。実は先日、この調査会社を直接訪れ調査手法などを聞く機会に恵まれたが、専門家が丁寧な調査を繰り広げていたため、調査の進展に合わせて、自然共生サイト認定の要件が一気に整理できると感じた。
 認定への道のりが歩みやすい県の施設は、大高緑地以外にもたくさんある。先ほども答弁の中で海上の森の話、名古屋市の東山の森の話も出た。そのような意味で要望したわけだが、隗より始めよであるので、環境局が音頭をしっかりとり、他局が管理する県の公園や施設などにも働きかけし、県全庁を取り込み、巻き込んで、自然共生サイトの先進的な取組を進めてもらうよう要望して質問を終わる。

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