本文
経済労働委員会審査状況(令和8年3月13日)
経済労働委員会
委員会
日時 令和8年3月13日(金曜日) 午後0時58分~
会場 第7委員会室
出席者
日高 章、細井真司 正副委員長
直江弘文、久保田浩文、近藤裕人、田中泰彦、神谷和利、宮島謙治、かじ山義章、桜井秀樹、阿部洋祐、
大久保真一、神谷まさひろ 各委員
経済産業局長、同技監、産業部長、中小企業部長、革新事業創造部長、水素社会・モビリティ推進監、
労働局長、就業推進監、技能五輪・アビリンピック推進監、
観光コンベンション局長、観光推進監、
労働委員会事務局長、同次長兼審査調整課長、関係各課長等

委員会審査風景
付託案件等
議案
第 1 号 令和8年度愛知県一般会計予算
第1条(歳入歳出予算)の内
歳出
第5款 経済労働費の内
第1項 経済産業総務費
第2項 商工業費
第3項 労政費
第4項 職業能力開発費
第5項 観光費
第6項 労働委員会費
第3条(債務負担行為)の内
21世紀高度先端産業立地補助
新あいち創造産業立地補助
一般事業資金融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
経営強化資金(短期資金)融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
経営強化資金(短期資金)融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
一般事業資金(短期資金)融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
経済環境適応資金融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
経済環境適応資金融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
経済環境適応資金融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
経済環境適応資金融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
経済環境適応資金融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
経済環境適応資金融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
経済環境適応資金融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
経済環境適応資金融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
経済環境適応資金融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
経済環境適応資金融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
経済環境適応資金融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
経済環境適応資金融資に係る愛知県信用保証協会損失補償
あいち産業振興機構設備貸与事業損失補償
あいち産業科学技術総合センター施設設備改修実施設計
雇用セーフティネット対策訓練業務委託契約
障害者職業訓練業務委託契約
高級ホテル立地促進事業費補助
第 6 号 令和8年度愛知県中小企業設備導入資金特別会計予算
第36号 愛知県技術開発交流センター条例の一部改正について
結果
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第1号、第6号及び第36号
請願
第 95 号 「業務上コロナワクチンを接種し、健康被害を受けた労働者に労災認定の可能性がある事の周知を求める」について
結果
賛成者なしをもって不採択とすべきものと決した請願
第95号
会議の概要
- 開会
- 口頭陳情(1件 陳情第137号関係)
- 議案審査(3件)
(1)理事者の説明
(2)質疑
(3)採決 - 請願審査(1件)
- 休憩(午後2時50分)
- 再開(午後2時58分)
- 一般質問
- 閉会
主な質疑
議案関係
【委員】
令和8年2月定例愛知県議会予算に関する説明書(1)の196ページ、第5款経済労働費第5項観光費第1目観光費4(10)外国人旅行者周遊促進モデル実証事業費について伺う。
昨年12月定例議会の経済労働委員会において、セントレアを利用する外国人旅行者が、名古屋市以外の知多半島や西三河地域をほとんど訪れていない実態について問題提起した。このたび、新年度予算の新規事業としてセントレアから出入国する外国人旅行者の県内周遊を促す外国人旅行者周遊促進モデル実証事業費2,571万7,000円が計上されているが、この事業の内容について大きく三点伺う。
まずはじめに、セントレアを利用している外国人旅行者の県内周遊の状況と、県内周遊に対する潜在的なニーズがどれぐらいあると考えているのか伺う。
また、そうしたニーズを的確に捉え、県内周遊を促進するために具体的にどのように取り組んでいくのか伺う。
【理事者】
はじめに、外国人旅行者の県内周遊の状況についてだが、スマートフォンのGPSを活用した外国人旅行者の人流データを分析すると、セントレアがある常滑市を訪れた外国人旅行者が、その前後の行程で県内のほかの市町村を訪れた割合は3割程度となっており、7割の人は県内の観光地を訪れていない状況となっている。
次に、潜在的な県内周遊のニーズについてだが、セントレアにある観光案内所には、空港を利用する外国人旅行者から名古屋市内へ移動する前に気軽に楽しめる観光スポットはないか、帰国便の出発までの間に訪問できる観光地を教えてほしいといった問合せが毎月数十件寄せられている。このことから、もともとの予定には入っていないが、入国直後や出国までの空き時間を活用して県内を観光したいという一定のニーズが存在していると考えている。
さらに、人流データによると、セントレアから帰国する外国人旅行者のうち、名古屋市内で前泊している人が相当程度いることも分かっており、こうした人々についても、帰国前日を含め、空いた時間を上手に活用し、県内観光を楽しんでもらうことは可能であり、潜在的なニーズは十分にあると考えている。
最後に、具体的な取組についてだが、まず、本県がモデル地域として選定した4市とともに、セントレアを利用している外国人旅行者の県内周遊を促進するための地域課題を幾つか設定した上で、スタートアップなどから解決策の提案を受け、それらを磨き上げた後に実証事業として行うことを予定している。
【委員】
この事業ではモデル地域を選定し、スタートアップ等から提案された解決策を当該モデル地域で実証事業として実施するということであるが、本事業のモデル地域はどの地域で、なぜその地域をモデル地域として選定したのか聞かせてほしい。
【理事者】
本事業では、常滑市、半田市、西尾市、蒲郡市の4市をモデル地域として選定した。具体的には、セントレアから車でおおむね1時間以内の距離に位置しており、かつ観光客数や観光施設数が県内市町村の中で上位であることなどを条件に、候補となる市町村を抽出し、このうち、愛知県と共同で本事業を実施することに同意したこれら4市を選定した。4市については、セントレアからの周遊観光先としての条件がある程度備わっているにもかかわらず、実際の周遊にはあまりつながっておらず、今回の実証事業を通じて4市に共通する課題を幾つか設定し、それらの課題を解決することで大きな効果が期待できる地域と考えている。
【委員】
モデル地域に選定した常滑市、半田市、西尾市、蒲郡市の4市を対象に官民が連携して地域の課題の解決を目指す取組に大いに期待しているが、実証事業の成果を高めるためには地域課題の設定が大変重要になってくる。
この地域課題については、今後モデル地域である4市と協議を経て最終的に決まるものであると承知しているが、現時点において愛知県としてどのような地域課題を想定しているのか。また、事業終了後にモデル地域から他の市町村へどのように横展開していくのかも併せて伺う。
【理事者】
地域課題については、委員の指摘のとおり、今後4市と協議した上で、共通する幾つかの課題を設定する予定であるが、例えば日本到着直後や旅行中、帰国前などのタイミングでの旅行者の属性や旅行形態に沿った効果的な観光情報の発信や、事前の予約がなくても短時間で楽しめ、満足度の高いコンテンツの造成や提供、また、実際に足を運んでもらうための利便性の高い移動サービスの提供も重要な課題になると想定している。
次に、事業終了後のほかの市町村への横展開についてだが、事業実施に当たり、今後の社会実装や持続性に加え、横展開の可能性も視野に入れながら、スタートアップからの提案を選定し、磨き上げを行っていく。また、関係部局とも連携しつつ、空港会社や鉄道事業者にも課題設定や提案の磨き上げなどに協力してもらうことで、その後の実証事業の成果をより実りのあるものにしていく。
さらに、成果報告会には、県内の市町村や観光協会、多様な事業者に参加してもらい、その成果を活用したい地域、事業者とのネットワーキングの機会とすることで、横展開を促進していく。
こうした取組を通じ、外国人旅行者を4市に限らず、広く県内各地への周遊につなげていく。
【委員】
最後に要望する。
今回のモデル実証事業において、中部国際空港に到着したインバウンドの旅行客の一人でも多くの人々に県内を周遊してもらえるよう、今回選定された4市のモデル地域において、先ほど話のあったスタートアップ等と連携して周遊促進を図る実証事業となるように、愛知県としても、また、観光コンベンション局としてもしっかりとリードするとともに、この事業の社会実装を後押しして、他地域への横展開を図ることを要望して質問を終わる。
【委員】
私からは、予算に関する説明書(1)の190ページ、歳出第5款経済労働費第3項労政費第1目労働福祉費のうち、(3)中小企業男性育児休業取得促進事業費について、三点伺う。
まずはじめに、この奨励金の支給状況について伺う。
先ほど理事者からも説明があったが、直近の愛知県2025年労働条件・労働福祉実態調査によると、本県における男性の育児休業、以下育休と省略するが、この取得率が53.4パーセント、前年に比べてプラス16.1パーセントの大幅増となっていて、近年、男性の育休の取得率は県内でも確実に上昇傾向にあると認識している。
そのような中、本県では従業員が300人以下の中小企業を対象に、男性従業員が育休を取得した際に最大100万円の奨励金を支給する制度を2023年に創設し、今年が3年目になり、男性従業員が育休を取得しやすい職場環境づくりを積極的に促進してきたと承知している。
そこで質問する。
これまでの奨励金の予算額及び支給企業数の推移について伺う。
【理事者】
本奨励金は、男性従業員が育児休業を通算14日以上取得した場合50万円、通算28日以上取得した場合に100万円を中小企業に支給する制度となっており、2023年9月から実施している。制度を開始してからの予算額及び支給企業数の推移だが、2023年度は、予算額が5億2,350万円、支給企業数は597社、支給総額5億2,350万円であり、2024年度は、予算額が9億4,450万円、支給企業数は886社、支給総額7億9,500万円。2025年度は、予算額が7億5,750万円、2月末時点の支給企業数は529社、支給総額4億8,300万円となっている。
【委員】
次に、奨励金の効果について伺う。
これまでは従業員数が少ない企業ほど男性の育休が進んでいないという状況であったが、さきの愛知県2025年労働条件・労働福祉実態調査においては、従業員300人未満の企業での育休取得率が56.7パーセントと、300人以上1,000人未満の47.1パーセント、1,000人以上の55.0パーセントよりも高くなっていて、この奨励金をはじめとした育休取得促進に向けた本県の取組が確実な成果を上げていることが数値的にも明らかとなっている。
ここで質問する。
奨励金を支給した企業における効果や、その後の育休取得状況について伺う。
【理事者】
奨励金の効果やその後の育休取得状況を把握するため、奨励金を支給した企業に対し、支給決定時のアンケート及び奨励金の対象となった従業員が、育児休業から職場復帰後、おおむね1年後に追跡調査を実施している。支給決定時のアンケートでは、男性従業員の育児休業取得による感じている効果を確認しており、育児休業に関し、職場の理解が深まったが65.5パーセント、他の従業員の育児休業取得につながったが36.7パーセント、業務の属人化解消や改善、部署内の応援体制整備につながったが30.8パーセントとなっている。このような結果から、奨励金の支給が男性の育児休業取得に向けた取組を後押しする一定の効果があったと考えている。
また、追跡調査では、奨励金の対象となった従業員の後に、他の男性従業員が育休対象となった場合の育休取得率の状況を確認している。具体的には、該当する男性従業員がいると回答した企業420社のうち、育休を取得したが63.6パーセント、今後取得予定が8.2パーセント、計71.8パーセントとなっており、男性の育児休業取得が職場において定着しつつあると考えている。
【委員】
奨励金の支給の効果と、また、その後7割近くの企業が男性育休を導入している又はこれから取ると回答しているということで、本当に非常に効果がある政策だと改めて理解することができた。
最後の質問だが、奨励金の支給の要件について伺う。
本奨励金の支給対象は愛知県内に本社を有する企業としているが、他県での実施内容、支給による効果等も勘案したときに、その支給対象を本社の所在地によって限定するのではなく、育休を取得する男性従業員の勤務している場所をその支給対象にすべきと考えている。
本件はちょうど1年前、本会議の議案質疑においても取り上げた。1年前、私の友人が男性育休を社内で取ろうとしたときに、その人は東京都に本社がある企業の名古屋市の支社に勤めているが、愛知県にこのような制度があるということをその友人に伝えたところ、すぐに事務局に確認の電話をしたようである。すると、本社が愛知県にないと取れない、支給対象ではないと言って断られた。その制度が東京都にもあるので、東京都にも確認してほしいと言ったら、東京都は本社はどこにあってもよいが、働いている場所が東京都でないと駄目だということで、どちらも引っかからずに対象にならなかった。なので、先ほど言ったように、企業に支給する奨励金ではあるが、男性育児休業取得促進ということだから、ぜひ従業員が働いている場所を対象の要件としてほしいということを1年前の本会議でも言った。
当時の労働局長からは、奨励金の支給対象を愛知県内に本社を有する企業等に限定する理由については、就業規則等の整備や利用促進などは人事制度を管理する本社に対して働きかける必要があるためという趣旨の答弁がされた。その結果、来年度も対象要件は、本社企業があるところということで支給の対象は変わっていない。もちろんこの制度は、先ほど言ったように効果もある制度で大変よいと思うので、制度そのものを否定しているわけではないが、せっかくこんなに効果があるよい制度なので、支給対象を県内本社に限定するのではなく、県内企業、そこで働いている多くの人々の子育てを幅広く応援する制度にアップグレードしていくべきだと考えている。
先ほど言った昨年の答弁、本社に働きかける必要性ということだが、本社が他県にある企業であっても、愛知県内支社で本奨励金制度を活用することによる効果や、先ほど追跡調査の話もあったが、実際に育休を取得した男性従業員の声などは本社に十分フィードバックすることができると思う。そして、その後の社内制度の改善につなげることも十分可能であると考えている。
また、本奨励金制度と同様に、本県の中小企業の人材確保や魅力向上を目的として、同じく労働局が実施している中小企業の奨学金返還支援事業、先ほど上限60万円、今まで3年間だったものを6年間に拡充したという話があったが、これについては対象企業が従業員300人以下の県外本社の企業もその対象としている。そうした制度との整合性も取れていないのではないかと感じている。
最後に、納税者、働く人たちの視点だと思っている。本社が県外にある企業の支社であっても、その拠点が愛知県内にあれば、法人住民税、法人事業税はじめ、本県には多額の納税をしてもらっている。現に中小企業の奨学金返還支援事業のQ&Aにおいては、登記簿に登録されている住所が県外であっても法人住民税を愛知県内に納めていれば対象と明記してある。先に言った私の友人ももう10年近く豊田市に住んでいるが、長らく豊田市で居を構えて仕事をして子育てをしている愛知県民であって、立派な納税者の1人である。今後はこうした観点から、より納税者や働く人たちの立場に寄り添った制度にしていくべきと考えている。
最後に質問する。
改めてこの奨励金の支給要件を愛知県内に本社を有する企業等に限定する理由について伺う。
【理事者】
企業が育児休業を取得しやすい職場環境づくりに取り組むには、男性の育児休業取得の意識や効果等について、経営者の理解と意識改革が重要であると考えている。そのため、男性従業員の育児休業取得が一時的な取組にとどまらないよう、就業規則等の整備や従業員への制度利用の周知など、人事制度を管理する本社に対して働きかける必要があると考えている。こうしたことから、奨励金の支給対象を県内に本社を有する企業等としている。
また、会社全体で仕事と育児を両立しやすい職場環境を整備することにより、他の男性従業員の育児休業取得につながるとも考えている。
今後も、男性の育児休業取得促進のため、支給決定時のアンケートなどを継続して行い、企業や育休を取得した従業員の声を踏まえながら、本奨励金がより使いやすい制度となるよう研究していく。
【委員】
経営者の理解や意識改革、これを本社に働きかけるという理由は分かるが、先ほど言ったように、別に支社であってもその意見や声をフィードバックすることは十分可能だと思っている。
最後に要望する。
予算額は決まっているものもあるので、来年度の執行内容にもちろん反対するわけではないが、ぜひ来年度以降の検討課題としてほしいと思って要望する。
先ほど言った東京都だけではなく、栃木県、神奈川県、福井県、鳥取県、山口県、宮崎県、こうした本県と同様の奨励金制度を実施している自治体の多くは、本社が県外にあっても育休を取得する男性従業員の勤務する事業所が県内にあれば奨励金の対象としている。また全国的にも、そうした自治体が多いということを確認している。
この予算関連資料の中でも、本奨励金の目的について、職場環境づくりというキーワードが多く出てくる。その職場環境づくりという言葉の前には必ず、男性従業員が育児休業を取得しやすいというワードがセットでついている。奨励金は会社に渡すものだが、主語は会社ではなく男性従業員である。そうであるならば、支給要件を本社の所在地によって絞るのではなくて、愛知県で働いて、愛知県で子育てを頑張っている人に焦点を当てて、県全体でそうした子育ての環境を整えていく。また、それに取り組む企業を応援して、県内企業のさらなる魅力向上を目指す制度にしてほしいと要望して私の質問を終わる。


R7 男性育休奨励金リーフレット
【委員】
私からは、予算に関する説明書(1)の196ページ、第5款経済労働費第5項観光費第1目観光費4国際観光コンベンション推進事業費のうち、(8)アジア・アジアパラ競技大会活用誘客促進事業費、また、(12)愛知「発酵食文化」振興協議会負担金について、大きく2項目について質問する。
はじめに、アジア・アジアパラ競技大会を活用したインバウンド観光促進について伺う。
今年度、愛知県はアジア・アジアパラ競技大会を契機としたインバウンド誘客の強化に向け、体験型観光の推進や、海外市場に直接届けるプロモーションに力を入れてきた。観光庁の統計では、2025年の訪日外国人旅行者の約8割が海外個人旅行者(FIT)であり、FITが主に利用するオンライン・トラベル・エージェント(OTA)による情報発信は極めて重要である。愛知県が海外向けプロモーションとしてOTA事業者と連携したプロモーション事業を実施したことは、まさにこの潮流に合致した取組であり、体験コンテンツを海外に届けるための基盤整備として評価をしている。
また、昨年10月には大会組織委員会主催の世界放送者会議及び世界報道会議が名古屋で開催され、海外メディアを対象とした視察ツアーが実施された。世界放送者会議には、第20回アジア競技大会における放送事業者が、世界報道会議には同大会における報道関係者が参加し、大会本番時に放送事業者や報道関係者が円滑に活動できるよう、情報提供を行った。
こうした国際会議の開催は愛知県の魅力を世界に発信する絶好の機会である。視察ツアーでは、発酵食文化、モノづくり、伝統産業、歴史、文化など、愛知ならではの地域資源を体験してもらったと承知している。
そこで伺う。
この視察ツアーには何人が参加したのか。今回の成果をどのように受け止めているのか。その上で、愛知県の魅力を世界に発信するための新年度の具体的な取組について伺う。
【理事者】
昨年10月に開催した視察ツアーには、海外メディアを中心に78人に参加してもらった。ツアーでは、名古屋城やトヨタ博物館、半田赤レンガ建物、蒲郡オレンジパークなど、愛知県ならではの歴史や文化、産業、自然などの見学、体験と併せて、みそ煮込みうどんなど本県独自の食文化も楽しんでもらった。参加者からは、メディアセンターや競技会場の下見だけでなく、愛知県の観光の魅力を直接取材できる機会が得られ、大会本番に向け、とても有意義であったといった声をもらっており、参加者に観光県としての愛知県を印象づけるとともに、帰国後の情報発信にもつなげることができたと認識している。
次年度は今年度の取組をさらに広げたいと考えており、具体的には、メディアに加え、選手・関係者や観客を対象にした県内のシティーツアーを開催する。メディア、選手・関係者、観客それぞれを対象にした日帰りバスツアーを20回ずつ開催する予定としていて、大会開催の好機を捉えて、本県の観光をしっかりとPRしていく。
さらに、ツアーの実施と併せてSNSのハッシュタグキャンペーンを実施し、ツアー参加者による本県の魅力や観光情報の発信を促すことで、大会終了後の個人旅行者を中心としたさらなる誘客につなげていく。
【委員】
昨年の視察ツアーは78人が参加し、そうした経験を通して次年度の具体的な取組として、選手・関係者や観客、メディアなどを対象としたシティーツアーの実施で、愛知県の魅力を世界に発信することは極めて有効だと考える。愛知県らしさを存分に体験できるツアーとなることを期待する。
次に、ランドオペレーターについて伺う。
国内には旅行サービス手配業者として2,000社以上が登録されているが、実際に海外旅行会社の手配を担うランドオペレーターは数百社規模にとどまるとされている。特に株式会社JTBグローバルマーケティング&トラベルや株式会社KNT-CTグローバルトラベルなど、大手のランドオペレーターは、宿泊、飲食、体験の手配力、商品造成力、海外旅行会社とのネットワークを背景に、訪日旅行商品の造成に大きな影響力を持つと言われている。次年度の事業では、ランドオペレーターと県内観光関係事業者との商談会を開催するとともに、ランドオペレーターを招請し、本県の視察ツアーを実施するとのことである。商談会開催や視察ツアーの実施自体は重要だが、どのランドオペレーターに声をかけるのか、どの規模の事業者をターゲットにするのかといった戦略性がなければ、本県を周遊するツアーの造成にはつながらない。
そこで伺う。
次年度の商談会開催に当たって何社程度に声をかける予定なのか。また、招請するランドオペレーターはどの程度の事業規模を想定しているのか伺う。
【理事者】
次年度開催する商談会は、東京都で1回、愛知県で1回の計2回を予定しており、いずれも10社程度のランドオペレーターの参加を予定している。アジア地域からの誘客に強みを持つランドオペレーター、具体的には、東アジア・東南アジア地域から日本への送客実績が十分にある国内のランドオペレーターに参加してもらう予定としており、東京都開催では首都圏を拠点に活動するオペレーター、愛知県開催ではこの地域を拠点に活動するオペレーターのほか、関西圏のオペレーターにも声をかける予定である。
次に、ランドオペレーターの県内視察の実施については、国内のランドオペレーターからは、自分が知らない観光地を海外の顧客に売り込むことは難しいといった声もあることから、オペレーター各社の希望も取り入れて、県内視察ツアーを企画・実施し、実際に現地を見てもらうことで海外への積極的な売り込みにつなげていく。
県内視察に招請するランドオペレーターについては、本県ツアー造成に意欲的で、アジア圏からの訪日旅行を扱っているオペレーターを5社程度選定したいと考えている。各社の事業規模については、現在主流となっている個人旅行者向けの周遊ツアーの造成に関しては、中小規模のランドオペレーターでも十分対応可能であることから、大手以外の中小規模の事業者についても対象にしていきたいと考えている。
アジア・アジアパラ競技大会の開催により、アジア地域における本県の知名度が飛躍的に向上するこの好機を捉え、ランドオペレーターとの商談会や本県への招請を行うことで、県内周遊ツアー商品の造成を促進し、アジア地域からの誘客拡大につなげていく。
【委員】
言うまでもないが、ランドオペレーターはインバウンド誘客の肝であるので、引き続き検討を深めていってほしい。
続いて2項目、愛知「発酵食文化」振興協議会負担金について伺う。
世界的に発酵食への関心は高まっており、民間調査会社での推計では、世界の発酵食品市場は、2023年時点で約9,000億円規模、2030年には1.5兆円規模に拡大するとされている。健康志向の高まりやアジア食文化への関心の上昇が背景にある。
こうした潮流の下、2024年5月に愛知「発酵食文化」振興協議会が設立され、本県の発酵食文化の振興と国内外からの誘客につなげる取組が進められていると承知している。
また、昨年10月には愛知県の発酵食を生かしたメニューを提供するなど、所定の要件を満たした飲食店を登録するあいち発酵食の館登録制度が創設された。発酵食文化は愛知県が重点を置く体験型観光との親和性が高く、地域全体の魅力向上につながる取組として期待している。
そこで伺う。
発酵食文化を活用した観光資源の魅力を国内外に広くアピールしていくため、今後どのような取組を進めていくのか伺う。
【理事者】
国内外へのアピールという点で、三つほど、新年度に予定している取組を説明する。
一つ目は、あいち発酵食の館登録制度を軸にした店舗横断型のあいちの発酵食フェアの開催である。これは旅行客にとって愛知県の発酵食文化に触れられる最前線が飲食店であることを鑑み、あいち発酵食の館の登録店と協働して、店舗横断型の全県的なフェアを開催するものである。フェアの開催に当たっては、試食を兼ねたメディア向けの発表会を開催し、広く周知を図っていきたい。
二つ目は、アジア・アジアパラ競技大会のメディアセンターに来ている、主に海外メディアを対象とした本県の発酵食スポットを巡る視察ツアーである。実際に本県の発酵食スポットを見たり、体験コンテンツに参加したりしてもらうことを通じて、アジア各国での記事掲載や情報発信を促して、本県の発酵食文化の認知向上につなげていく。
最後、三つ目は、旅行商品の創出支援の取組として、蔵元等の事業者のコンテンツ造成を支援するプログラムの提供を予定している。具体的には、インバウンドを対象に発酵食文化を活用したコンテンツを造成しようとする蔵元や飲食・宿泊事業者に対して、集団研修とマンツーマンでの伴走支援を実施する。それぞれの事業者が抱える課題を聞き取った上で、専門家などによるきめ細かな支援を実施し、受入れ態勢の改善やコンテンツの造成、販売、プロモーションを行える事業者の育成につなげていく。
これらの取組を通じて、発酵食文化を活用した観光資源の魅力を国内外に広くアピールしていきたい。
【委員】
具体的な取組内容について承知した。今後ともこれらの取組を着実に進めてほしい。
最後に、通訳ガイドの育成について伺う。
発酵食は食文化ツーリズムとして、体験型旅行商品との親和性が非常に高く、本県の重要な地域観光資源である。しかし、外国人観光客が蔵元などを訪れた際には、言葉の壁や文化的背景の違いから十分に魅力が伝わらない、そういったケースも見受けられる。そこで重要になるのが通訳ガイドの役割である。
北海道や京都府、長野県など、観光先進地では、インバウンドを想定したガイド育成を自治体が主体となって進めている。本県においても、体験型観光の造成とセットでガイド育成を強化することが不可欠だと考える。
そこで伺う。
今年度通訳ガイドを育成する講座を開催したと承知しているが、どのような立ち位置の人が、何人参加したのか。また、その講座の内容はどのようなものだったのか。そして新年度からも継続して実施していくのか伺う。
【理事者】
今年度実施したガイド育成プログラムは、愛知県の発酵食文化の魅力を外国語で通訳できるガイド人材の育成を目的としたもので、県内在住または在勤で、一定程度の英会話力を有する人を対象に募集を行った。その結果、定員10人の枠に対し、39人もの人々から応募があったことから、定員を12人に拡大して実施した。
プログラムは、愛知県の発酵食文化に関する基礎講座や、既に発酵食の通訳ガイドとして活躍している専門家から実践的な知識を学ぶ講座、さらには、実際に蔵元において現地ガイドを実践する実習など、全6回で構成し、無事全員に修了証を交付した。
受講者アンケートでは、12人全員から、このプログラムは期待以上だったとの評価を得ており、非常に高い満足度が示されたほか、一部の受講者からは、早くもこのプログラムで学んだ内容を実際のガイドツアーの場で生かしているとの声ももらった。
このように、非常によい成果を出すことができ、当課としても愛知県の発酵食文化をインバウンドにアピールするのにガイドの育成が非常に大きな可能性、そして重要性を持っていることを改めて認識できたので、令和8年度においても継続して実施していきたい。
【委員】
本県が体験型観光を柱としてインバウンド誘客を進めていくためには、体験素材の造成やOTAを活用した海外発信に加え、その魅力を確実に伝えられるガイド人材の育成とネットワーク形成が不可欠である。発酵食文化、モノづくり、伝統産業といった愛知県ならではの地域資源は、その背景にある歴史や技術、地域の営みを理解して初めて価値が伝わる。まさに観光資源を伝えるのは人であり、ガイドの存在が体験の質を左右し、ひいては本県の観光ブランドを形づくるものであると考える。ぜひ新年度に向けて、ガイド育成を体験型観光政策の中核に位置づけ、県内事業者やDMO、ランドオペレーターとの連携を強化しながら、インバウンドに対応できる人材基盤の整備を進めることを要望し、質問を終わる。
【委員】
それでは私からは、予算に関する説明書(1)の186ページ、第5款第2項第1目商工業振興費のうち、13水素社会実装推進事業費の中の(7)、(8)、(9)に関連して、水素モビリティ導入促進について伺う。
まず燃料電池商用車、いわゆるFC商用車の導入促進について伺う。
経済産業省は水素社会推進法における基本方針に基づき、トラック等の燃料電池商用車の需要が相当程度見込まれ、地方公共団体の意欲的な活動が見られる地域を重点地域に設定し、先行需要を創出するとともに、周辺需要の喚起を図っていくということで公募した。本県は、国の試算を前提に全国一の目標台数である燃料電池商用車7,000台の導入目標を掲げてこの公募に応募して申請したところ、昨年5月、愛知県が中部重点地域における中核地方公共団体として選定されたところである。愛知県では2030年度、燃料電池商用車7,000台の導入目標実現に向けて、燃料電池商用車を活用した物流モデルの実証実験や運送事業者に対する需要喚起のほか、国の支援に上乗せする愛知県独自の車両導入費補助、燃料費補助を行った結果、今年度、燃料電池小型トラック20台、それから燃料電池バス1台が導入されたと聞いている。
まず、来年度2026年度は燃料電池商用車を大型トラック、小型トラック、バス、タクシー、それぞれ何台導入を見込んでいるのか伺う。
【理事者】
2026年度の見込み台数は、自動車メーカーの供給側、運送事業者などの需要側のヒアリングを基に、大型トラック10台、小型トラック10台、バス2台、タクシー50台の導入を見込んでいる。
【委員】
それだけ見込んでいるということだが、今年度と来年度合わせてもまだ100台に満たないので、7,000台までは遠いと思う。
本会議の一般質問の中で、来年度は大規模な水素消費量が期待される大型燃料電池トラック導入支援について、従来の既存の車両導入との差額6分の1補助だったものを全額補助とし、補助上限額を約2,900万円から約6,300万円まで大幅に引き上げる。また、水素と従来燃料の差額の補助率であるが、4分の1を2分の1に拡充するほか、全国初の取組として燃料電池トラックが有料道路を走行した場合、通行料金の2分の1を支援し、燃料電池商用車の導入促進を強力に後押ししていくという答弁があった。
しかし、地元の運送業者に聞いた話では、メーカーに大型のFCトラックの注文を入れているが、2026年に納車は難しいという答えをもらったと聞いた。
そこで尋ねる。
大型の燃料電池トラックの導入支援について、差額の全額補助は2030年度まで継続するのか伺う。
【理事者】
大型燃料電池トラックの導入支援について、当課としては引き続き運送事業者や自動車メーカーなどと意見交換を行い、燃料電池商用車が県内の事業者に1台でも多く導入されるように、そのときに必要となる支援内容を検討し、2030年度燃料電池商用車7,000台導入に向けて支援を継続していきたいと考えている。
【委員】
台数が出ればメーカー側の車両価格も下がるかもしれないが、メーカーの都合で導入した時期がずれると全額補助が半額になったとか、そのようなことにならないように、しっかりと不公平にならないよう対応願う。
次に、燃料電池タクシーについて伺う。
国の支援に上乗せして事業者が幅広く普及している車両と同程度の負担で導入できるよう補助上限額を1台当たり100万円から350万円に引き上げるとともに、水素燃料費と従来燃料費の差額全額を新たに支給する。2030年度まで5年間で250台の導入を目指し、まずはアジア競技大会開幕時までにインバウンド客、そして多くの県民が利用できるよう、来年度、県内事業者によって50台導入するという答弁が一般質問であった。
そこで尋ねる。
国のタクシーの支援対象である脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金との協調した補助になると思うが、答弁にあった補助上限額の値上げ、普及車両との差額350万円の考え方について伺う。
【理事者】
燃料電池タクシーはタクシーとしての架装費込みの価格が約900万円で、国からの支援額約250万円を受けると、事業者が支払う価格は約650万円になると試算している。
一方、現在広く普及しているタクシー車両については、タクシー事業者や車両メーカーへのヒアリングから支払い価格は約300万円とのことであったので、燃料電池タクシーの導入を支援するに当たり、国支援後の支払い価格約650万円と、現在普及している車両導入時の支払い価格300万円の差額である350万円に補助上限額を引き上げたところである。
【委員】
普及しているタクシー300万円というのは恐らくジャパンタクシーのことかと思う。FCタクシー900万円というと新型クラウンのセダンのFCVなのかと思う。私も50台に遭遇するかどうか分からないが、もし街中を走っていたら乗ってみたいと思う。
それでは続いて、水素ステーションの整備促進について伺う。
冒頭述べたように、本県は燃料電池商用車導入促進に関する重点地域の中の中核地方公共団体になった。重点地域における国の支援については、当面の間、中核地方公共団体と準中核地方公共団体に対して行われ、整備費については、中核・準中核地方公共団体は補助率3分の2で、それ以外は2分の1と差別化する。加えて、商用車に対応した水素ステーションの大規模化に対する支援を強化する。一方、移動式や中小規模の水素ステーションの新規整備の支援は縮減するということである。運営費についても、現行の充塡量に応じた補助金減額方式を廃止して、重点地域においては24時間営業を見据えた補助上限額の拡充、既存燃料価格を踏まえた商用車への充塡実績に応じた追加的な支援を受けることができることとなった。また、本県における大規模水素ステーションの整備費では、新規整備や能力増強に対する補助率を4分の1から3分の1へ見直すとともに、新規整備の補助上限額を2億5,000万円から約6億円と大幅に拡充するなど、県内における供給体制の充実に取り組んでいくという答弁があった。大型燃料電池トラックの普及には、対応する大型の大規模な水素ステーションの整備が必須である。
そこで尋ねる。
県内の水素ステーションは現在何か所で、2030年度までに何か所を目指そうとしているのか。また、2026年度は新たに何か所の整備に対して支援するのか。そして、そのうち大規模水素ステーションが何か所になるのか尋ねる。
【理事者】
県内の水素ステーションは現在33か所ある。そのうち24か所が燃料電池商用車が充塡できる水素ステーションとなっている。2030年度までの目標は、燃料電池商用車7,000台に供給するための水素ステーションの整備で、74か所を目指している。2026年度は新規整備1件と既存の水素ステーション改修2件の合計3件の支援を見込んでいる。これらの3件については、燃料電池商用車の普及を図るため、水素の供給能力が高く、大型トラックへの水素充塡が円滑に行える大型水素ステーションである。
【委員】
2030年までに74か所ということであって、こちらのほうも燃料電池商用車が普及しないとなかなか採算的にも合わないので、事業者が二の足を踏んでいる気がする。
ただ、大型のトラック、FCトラックに対応するような大規模な水素ステーションを整備しようと思うと、事業者も準備期間が相当要るのではないか。場所の選定をしてから設計、工事、実用に達するまでに複数年かかる。2030年までに74か所目標であるので、早い段階から事業者からいろいろ聴取して、場所や規模などの情報交換もすることを要望し、私からの質問は終わる。
【委員】
私からは3項目伺う。まず、予算に関する説明書(1)181ページの第1目商工業振興費のうちの(3)海外スタートアップ支援機関連携推進事業費と(4)スタートアップ支援事業費について詳細に教えてほしい。特にスタートアップ支援事業費については先ほど産業部長から公共調達、トライアルだと聞いたが、このほかに何か新規事業があれば教えてほしい。
【理事者】
愛知県では、2018年に策定したAichi-Startup戦略に基づき、8か国20か所の世界でも先進的なスタートアップ支援機関、大学等とMOUを締結するなど、連携関係を構築している。そして、これらの連携機関の協力により、アメリカのテキサス大学オースティン校やバークレー・スカイデック、シンガポール国立大学、中国のTUSホールディングス等と連携した県内スタートアップに対する現地へのビジネス展開に向けたハンズオン支援や、連携国で開催される展示会への出展支援、さらにフランスの支援機関と連携した人材育成プログラム、県内事業会社と海外スタートアップの協業支援など、様々な連携プログラムを実施している。
今年度の実績としては、例えばテキサス大学オースティン校や中国のTUSホールディングスがハンズオン支援を行った県内スタートアップが、県内企業と具体的な協業に向けた契約締結を行ったり、フランスの支援機関と連携した人材育成プログラムの参加者がプログラムを通して磨き上げた事業テーマを発展させた結果、アフリカのスタートアップ等と共同して、新興国の医療課題の解決に資する新規事業を立ち上げるなどの成果があった。
また、このような国別の支援プログラム以外にも、愛知県の産業特性に合った海外スタートアップを国や地域を限定せず、世界中から本県に招聘し、県内企業との協議を支援するAichi Landing Padというマッチングプログラムを行っている。2025年度は海外のスタートアップ150社から応募があり、先行した海外スタートアップ18社と県内企業とのマッチングを180件行った結果、県内企業との具体的な協業前に締結する秘密保持契約が9件締結予定であり、海外スタートアップ13社が新たにSTATION Aiの会員になるなど、県内企業との協業促進や海外スタートアップの誘致といった成果があった。
来年度の取組としては、これまでの取組に加え、新たにシンガポール国立大学の学生の県内スタートアップへのインターンシップ受入れ支援や、アジアの大学発のスタートアップや県内スタートアップに対して、医療とAI、工学の融合を目指した新たな医療ソリューションのアイデア創出を図るプログラム、また、アメリカのテキサス大学オースティン校の専門家による個別相談ができる県内スタートアップ向けのオフィスアワーを実施する予定である。
【理事者】
2024年度より、愛知県、名古屋市、中部経済連合会、名古屋大学等と連携して、国内外のスタートアップ、事業会社、投資家等が一堂に会するグローバルイベント、テックガラジャパンを開催している。1月27日から29日に開催した2回目のテックガラジャパンでは、141のパネルディスカッション、10の国・地域から15社が参加したピッチコンテスト、252件の展示ブース、126のサイドイベントなどが展開され、3日間を通じ、39の国・地域から5,500人を超える人々が参加した。今後は今年12月15日から17日に開催予定の次回テックガラジャパンに向けて、関係者と調整していく。
引き続き、スタートアップ支援事業についてである。
多くの事業が包含されているが、2025年度に引き続き、2026年度も着実に進めていく。
まず、ディープテック推進事業として、本県の産業構造と親和性が高いディープテックスタートアップの支援を実施している。1社当たり最大4,000万円、事業費の総額8,000万円の研究開発費による支援とともに、専門家によるメンタリング、資金調達などの伴走支援を行っている。2025年度は、研究開発費ありに3社、研究開発費なしに2社を採択して、成長支援を行った。
次に、起業家の裾野拡大に向け、小中学生、高校生、高専生、大学生、社会人のそれぞれの段階において、起業家育成に向けたプログラムを実施している。このうち小中高・高専生を対象としたプログラムでは、身近な課題を発見し、自ら解決に向けて主体的に取り組むことを通じて起業を体験する小中高生起業家精神育成事業を実施している。今年度は、計243人の児童生徒が参加し、起業への関心を高めるアントレプレナーシップを醸成した。社会人向けプログラムでは、働きながら起業を目指す社会人を対象として、勉強会やワークショップを実施した。今年度は延べ495人が参加し、2023年度の事業開始からこれまでに10人が起業している。学生向けプログラムでは、主に大学生をターゲットとした短期集中プログラムを実施している。在学中、卒業後の起業に必要な知識、スキルの習得を図っている。2025年度は118人が参加して、同じく25人が起業している。
次に、あいちスタートアップ創業支援事業費補助金、いわゆる起業支援金というものであるが、こちらは、ITや新しい技術などを活用して起業する人に対して、上限200万円、補助率2分の1以内で起業に必要な経費を支給するとともに、経営面に対する伴走支援を行い、事業成長をバックアップしている。今年度は31件を採択している。現在、事業内容を精査中であって、追って支給する起業数も反映する。
スタートアップコンテスト開催事業費である。起業を目指す者を対象とした伴走支援一体型のビジネスプランコンテストを開催するとともに、創業初期のスタートアップを対象に、時流に合ったテーマを設定したピッチコンテストを開催している。今年度はビジネスプランコンテストで3社が入賞して、総額600万円の賞金を授与するとともに、2社がSTATION Aiの会員で、1社が会員となる予定となっている。また、ピッチコンテストは3回実施して、各回3社が入賞、各1,000万円ずつの賞金を授与するとともに、6社がSTATION Aiの会員で、3社が会員となる予定となっている。
次に、スタートアップダイバーシティ推進事業費であるが、イノベーションの素地となるダイバーシティーの実現を図るため、女性起業家支援などのダイバーシティーを推進するためのプログラムを実施している。今年度は三つのテーマを採択して、まず、女性起業家の創出、成長というテーマでは、スタートアップ志向を持つ12人に対して成長支援を行っている。
二つ目の学生のスタートアップの就労では、19人の学生がスタートアップへのインターンシッププログラムに参加している。
三つ目の研究者の有する研究シーズの事業化では、1月15日に様々な分野の企業、スタートアップが集う超異分野学会を開催して、研究者46人が参加した。
最後に、新たな取組として、公共調達促進事業である。
議案質疑でも答弁したが、改めて説明する。スタートアップがさらなる成長を遂げるためには、スタートアップの優れた製品やサービスを公共部門が率先して調達し、その認知度や信頼性を高めることも重要となっている。国においても地方自治法施行令に定める4号随意契約制度の運用により、地方自治体における調達を促進している。
一方、公共調達で導入するに当たっては、その有用性や調達の妥当性を確認することが必要であるので、来年度から新たにSTATION Aiの会員スタートアップの製品等を自治体が試行的に活用するトライアル実施の支援を行う。具体的には、専門家が県庁内の各局や県内の市町村にスタートアップの製品等を通じて解決したいニーズをヒアリングするとともにマッチングを行い、1件当たり200万円、トライアル20件程度の創出を図っていく。その後、各自治体がトライアルした製品等を正式に調達する場合、4号随意契約に必要となる手続面のサポートを行うほか、調達に至った製品等を愛知県のウェブカタログに掲載し、ほかの自治体に情報発信することにより、さらなる調達を促進していく。
【理事者】
私からは、スタートアップ支援事業費のうち、モノづくり中小・中堅企業の新規事業創出を、オープンイノベーションの手法等を活用して、専門家が一貫して支援する取組について説明する。
今年度から新たに、モノづくり中小・中堅企業が持続的に成長し続けるために、自社のコア技術を生かした新規事業創出を支援する事業を実施している。今年度は8社に対して、新規事業計画の策定支援、また、新規事業計画の実行支援を行った。
来年度については、引き続き新規事業創出を希望する企業を募って、その計画策定、実行を支援するとともに、今年度支援した企業の中で、計画の実行に当たり、オープンイノベーション等の手法を進めたいと希望する企業に対して支援していく。
【委員】
幾つか確認する。まず、海外のスタートアップ支援について、8の国と20の機関でこれまでやってきており、来年はシンガポールとの関係が深まるということでよいか。
【理事者】
委員の指摘のとおり、8か国、20の機関と連携関係にあるが、来年度はシンガポール国立大学の学生の県内スタートアップへのインターンシップの受入れ支援だけでなく、アジアの大学のスタートアップや県外スタートアップに対して新たな企業ソリューションのアイデア創出を図るプログラムやアメリカのテキサス大学のオースティン校の専門家に個別相談ができる県内スタートアップ向けのオフィスアワーを実施する予定である。
【委員】
一点確認する。インドは入っていないのか。
【理事者】
個別の事業としてインドは含まれていない。
【委員】
スタートアップ支援事業費の中身について再度確認したい。議場の議案質疑の中で、議員が質問していて、私の聞き違いだったかもしれないが、展示イベントという言葉があり、とても興味を持ったが、新規事業には入っていないのか。
【理事者】
委員指摘の展示の事業については、公共調達事業が新規事業というわけではなく、今年度から行っているスタートアップダイバーシティ推進事業費、この事業の一環としてSTATION Aiの一般エリアでSTATION Ai会員のプロダクトを展示するという取組を始めた。期間については2週間ほどということで少し限定的だが、今年度始めたところである。
【委員】
今年度と言ったか。
【理事者】
そうである。今年度、2025年度の新規事業であるスタートアップダイバーシティ推進事業の一環として展示を行った。
【委員】
今の2項目については結構である。
もう一つ聞きたいが、予算に関する説明書(1)184ページのグローバル・インダストリー出展事業費についても詳細を教えてほしい。
【理事者】
グローバル・インダストリーはフランスで毎年3月に開催され、ロボット、工作機械、部品、素材、デジタルなどの企業約2,500社が出展し、約4万人が来場するヨーロッパ最大級の総合的な産業展示会である。愛知県では2022年5月にフランスのオーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏と覚書を締結したことをきっかけに、2023年3月のグローバル・インダストリーから県内企業が出展する愛知県ブースを毎年設置しており、3月30日から始まる今年の展示会では9社が共同出展する。
この愛知県ブースでは、全体を愛知県が出展、運営するものであり、その中で参加企業がそれぞれのブースを設け、各社の技術、製品等をPRするとともに、愛知県が現地企業等とのマッチングをサポートしている。
これまでに愛知県ブースで出展した企業からは、展示会終了後、欧州企業から連絡があり、取引に向けてやり取りを重ねているだとか、欧州市場の動向などを調査、把握できてよかったといった成果に加え、今回の愛知県ブースへの出展が海外の展示会に赴いてチャレンジするきっかけになったという声を聞いており、欧州でのビジネス拡大に向けた機会として大いに活用してもらえたと考えている。
グローバル・インダストリーはフランスのパリとリヨンで隔年開催されており、来年度は2027年3月にリヨンで開催される予定である。来年度も引き続き愛知県ブースを設置することにより、県内企業の欧州でのビジネスチャンス創出や販路拡大に資することができるよう取り組んでいく。
【委員】
中身をもう少し詳しく教えてほしい。
今9社出展しており、来年も多分同じぐらいの規模だと思うが、金額にして3,100万円ほど出し、愛知県ブースを用意してそれぞれの企業が出る。企業の持ち出しも多分あるのだろうが、それぞれ負担する。渡航費なども入っているということか。
【理事者】
企業の出展費用に関しては、愛知県が全額を負担する。また、ブースの共通装飾施工費も愛知県が負担する。基本的にそれ以外の部分を企業に負担してもらうものである。
請願関係
なし
一般質問
【委員】
私からは、観光デジタルマーケティングの推進について、大きく四点伺う。
まずはじめに、あいち観光戦略2024-2026では、四つの基本方針の一つとしてデジタル化、DXの推進を掲げており、この戦略では旅行者の多くの行動がスマートフォン上で行われている現状を踏まえ、観光のあらゆる場面でのデジタルシフトを進めることが重要であるとされている。また、市町村や地域観光協会が進める観光振興施策についてもデジタル化を促進していくと聞いている。
そこで、市町村や地域観光協会の観光振興施策のデジタルシフトについて、愛知県では具体的にどのように取り組んでいるのか伺う。
【理事者】
愛知県では、観光デジタルマーケティング推進事業として、市町村や観光協会が旅行者の行動の傾向をデータで分析するツールを活用して、観光振興に向けた取組を的確かつ効率的に実施できるように支援を行っている。
具体的な取組としては、旅行者のスマートフォンから得られる位置情報を基に、市区町村や観光スポットを訪れる旅行者の居住地や前後の訪問地、あるいは年代、性別などの傾向を取得、分析できるツールを愛知県が契約して、そのツールを希望する市町村や観光協会がアカウント代のみで利用できる環境を整備している。
さらに、専門家によるデータ分析のツールの操作、活用方法のガイダンスを行ったほか、11月と2月には専門家も交えてデータを活用した取組状況について発表や意見交換を行う報告会を開催している。
【委員】
愛知県が市町村や地域観光協会に対して、旅行者の行動の傾向を分析するツールの提供、報告会等を開催しているとのことであるが、地域全体のデジタル化、DXを図るためには、できるだけ多くの市町村や観光協会がデータ活用に取り組んでいくことが重要であると私は考えている。
そこで伺うが、実際にどの程度市町村等がこうしたツールを利用して、そしてまた報告会に参加しているのか、状況を教えてほしい。
【理事者】
愛知県が利用環境を用意した、旅行者の行動の傾向を取得・分析できるツールであるが、このツールを利用している市町村、観光協会の団体数は、2025年度、今年度は40団体であって、昨年度の35団体から増加している。また、報告会等の参加状況であるが、中間報告会、最終報告会、それぞれあるが、今年度だと11月の中間報告会は約60人、2月の最終報告会は約50人であって、いずれも前年度から大きく増加している。
こういった状況からも、市町村や観光協会におけるデータの活用における関心が高まっていると感じている。
【委員】
35団体から40団体、それから報告会の参加者も増えているということであるが、愛知県が市町村等に利用環境を提供しているもの、旅行者の行動の傾向を分析するツールは、観光をめぐる現状を的確に把握するための有効な手段の一つでもあり、地域ごとの特性を踏まえた施策立案にも大きく寄与するものであると思う。
そこで伺うが、このツールが実際に市町村や観光協会の現場においてどのように活用され、どういった効果につながっているのか、具体的な活用状況を教えてほしい。
【理事者】
旅行者の行動の傾向分析ツールについては、施策の立案や事業効果の検証など幅広く活用されていて、2月の最終報告会の場においても、一部の市町村等がツールの活用状況を参加者の前で報告している。
例えば、知多市からの報告では、毎年2月から3月に佐布里池で梅まつりを開催しているが、県外、愛知県以外からの来場者の出発地を分析したところ、毎年一定数の人が関西方面から来訪していることがデータ分析により分かった。また、この梅まつりでは、梅の最も見頃な時期に駐車場の混雑緩和を目的として公共交通の利用キャンペーンを行っているが、実はこのキャンペーンを実施する前の休日に来場者が増加しているという傾向も確認された。そういったことを踏まえて、知多市では今年度、梅まつりにおいて、自家用車以外での来場者のさらなる増加に向けて、新たに関西方面へのPRを開始、あるいは公共交通利用キャンペーンの日数を増やすことなどを行って効果を分析しようとしている。
他の地域では、蒲郡市の観光協会が6月のあじさい祭りの来訪者の傾向を分析したところ、宿泊者は市内よりも市外が多いことが分かった。その結果を踏まえて、地元では市内での宿泊促進に向けて、入場券をセットにした宿泊プランの設定などについて検討を行っていると聞いている。このほかにもいろいろな形で市町村、観光協会において、それぞれの状況に応じた活用が進められていると認識している。
【委員】
地元の人たちも活用しているということで、私も少しほっとした。最後の質問になるが、市町村による効果的な観光振興施策を実施していくためには、ツールの利用環境の提供、あるいはセミナーの開催など、愛知県からの支援が今後ますます重要になると考えているが、観光を取り巻く環境が大きく変化する中で、最新のデジタル技術やデータ分析を生かすことは、地域の競争力の向上にもつながっていくものであると考えている。
そこで、こうした状況を踏まえて、今後愛知県としてどのような方針の下で取組を進めていく考えなのか伺う。
【理事者】
旅行者のニーズが多様化する中で、的確かつ効率的に観光施策を進めるために、デジタルマーケティング、データの活用の重要性は一層高まっており、市町村等におけるデータ活用の支援も継続して実施していく必要があると認識している。
一方で、愛知県では人事異動等もあり、ノウハウの蓄積に課題もあるので、今後は、愛知県が担ってきた市町村等への支援を一般社団法人愛知県観光協会が中心となって、愛知県も連携して進めていく方向で考えている。愛知県観光協会は、県域全般を対象に、より現場に近いところで活動しており、協会内部にデータ分析に精通した人材を有している。愛知県もこれまで主体的に取り組んでいるので、愛知県と愛知県観光協会が、市町村等のニーズが高い分析ツールの提供、セミナーの開催などの取組を緊密に連携して進めていくことによって、これまで以上に充実した支援が可能になると考えている。
【委員】
最後に要望する。
こうしたデータの活用というのは観光施策の立案をする際には、非常に重要であると思っている。今後も様々なニーズや情報を収集し、さらにデータをブラッシュアップして、引き続き愛知県の観光振興のさらなる発展に向けて予算を確保し、市町村や地域の観光協会に対しても愛知県としてしっかりと支援することを要望して質問を終わる。
【委員】
それでは私からは、労働力の確保の観点での外国人政策について伺う。
まず質問の趣旨として、労働力の確保の手段として、2010年に技能実習生が在留資格として設定され、2019年には特定技能も制度化された。しかし私にとって、外国人材の活用について忘れてはいけないことは、リーマンショックで何が起きたかであると感じている。世間では、仕事を失った多くの日本人が派遣村に表されるように、住んでいた寮を追い出されて、行き場がない失業者であふれていた。一方、外国人に対しては、特に南米から来た外国人に関して、国は母国までの片道切符を手配し、その代わりに二度と入国しないという念書を取り付けて失業者の数を減少させるといった政策を取ってきた。特に私の地元豊田市でも自動車産業に大きな影響、ダメージがあり、同様に保見団地も失業した外国人であふれ、私の知り合いの外国人も結果的に帰国した苦い思い出がある。リーマンショックは企業としての外国人の活用が、単なる労働力の確保と低賃金での企業収益の確保などに加え、環境変化や仕事量が減少した場合の外国人も含めた非正規社員への使い捨てという問題を改めて浮き彫りにしたと感じている。
現在、日本の雇用情勢は人手不足で、多くの企業が労働力の確保に努め、その対応の一つとして外国人の確保が掲げられ、愛知県においても昨年、あいち外国人材受入サポートセンターを開設し、これまで延べ914件の相談対応をしたと承知している。しかし、最近の社会情勢の不透明さ、とりわけトランプ政権におけるウクライナ情勢の仲介状況やベネズエラへの干渉、そしてイスラエルと協調したイラン攻撃といったことから、また同じことが起きることを非常に心配している。現在の外国人も含めた労働力の確保は当然であるとは思うが、生産が順調でよいときが続く前提での政策であり、不景気になることを想定していないことに不安を感じている。
また、賃金における日本人との格差に加え、企業の責務として、忙しいときだけに特化した外国人雇用の確保だけではなく、地域との共生等に関する企業としての対応や生産過多になった場合等における外国人政策の企業の責務、果たすべき役割についても含め伺う。
まず質問の一つ目として、リーマンショック時における愛知県内の外国人労働者を含めた状況と愛知県の対応について伺う。先ほど言った2008年からの、日本を含め世界を巻き込んだリーマンショックでは、豊田市でも自動車産業をはじめ、多くの生産調整、減産が行われてきた。その結果、外国人を含めた非正規労働者が職を失うこととなった。豊田市でも臨時の相談窓口の開設や一時的な住居の提供などに取り組んできた。
そこで、当時の外国人労働者も含めた非正規労働者に対する愛知県の取組状況について伺う。また、取組の成果や反省、外国人も含む多くの人が仕事を失ったことに対して、教訓として何を学んだのかについても伺う。
【理事者】
リーマンショックの際には、中小企業の経営環境が急速に悪化したことから、非正規労働者を中心とした雇用対策が喫緊の課題となった。このため愛知県では、知事をトップとする愛知県産業雇用対策推進本部会議を開催し、非正規労働者や外国人労働者の雇用対策に愛知県全体で取り組んだ。
具体的には、県内8か所に非正規労働者緊急相談窓口を開設し、雇用についての相談体制を整備したほか、非正規労働者等就職説明会や緊急再就職支援セミナーの開催など、再就職支援を強化した。また、求職者が再就職するために必要な知識や技能を身につけられる雇用セーフティネット対策職業訓練の訓練規模をリーマンショック前の約500人から約3,300人へと大幅に拡充した。定住外国人向けには、フォークリフト運転やパソコン操作、介護業務などの職業訓練を実施し、幅広い技能が習得できる機会を提供した。
さらに、国の緊急雇用創出事業基金を活用し、失業後から次の就職先が決まるまでの間、失業者が働くことのできるつなぎ雇用を2008年度から2015年度の8年間で3,476事業、4万1,322人分創出したほか、人材育成を目的とした事業にも取り組んだ。
リーマンショックのような不況下では、非正規雇用者や外国人労働者に最も大きな影響が及ぶことが考えられる。愛知県として雇用を守る迅速な対策を講ずるためには、常日頃から国や市町村、企業と連携して情報収集に努め、関係性を構築しておくことや、発生時には早期に課題を把握することが何よりも重要であると考えている。
【委員】
それでは質問の二つ目として、今年度中小企業の人手不足感が高まる中、国の在留資格制度の見直し等によって、本県産業の担い手として一層期待される外国人材の確保を支援する、あいち外国人材受入サポートセンターが開設されたと承知している。私も11月に訪問し、残念ながら相談対応しているところは見ることができなかったが、事務局から状況について説明を受けた。本会議でも利用状況について触れていたが、従来から外国人と地域との共生については様々な課題があると承知している。もちろん地域との共生については県民文化局が担っていると承知しているが、この政策は単なる雇用の確保としての情報提供や人材のあっせん、マッチングだけでよいのかと感じてもいる。地域との共生について、労働局として、企業に対してどのようにアドバイスなど働きかけを行っているのか、その考え方も含めて伺う。
【理事者】
外国人材に県内企業で活躍してもらうためには、彼らが地域と共生し、地域社会の一員として定着し、安心して生活できることが重要だと考えている。そのためには、外国人材を雇用する企業自身が受け入れた外国人材の生活環境を整え、地域と共生できるための支援を行うことが不可欠であると考えている。
愛知県では、今年度新たに設置したあいち外国人材受入サポートセンターの企業向けセミナーにおいて、就業環境の整備とともに、日常生活へのサポートなど、地域社会の一員として定着するための支援の重要性も伝えている。具体的には、日本での生活に必要となる日本語教育の支援、生活に必要な手続やルールに関するフォロー、また、日本の文化や習慣を理解するためのマナー研修、社内外の交流イベントの開催、参加などに企業として積極的に取り組むよう働きかけている。
【委員】
それでは質問の三つ目であるが、次に、外国人労働者における賃金の在り方について伺う。
同一労働同一賃金という考えがある中、外国人労働者を雇用する企業では、どうしても日本人と比べ、賃金を抑制することが一般的であると私は感じている。派遣社員の場合には、企業が労働に対する賃金を派遣元に支払い、派遣会社が経費として手数料を差し引いた残りを労働者に支払うということは承知している。しかし、直接雇用した場合でも外国人労働者に対しての賃金が日本人と比較しても抑制されていると私は感じている。外国人労働者への賃金状況についてどう認識して、また、企業に対してどのようにアドバイスも含めた働きかけをしているのか伺う。
【理事者】
外国人労働者である技能実習生や特定技能外国人の受入れに当たっては、国が法令等に基づいて定めた制度により、その報酬には日本人が同じ仕事に従事する場合の報酬額と同等以上であることが企業に義務づけられている。また、その他の外国人労働者についても、日本人と同じように労働関係法令に従って適正に処遇されるべきであると認識している。
愛知県では、今年度から実施している企業向けセミナーにおいて、名古屋出入国在留管理庁から講師を招き、報酬の規程をはじめとする外国人材の受入れ制度全般について詳しく説明している。また、県内企業への伴走型支援においても、企業が正しく制度を理解し、適正に対応できるよう専門家による支援も行っている。
【委員】
最後の質問になるが、経済環境の変化は、とりわけ不景気になって、生産調整が減産となり、仕事量が著しく減少し、人手不足から人手が余った状態となり、雇用調整となった場合の対応について伺う。
決してあってほしくはないが、2008年のリーマンショック級の経済環境の激変があった場合、失った住居の確保のためにも当然仕事が必要であるが、日本人や外国人に対して、平時も含め愛知県としてどう対応していくのか伺う。
【理事者】
愛知県ではリーマンショック後に加え、2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大時にも相談体制の整備をはじめ、愛知労働局と連携した合同企業説明会の開催など、様々な雇用対策を進めてきた。今後リーマンショック級の経済的な打撃が再び発生した場合にも、これまでと同様に迅速かつしっかりと雇用の下支えに取り組めるよう、平時から国際情勢や企業の経済動向に注視するとともに、国等の関係機関と連携し、雇用情勢への影響の把握に努めているところである。
仮に不況下となり、雇用情勢が悪化した際には、リーマンショック時等の対応を参考にしつつ、国や市町村、企業などと連携して様々な雇用対策を行うこととなろうかと思われる。外国人労働者に対しては、今年度からあいち外国人材受入サポートセンターを設置していることから、この相談窓口において、多言語で就労に関する相談に対応するほか、専用のポータルサイトを活用し、就労に必要な情報を提供していく。
【委員】
リーマンショック以降、東日本大震災や、自動車でいうとタイの大洪水、急激な為替変動の影響による超円高に加えて、品質問題など多くの課題を乗り越え、順調に回復をした。生産も回復する中で、製造業、中小企業における人手不足が顕著で、本会議でも一般質問を含め多く取り上げられ、外国人材の活用が取り上げられていると認識している。しかし、歴史は繰り返すと言われている。最近の社会情勢を見ると、いつ何時でもリーマンショック級の経済環境の悪化が起こり得る可能性があるからこそ、平時である今、質問した。
また、賃金について、日本人と外国人との格差について聞いた。法的には担保されているようではあるが、実態は大きな乖離があると思っている。ぜひ実態把握に努めてほしいと思っている。
今回質問するに当たって、愛知県の組織上、いわゆる壁を感じた。労働力の確保の観点では労働局、一方で、地域との共生については県民文化局である。当然、県庁内では連携しているとは思うが、やはり縦割りの壁を感じている。ある自治体では、今言った部分を総合的に対応しているところもあると承知している。ぜひ、他の自治体のベンチマークも含め、情報収集してほしいと思っている。
最後に、外国人に係る政策について要望する。今議会でも多くの事業について予算計上している。しかし、その予算はどこから来るのだろうか。その多くは県民の税金である。当然外国人も納税しているとは思うが、外国人を低賃金で働かせ、利益を上げている企業にも、相応分の負担を求めていくことも必要であると感じている1人である。繰り返しになるが、経済環境のよいときだからこそ、環境悪化に伴う政策を今のうちに整備することを要望して質問を終わる。

外国人材受入サポートセンター事業チラシ
【委員】
カーボンニュートラルの実現といった視点で質問する。
本県では、カーボンニュートラル実現に向けた意欲的な取組の一つとして、燃料電池商用車7,000台の導入という目標を掲げ、ちょうど1年前、総決起大会を開催するなど、水素社会の実現に積極的に取り組んでいる。その実現に向けて、車両の購入や燃料、有料道路通行料、水素ステーションの整備に補助をするなどして、目標達成に向けて様々な施策を講じているが、一つ気になることがある。それは水素の質の問題である。水素は製造方法によって再生可能エネルギー由来のグリーン水素、化石燃料由来のグレー水素、グレー水素からCO2を回収したブルー水素などに区分されている。グレー水素は天然ガスや石炭などの化石燃料を利用して作られる水素である。製造過程では多くのCO2が大気中に排出される。ブルー水素も同様に化石燃料を利用して作られる水素である。しかし、CO2回収技術によりCO2の排出を抑制するとともに、回収したCO2を貯留し、他の産業プロセスで利用することが可能になる。グリーン水素のデメリットは製造コストが高いことである。大量の電気を使用し、水を電気分解して生産されるため、ブルー水素の3倍から8倍程度のコストがかかる。燃料電池車は走行時にCO2を排出しないものの、使用する水素がグレー水素中心であれば、ライフサイクル全体では必ずしもカーボンニュートラルに資するとはいえないのではないかと考える。先ほど言ったように愛知県は、車両の購入や走行のための燃料、ステーションの整備といった点には力を入れているが、肝腎な水素の質については、その取組が目に見えない。
そこで質問だが、愛知県は水素の質についてどのように考えているか。また、グリーン水素の供給量を増やすため、あるいはグリーン水素の製造拡大のためにどのような取組をしているのか聞かせてほしい。
【理事者】
委員の指摘のとおり、グリーン水素はその製造過程で二酸化炭素を排出せず、輸入資源に頼らず地産可能である一方、再生可能エネルギーの確保が必要であることから、ブルー水素、グレー水素よりもコストが高いという課題がある。愛知県としては、水素の社会実装の取組の一環として、脱炭素化、エネルギーセキュリティーの観点から、グリーン水素の普及を図っていくことは重要と認識している。今年度、国の水素社会実装推進法に基づく価格差に着目した支援に豊田通商株式会社などが製造するグリーン水素を愛知製鋼株式会社が利用するプロジェクトが認定された。年間1,600トンの水素供給が開始される2030年から15年間、既存燃料との価格差分の支援を受けられるものである。これは大村秀章知事が会長を務める中部圏水素・アンモニア社会実装推進会議で検討してきたプロジェクトであって、今後も愛知県として円滑に事業が開始されるよう支援していく。
また、愛知県が中心となって取り組んでいる中部圏低炭素水素認証制度では、企業が製造、利用する水素について、グリーン水素などの二酸化炭素の排出が少ない水素を低炭素水素として、これまで12のプロジェクトを認証してきた。さらに、前年度より製造量が増加したプロジェクトを奨励する制度を今年度創設し、3社5件を奨励した。
【委員】
グリーン水素の普及を図っていくことは重要と認識しているという上で、想像していた以上に多くの取組をしていることが分かった。
では、それらの取組によって期待できるグリーン水素の供給量と、今回目標としている需要量とのバランスは取れているのか聞かせてほしい。
【理事者】
愛知県では、低炭素水素の認証や奨励の制度運用、国により認定された価格差に着目した支援事業開始に向けた支援をグリーン水素供給に向けた初めの一歩と考えている。中部圏においては、県内企業を中心に、2030年に15万トンの水素需要が見込まれているが、グリーン水素の供給量は需要量を賄うには至らず、バランスは取れていないものと認識している。
今後の取組として、当面は水素の質にこだわらず、2030年度、燃料電池商用車7,000台導入など、水素の需要拡大とサプライチェーン構築支援などの供給拡大を同時に取り組むことで、その後需要が拡大する中、グリーン水素を製造、活用する仲間を増やし、低炭素水素の需要と供給のバランスが取れる状態に近づけるよう、産業競争力の強化と脱炭素化の両立を目指し、引き続きグリーン水素、低炭素水素に取り組む企業の輪を広げていくように取り組んでいく。
【委員】
先ほど答弁があったいろいろな取組は、グリーン水素供給に向けた初めの一歩と考えており、グリーン水素の供給量というのは、需要量を賄うにはバランスが取れていないという認識ということである。それで、当面は水素の質にこだわることなく水素の需要拡大と供給拡大を同時に取り組み、需要が拡大する中で低炭素水素の需要と供給のバランスが取れる状態に近づけるようにしていく、こういった答弁だったと思う。
確かに本年度の7,000台に対する目標の達成車両数や来年度の見込みを聞くと、質のことを論ずるよりも、まずこの目標に近づけて需要を少しでも高めることが大事であり、需要が高まってくると、それに伴って、供給のステーションも整備されてくるため、質よりもまず全体のパイを広げることが大事というイメージかと思う。愛知県の行っている様々な取組は、水素の自動車がどれだけ走ったかということが本来の目的ではないと思うし、また、水素社会が幾ら実現しても、そのことがCO2の削減につながらなければ何ら意味がないと思っている。したがって、今は需要を増やすためにグレー水素にも着眼している。忘れることはないと思うが、質という問題も同時進行、少し遅れるかもしれないが、しっかりやってほしいということを要望して終わる。
【委員】
私からは二点伺いたい。
一点目は、観光の関係で伺う。愛知県の職員自身が、それぞれ担当する中で、愛知の魅力や観光の魅力について、具体的にどのようなやり方で、県外や海外に直接売り込みをしているのか教えてほしい。
【理事者】
愛知県の観光のPRプロモーションでは、よくあるのがホームページ等を通じたもの、そのほかBtoⅭでは観光展、BtoBでは商談会など、地域の観光関係者と旅行会社を結びつける調整を行っている。
愛知県の職員による直接的なPRは、ケースとしてはそれほど多くないと思われる。愛知県としては、地域の関係者が様々な客、旅行会社等にPRする場面を設定するというのが主な取組である。
【委員】
過去に、何で見たのかは覚えていないが、他県の例として、その県の観光担当の職員が直接いろいろなところに売り込みをしていた。先ほどの質問でもあったように、デジタルマーケティングや、情報収集、整理することも極めて大事だと思うし、ランドオペレーターが、インバウンドにとっては大事だという話もあった。愛知県の今までのやり方が分からないが、どこかとどこかをつなぐような仕事をしているというよりは、売り込み先にも直接行くような、私が見た他県の職員のようなことが必要かと思う。
先ほどの外国人旅行者周遊促進モデルの中で、四つの市に対する共通の課題を見つけてくるというのも、現地で見て情報収集したり、地域の魅力を肌身で感じた人間にしか分からないことがあると思う。昨年、愛知県で初めて開催したツーリズムEXPOのときのVISIT JAPANを見に行ったが、熱量がすごく、実際に魅力を感じてきて、それを直接伝えることは、現地、現場に行った人しかできないと思う。今日これ以上何かを言うことはないが、今日のやり取りを聞いていて少し気になったので、デジタルの部分や、新たな事業で、地域もすごくよいと思うが、愛知県で主体的にやっているのであれば、そういったものを肌身で感じた人が直接売りに行く。まさにVISIT JAPANでもバイヤーに直接売りに行くことが効果的だということは、これまでの委員会や一般質問でも質問していたと思うが、熱量を持って、直接何かやれることがあったら、今後ともやっていってほしいと要望して終わる。
続いて二点目だが、世界情勢、特に中東の今の状況の中で、日本の経済を引っ張る、モノづくり愛知としての今後の対策や、どのようにするのかを、まだ動き出しなので分からないことばかりだと思うが、いろいろなことを想定しておかなければいけないので、愛知県としてどのようなことが検討できるのか伺いたい。
もう皆、承知のとおりの状況で、例えばトランプ大統領は、もう戦闘はほぼ完了したという発言もあるが、一方でまだ数か月続くという報道も出ていた。戦力では当然イランは勝てないので、ホルムズ海峡のことも含めて、経済的な負担を世界に与えてやろうということが続く可能性もあり、停戦してもまだそれが続く話もある。当然ながら世界経済、日本の経済、愛知県の経済、モノづくりの生産にも影響が出てきており、聞くところによると、モノづくり企業のサプライヤーで稼働率や生産率を既に落としている、影響が既に出ているという声も聞いている。それに対しての対応として、どのようなことが想定できるのか。それこそ先ほどの過去の経済が大きく悪いほうに動いたときの対策などを伺いたい。
また、違う委員会に関係する話かもしれないが、今、愛知県に限らず日本国民として、少なくとも愛知県の企業でどれくらい中東に進出しているところがあるのか、もし分かれば教えてほしい。最後に、経済産業局ではないかと思うが、この状況なので退避することも考えなければいけないと思う。今はイランだけでなく、中東の湾岸諸国にも影響があるとの報道もあったが、飛行機も全員が一度に乗って帰国できないこともあるだろう。そのため、愛知県内で現地に進出している企業の数や、人の数がもし分かれば教えてほしい。
【理事者】
まず、中東情勢については委員の言うとおりで、先行きが今のところよく分からないという状況ではあるが、我々の関心事としては、まず県内の中小企業がどのような影響を受けているかということであって、私も商工会や商工会議所の経営指導員や、それ以外の支援機関の人に話を聞いた。その人々が言うには、今のところ中東情勢に関して困っているといった声はないし、相談も受けていないということであった。一方で、団体の人々としては、今後の情勢はしっかりと注視していきたいと話を聞いた。
また、愛知県の対応についてだが、我々はこれまでも国際経済秩序が大きく変化して、本県の産業経済に影響が見込まれるような場合には、迅速に緊急経済対策を行ってきた。一例を紹介すると、2008年のリーマンショックでは、この少し前に原油価格が大幅に値上がりし、何か月か前には1バレル140ドルという史上最高値を記録する状況であった。そのときに愛知県が取った対応としては、一つ目は中小企業相談窓口を設置すること。二つ目は資金繰りの支援として、県制度融資において、融資限度額や融資期間といった要件の拡大、それから金融機関に対して個別企業の実情に応じた柔軟な対応をするように要請を行った。それから、職員が各企業を訪問し、状況やニーズを把握することも実施した。
今後も中東情勢は予断を許さない状況であるが、当然そういった動向を注視しながら、国でも国会でいろいろな議論がされているので、国の動きも把握し、県内企業のニーズも踏まえ、必要に応じて適切な対応を取っていきたいと考えている。
【理事者】
今回イランによる攻撃を受けて被害を受けた国として、イスラエル、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、バーレーンなどに進出している県内企業は16社であり、イランに進出している企業はない。
【委員】
もし激しくなった際の避難に関しては、国との連携になると思うが、私がいうまでもなく今までの世界情勢とは全く変わっており、またそのスピード感が非常に早い。国も関税対策をやっていると報道されるなど、戦争に対して対応を取っていると思うが、今までの常識が通用しないとか、今までのスピード感とは全く違う変化で起きていると思うので、より敏感にいろいろと対応を取ってほしいと要望して終わる。
【委員】
私からは、インドとの経済連携について伺う。
本会議の一般質問で、議員が質問した中にもあったが、自民党の県議団で愛知県議会議員の経済連携研究会というものを立ち上げており、その有志で今年の1月終わりに視察団をつくり、8人でインドの3都市を訪問した。順次視察の内容を報告しながら質問したい。
8日間の行程で、最初に入ったのはカルナータカ州のベンガルールというところであるが、IMTEXというインドで最大級の工作機械の展示会で、私は昨年度に引き続いて視察した。視察の内容だけ先に話すが、そこを視察して、翌日ハイデラバードへ移動した。ハイデラバードでは最初にテランガナ州政府との面談を行い、その後テランガナ州の議会を表敬し、上院、下院、それぞれの議長と話をした。それから現地企業視察として、創薬、薬の原料の工場を視察した。その日の夕方にはハイデラバードの政財界の人たちと懇談会を行った。我々は英語が不得手であったため、中身については少し盛り上がりに欠けたかと思う。その翌日にインド工科大学ハイデラバード校に行った。ハイデラバード校は日本のJICAが随分てこ入れをしていて、ジャパンデスクを設置している。その関係者から話を聞かせてもらった。それから、T-Hubという、STATION Aiのようなスタートアップの支援拠点、同じくそのスタートアップの支援拠点に、試作品をつくるハードの部分でフォローできる施設であるT-Worksも視察をした。そして三つ目、デリーへ飛んで、デリーではインド三井物産株式会社を訪問、現地の人たちの話を聞き、ジェトロデリーでの意見交換、その後、愛知県がつくっているインド商工省内にあるインド愛知デスクを訪問し、インドの話を聞いた。最後に、在インド大使館に寄って、書記官から話を聞くという行程で行ってきたが、それぞれの地域で視察した内容について少しずつ質問する。
まず、ベンガルールで行った工作機械展、これについては議員が本会議場で質問をしていて、IMTEXについての愛知県の企業の出展、今後どう支援していくのかということを質問していた。答弁については、これからもあいち国際ビジネス支援センターにおいてジェトロ名古屋と連携した情報提供や相談対応、それをフォローアップしてIMTEXはじめ、県内企業のインドにおける事業展開を支援していくというものであった。
そこで、確認も含めて質問する。まず、出展に支援していくという話だったが、今回我々が面談した出展企業が3社ある。この3社に対して具体的にどんな支援をしたのか。また、あいち国際ビジネス支援センターを通しての出展になっているか伺う。
【理事者】
経済産業局では、インドを含めた海外の展示会、見本市に出展する県内企業に対して、出展費用の一部を補助する事業を行っており、IMTEXに関しては、これまでに昨年度1社、本年度1社の計2社に対して補助を行っている。今年1月下旬に開催された今回のIMTEXについては、米国関税措置への対策を目的として、本年度新たに創設した補助制度を活用してもらい、出展費用の3分の2以内となる50万円を補助した。今回の出展企業には、あいち国際ビジネス支援センターが昨年8月に開催した海外展示会出展に関するセミナーに参加し、出展に関する様々な情報を提供した企業も含まれている。また、あいち国際ビジネス支援センターでは専門家による相談対応や海外への同行を含んだ伴走支援等を行っているので、IMTEXへの出展企業を含め、各社のニーズに応じた支援を今後とも行っていく。
【委員】
2社なので、上限50万円ずつで100万円ぐらい補助したと思うが、昨年視察した際、そのときのIMTEXの視察は中部経済産業局だけではなかった。グレーター・ナゴヤ・イニシアティブという協議会が出しているブースに、愛知県だけでなく、岐阜県と三重県も入っていたと思うが、そこから多くの企業が出展していた。後から触れるインドデスクのことも含めて話をすると、企業がどれくらい負担したのか、あるいはグレーター・ナゴヤ・イニシアティブでどれぐらい負担したのか、詳細は分からないが、少なくとも展示会へ多くの企業が出向き、インドデスクのセミナーを聞いた。今回2社というのはあいち国際ビジネス支援センターのセミナーを通じて出展しているので、インドに対して興味があるというよりも、商売になるから出かけていると思う。大きな人口を抱える、この経済成長著しいインドに何かあるだろうというきっかけとして、出展できるような環境づくりをするのは大変重要なことかと思う。先ほど議案質疑でグローバル・インダストリーの話を聞いたが、そこは3,000万円ほどの費用をかけている。今回は100万円だけではないかもしれないが、ここに少し予算をつぎ込んでもらって、愛知県ブースを出して、例えばアイチ・スカイ・エキスポで経済産業局、観光コンベンション局の両方で作業するような展示会に愛知県ブースなどを出展することによって、ハードルが低くなれば、インドを見てくれることもあると思う。そのようなことができないか。
【理事者】
愛知県でIMTEXに関して補助を行った企業だが、昨年度1社、今年度1社である。
愛知県ブースの設置に関しては、企業が自社技術や製品等を広く発信するだけでなく、本県の産業面の強みなどの魅力もアピールできることや、行政のブースに対する来場者の信頼度を生かして企業の商談を後押しできるといったメリットがある。インドは今後も経済成長が期待できる国であり、その中でもIMTEXはインド最大級の工作機械の展示会であるため、県内企業にとって魅力的な展示会であると認識しているが、愛知県として出展する意義や必要性、県内企業の出展意向、出展規模、費用対効果なども十分検証していく必要があると考えている。
【委員】
昨年もインドのことについて提案したら、同じような答弁だった。恐らく部署が違うのだろうが、海外スタートアップの支援機関について、8か国20機関で、来年度はシンガポールの大学との連携と進歩しているものの、インドについては経済成長が著しいことを認めながら、進展が見えないのはやや残念に思う。
続けて質問する。
ハイデラバードにあるT-Hubは、すぐにでも愛知県と連携が取れるのではないかと思う。テックガラジャパンやAichi Landing Padの参加企業の中にもインドの会社は入っていると思う。このことについてもう少し前向きに、愛知県とT-Hubとの連携、あるいはSTATION AiとT-Hubとの連携について何か考えているか。
【理事者】
委員が視察したT-Hubは、製造試作品の製作施設であるT-Worksとともに、ハイデラバードのイノベーションエコシステムを支える主要拠点であり、本県の連携先として期待できる機関の一つであると認識している。海外の先進的な地域や機関との連携の検討に当たっては、県内企業やスタートアップのニーズ、各地域の産業特性など様々な視点を踏まえ、総合的に考慮するとともに、相手方と交流を重ね、信頼関係を構築した上で具体的な連携につなげていくことが望ましいと考えている。昨年5月に中部経済産業局がT-Hubの担当者を本県に招き、STATION Aiで「インドのスタートアップとイノベーションの最前線~T-Hubが語る最新動向と日印連携の可能性~」と題したセミナーを開催した。そのため、その機会を捉えて、当課の職員もセミナーに参加するとともに、T-Hub担当者とSTATION Aiで面談し、愛知県とハイデラバード両地域のスタートアップ・エコシステムに関する情報交換を行い、愛知県とT-Hubの実務者レベルで交流が可能な関係性を構築できた。
このような中、本年はアジア・アジアパラ競技大会が愛知県内で開催され、本県とアジア各国との交流の機運はより一層高まる年になるため、先ほど説明したAichi Landing Padの2026年度のプログラムについても、例年以上にアジア各国からのスタートアップを招聘する予定である。そのため、来年度のプログラムに参加する海外スタートアップを募集する際には、昨年5月に交流したT-Hubの担当者にハイデラバードやT-Hubのスタートアップへの周知を依頼し、プログラムへの参加を積極的に促すなど、T-Hubとの交流についても着実につなげていきたいと考えている。
【委員】
T-Hubについては前向きな話であった。
T-HubもT-Worksもそれぞれテランガナ州の施設である。そのため、例えばMOUを結ぶとなると、テランガナ州と愛知県でスタートアップ分野を中心に結ぶと、より深い連携ができるのではないかと思い、提案する。
それから、インド工科大学ハイデラバード校、IITHという呼び方をするが、IITHには、JICAが協力してジャパンデスクをつくっている。2022年にはJICAがインド国スタートアップ・イノベーションエコシステム及び日印連携強化策に係る情報収集・確認調査というタイトルで180ページほどの調査書を作っている。そのときからもう既に、テランガナ州について、JICAは注目していたのだと思う。そのような流れの下であるインド工科大学ハイデラバード校なので、ぜひともジャパンデスクへ行ってほしい。中国だと清華大学、アメリカだとテキサス大学オースティン校などと連携をして、スタートアップにより結びつけようという動きをしている。当然横並びであれば、インド工科大学ハイデラバード校も何らかの形で愛知県にとってのメリットになると思うが、この点についてはどうか。
【理事者】
はじめに、インド工科大学ハイデラバード校内に設置されているジャパンデスクの概要について、同デスクのホームページにより確認すると、JICAが日印両政府の合意に基づく協力プロジェクトの一環として、主に次の三つの目的のために運営されている。
一つ目は、日本企業とハイデラバード校の研究者、学生との共同研究やネットワーキングを支援する産学連携の促進である。二つ目は、ハイデラバード校の優秀な学生が日本企業へ就職するための学内説明会の開催などの人材交流、就職支援である。三つ目は、日本の大学とハイデラバード校との協働教育プログラムや研究者交流をコーディネートする学術交流の深化となっている。
また、ジャパンデスクが設置されているハイデラバード校の概要について見てみると、スタートアップの育成を目的としたiTICというインキュベーターを集めた支援施設が複数設置されており、学生や教職員、卒業生、さらには外部の起業家まで幅広く支援しているため、委員指摘のとおり、ハイデラバード校やジャパンデスクと連携することは有意義な取組であると考えている。
一方で、本年2月、ジェトロが名古屋大学を含む東海地区の大学コンソーシアム、Tongaliとの共催で、同じくハイデラバードのT-Hubにおいて、インドの起業家や投資家、アクセラレーターによる講義や一対一によるメンタリングを受けられるT-Hubアクセラレーションプログラムを実施し、名古屋大学や名古屋工業大学、豊橋技術科学大学、静岡大学などの学生9人が参加しており、ハイデラバード校ではないが、同じイノベーションエコシステムの中核をなすT-Hubと当地域の学生による連携した取組が見られる。
このように、ハイデラバードの充実したエコシステムに注目したジャパンデスクの設置や起業家育成プログラムなどの取組が行われているので、本県としても県内企業やスタートアップからハイデラバードと連携した相談があった際には、ジャパンデスクの紹介や起業家育成プログラムなどの有益な情報があった場合は幅広く情報提供を行うなど、ハイデラバードをはじめとしたスタートアップ先進地域と連携した取組への支援に引き続き取り組んでいきたいと考えている。
【委員】
有効だと認めてもらっているのは分かるし、もう既にジェトロを通じてTongaliなどの連携もある。今月の6日に名古屋市とインド工科大学のハイデラバード校が何らかの覚書を結んだという情報もある。
次の質問をするが、テランガナ州の政府でIT産業特別主席事務次官、ジャエッシュ・ラムジャンという人と会った。とても優秀な人で、SNSは万単位のフォロワーがいるぐらいで有名なんだろうと思う。彼のところで取り組んでいる事業というのが、都心エリアの開発、フューチャーシティーという呼び方をしていたが、ヘルスケアやスポーツ、AI、それから国際大学などを振興する、大きなまちをつくるというものであった。
ほかに、あと三つあって、ムーシー川というテランガナ州を流れる川があり、下水が管理されていないから浄化プロジェクトをしたいという話があった。それから、公共交通機関の整備で70キロメートルのメトロの整備を三つ計画していた。
もう一つが、観光について、聖地巡礼の要素を取り入れた仏教関連ツーリズムを考えており、スポーツ振興もやると言っていた。日本に来ると話をしていたので、タイミングが合えば当局にも紹介し、意見交換して具体的な話ができるとよいが、少なくとも、MOUか何かを結んで、何かやれることを探る動きができると大変ありがたいと思う。
また、現地調査した際にいろいろな話を聞いたが、政財界の人たちと話す中で、彼らは、日本人はやることが慎重過ぎると言っていた。互いの考え方を認識した上でやっていくことはとても大事であるし、先ほどIMTEXに出展の手伝いをしてほしいと表現したが、今、現状インドはメーク・イン・インディアといって国内生産を基本としているので、輸入することは考えていない。そのため、現地に来て作ってくれるのであればよいということだが、まだまだ難しい。
本会議場で名前が出た高砂電気工業株式会社という会社の人と現地で会った。そこで聞いたのは、日本が中国進出したときと同じで、現地の企業とタイアップをして進めるとうまくいくという話で、まさに高砂電気工業株式会社はそういった会社である。自分たちの得意とする分野が、違うところでものすごく生きたので、これをものにできそうだと話してみた。
そうすると、現地の人間と深い人間関係をつくれるようなチャンネルをつくらないといけない。デリーでインド愛知デスクを視察して、ここでインド商工省、インベストインディアの担当の人からも話を聞いたし、国のジャパンプラスというところに駐在している花村大樹氏にも話を聞いたが、とにかくインドは中国に進出したときと一緒で、しっかりとしたパートナーをつくって進めないといけないだろう。これは三井物産株式会社も大使館の人たちも言っていた。単独で出ていくわけにはいかないので、そうしたことをやろうと思うとコネクションのあるところで進めるのがよいと思うし、そのためにも取っかかりは例えばIMTEXに出かけて、他の地域の人と商談や面識をつくる。インド愛知デスクは現状、法務と労務のことは弁護士と連携しているおかげで勉強できるが、実際の事業につなげようと思うと具体的な連携先を知っているわけではない。拠点を可能性のあるところにも置くべきだが、デリーでは飽和状態で、起業や産業はできない。ベンガルールも飽和状態に近いと思う。そういった意味で、ハイデラバードはJICAが注目する州であるので、ぜひとも愛知県もそこに注目してほしい。
インドデスクを南部あるいは中部に持っていけとは言わないが、そういった考えについて何かあれば答えてほしい。
【理事者】
インド愛知デスクは2015年に大村秀章知事とインドのモディ首相との合意に基づき、2016年にデリーのインド商工省内に設置され、県進出企業からの相談対応や意見交換会を通じた進出企業間のネットワーク形成等を行うことにより、進出企業を支援することになったという経緯がある。
そのような中で、県内企業のインドへの進出地域はインド全域に広がっているが、これまでも南部など遠方の進出企業からの相談についてもウェブ会議等を活用することにより、円滑に対応している。また、意見交換会についても、インド北部のデリーに加えて、南部のベンガルールで毎年度開催している。
さらに、取引先開拓やインドでの拠点設立等のビジネス上の相談があった際には、インド愛知デスクが委嘱しているインド南部のハイデラバードを拠点とするインドビジネスの専門家に対応の方向性等のアドバイスを行ってもらっており、インド南部への進出に関する相談にも身近に応じることが可能である。加えて、ジェトロがインド南部のチェンナイとベンガルール、その他の地域ではデリー、ムンバイ、アーメダバードに拠点を構えている。特にチェンナイとムンバイでは中小企業海外展開現地支援プラットフォームとして現地在住のコーディネーターを配置し、日本の中小企業に対し、現地パートナー企業候補のリストアップや商談アレンジ等を行っており、ジェトロの現地事務所とインド愛知デスクで一層連携し、県内企業のマッチング支援等を行っていく。
今後もインド愛知デスク、現地専門家、ジェトロとの連携を一層強化し、インド南部も含め、県内企業のインドへの展開を支援していく。
【委員】
専門家やほかの人たちもいるのは知っているし、その1人はインド愛知デスクのサポートメンバーだと承知しているが、愛知県の拠点としておかないと、力が入っているのかわからないと思う。例えば、先ほどの海外のスタートアップ支援機関、大学との連携の中で、フランスは連携先の8か国の中に入っており、そこに出展するグローバル・インダストリーには3,000万円を付けている。お金の付け方だけのことではないが、愛知県として連携するという意思表示があってそこに力が入るものだと思う。なぜそこまでかたくなに進まないのかが理解できないが、ぜひ前向きに願いたい。
今日は委員長も本当は話をしたくてしようがないのだろうが、委員長もメンバーで視察に行って、実態を見ている。産業部長もデリーでは大変世話になったが、インドは大変重要な国だというのを認識していると思うので、何とか積極的な取組を願いたい。
今日はそのつもりで、モディ・ジャケットという、モディ氏がしょっちゅう着ているものを委員長と一緒に向こうで買って、PRしようと思っていたが、合わせていなかったので今日はかぶっていない。
ぜひともインドについて、我々はしっかりとフォローをしたいので、当局としても頑張ってもらうことを願う。
最後に、先ほど言った事務次官もそうであるし、議会にも川嶋太郎議長名で親書を持っていって、アジア競技大会、アジアパラ競技大会があるのでぜひ来てほしいという声かけをしている。実現するかどうかは分からないが、インドはクリケットが好きな国である。私の地元の日進市でちょうど開催されることもあり、積極的に呼んでいるので、来てもらえる際にはぜひ会って、いろいろな情報を交換することを願い、質問を終わる。





