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経済労働委員会審査状況(令和7年12月10日)
経済労働委員会
委員会
日時 令和7年12月10日(水曜日) 午後0時58分~
会場 第7委員会室
出席者
日高 章、細井真司 正副委員長
直江弘文、近藤裕人、田中泰彦、神谷和利、宮島謙治、かじ山義章、
桜井秀樹、阿部洋祐、大久保真一、神谷まさひろ 各委員
企業庁長、企業次長、技術監、管理部長、水道部長、企業立地部長、
関係各課長等

委員会審査風景
付託案件等
議案
第163号 令和7年度愛知県水道事業会計補正予算(第1号)
第164号 令和7年度愛知県工業用水道事業会計補正予算(第1号)
第165号 令和7年度愛知県用地造成事業会計補正予算(第1号)
結果
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第163号から第165号まで
閉会中継続調査申出案件
- 中小企業の振興、次世代産業の育成及び産業交流の促進について
- 労働者福祉の向上、職業能力開発の推進及び雇用対策について
- 観光振興及び国際会議等の誘致について
- 水道事業及び工業用水道事業について
- 用地造成事業について
- 経済産業局、労働局、観光コンベンション局、企業庁及び労働委員会の行政運営について
会議の概要
- 開会
- 議案審査(3件)
(1)理事者の説明
(2)質疑
(3)採決 - 委員長報告の決定
- 一般質問
- 閉会中継続調査申出案件の決定
- 閉会
主な質疑
議案関係
なし
一般質問
【委員】
私からは豊橋浄水場再整備等事業の落札者決定について伺う。
豊橋浄水場再整備等事業において、整備・運営を担うPFI事業者として、先月、特別目的会社(SPC)あいちウォーターイノベーションが、落札者に決定した。本SPCは、総合インフラサービス企業であるインフロニア・ホールディングス株式会社を代表企業として、設計・施工・機械設備・電気制御・水処理技術・エネルギー供給等に関係する合計10社で構成されている。
今回の事業は、水道事業で日本初となる、ビルドトランスファー(BT)プラスコンセッション方式を採用しており、再整備後の施設を県が所有した上で、20年間の運営・維持管理を民間が担う仕組みである。この方式は国際的にも注目される先進的な取組であり、県民の命に直結する水道事業を民間に委ねるため、透明性と監視体制の確立が不可欠である。
本事業には三つのコンセプトが掲げられている。
一点目に施設の老朽化・耐震性の不足への対応、新たな施設への改築、二点目に浄水場施設におけるカーボンニュートラルの実現、三点目に豊橋市、隣接する小鷹野浄水場との連携推進とある。
これらのコンセプトを基に選定が行われたと思うが、それぞれのコンセプトに対しどのような点を評価したのか伺う。
【理事者】
本事業の落札者決定に当たっては、7人の学識者等で構成するPFI事業者選定委員会において、事業提案書の審査を行っている。
審査においては、三つのコンセプトについてそれぞれの視点で、評価を行っている。
一点目の施設の老朽化・耐震性の不足への対応、新たな施設への改築については、水処理施設の省スペース化を図り、浄水施設の一括施工を可能としていること、スムーズな切替工事や再整備期間の短縮が図られ、安全性の高い施工計画となっていることが評価されている。
二点目のカーボンニュートラルの実現については、省エネルギー機器の導入、太陽光パネル、小水力発電などの創エネルギー設備の導入等により、電力使用量を従来比で約35パーセント削減可能な計画となっており、環境面で配慮されていることが評価されている。
三点目の豊橋市との連携については、新たな管理棟や自家発電設備を豊橋市と共同で整備することで合理化を図ることに加え、防犯対策や浄水場見学者の対応など、豊橋市との連携構築に配慮されていることが評価されている。
また、防災・減災への配慮、水質管理、日常保守点検、修繕対応をはじめ、維持管理におけるDXの活用や水素技術の導入など、多岐にわたる観点から、総合的に高い評価が得られている。
【委員】
今回の構成企業には、外国企業として、スペインの大手水道事業者FCCアクアリアが参入している。調べてみるとヨーロッパ第4位、世界第9位の規模を誇り、国際的には豊富な実績を有しているが、日本国内で水道法に基づく直接的な運営実績は乏しいと思われる。国際的ノウハウを生かしつつ、国内企業が補完すると想定されるが、日本の厳格な水質基準や、耐震性能・災害時の緊急対応も必要となる。
国際ルールの下、外国企業の参入は認められているが、日本の安全基準の担保は不可欠である。県民の命に直結する水道事業だからこそ、国際的ノウハウを生かしつつも水の安全が確保できる体制が必要だと考える。
愛知県として、外資参入に伴う監視体制をどのように考えているのか伺う。
【理事者】
今回、SPCを構成する予定の外国企業1社については、外国為替及び外国貿易法、いわゆる外為法の規定に基づき、同社から国への事前届出が行われ、国の安全等の観点から問題ないことを確認している。
また、本事業は、この外国企業にのみ依存しているのではなく、国内企業を代表とするSPC全体の責任で、各構成企業の強みを生かしつつ事業が実施される。その上で、再整備工事、維持管理・運営業務は、施設の耐震基準や水質基準等を遵守することが前提であり、我が国の法令や基準に基づいて実施される。
SPCへの県の監視体制としては、財務諸表や業務状況報告書などを定期的に確認するとともに、抜き打ちでの水質検査、業務状況の現地確認などにより、厳格に監視していく。
また、水質事故や自然災害などの際には、SPCによる応急的な対応だけでなく、他の浄水場からの応援給水など、愛知県による対応が必要と判断される場合も想定されるが、そのような場合でもSPCとの間で密に連携して対応していく。なお、災害時には愛知県が指揮をとり、迅速に対処していく。
このように、モニタリングの体制やリスク管理に万全な対応を図るなどし、県民の安全確保に努めて、愛知県が水道事業者としての最終責任を果たしていく。
【委員】
外資参入の妥当性についてSPC全体で見ていくと理解した。
今回のSPCには中小規模企業も含まれている。PFIやコンセッション方式では効率化イコールコスト削減に偏りやすくなる傾向があるため、単なる経済合理性だけでなく、公共サービスとしての質や持続性を守る視点が不可欠である。
ガバナンス体制の健全性を確保し、運営業務や維持管理体制、業務履行の状況を継続的に監視することは、愛知県が担うべき公共的責務の一部であると考える。愛知県が主体的に関与し、透明性と説明責任を果たすことで、県民に安心を届け、事業全体の信頼性を高めることにつながる。
愛知県は、ガバナンス体制や運営管理の監視をどのように行い、説明責任を果たしていくのか伺う。
【理事者】
本事業では、愛知県による単なるモニタリングのみではなく、愛知県とSPCの双方によるガバナンスの体制を構築し、内部統制と外部統制により対応していく。
具体的には、まず、内部統制として、SPCによるセルフモニタリングを基に、愛知県とSPCの間で実績評価や改善協議等を行うための会議体を現場レベルから経営層までの役職等に応じて構成し、月次や四半期ごとなど定期的に開催する。会議では、事業方針の検討、業務進捗状況の確認、追加投資に対する協議など、運営上の課題等について、迅速に対策を講じていく。
次に、外部統制としては、外部の有識者等で構成する第三者機関を設置する。この第三者機関から、評価・アドバイスを受けた場合には事業運営への反映を検討し、勧告等を受けた場合にはSPCへの是正を愛知県が必ず検討し、必要に応じて改善指示を行っていく。
これらの内部統制と外部統制を組み合わせることで、ガバナンス機能を確保し、品質基準や運営管理の監視を適切に行っていく。
加えて、SPCに対しては、定期的な事業報告書の作成を義務づけており、愛知県はこれをもとに事業進捗や個別取組状況を分析評価する。その結果については、財務状況、運営状況、改善指示の履行状況を含めて公表し、透明性を高めるとともに、県民への説明責任を果たしていく。
愛知県が水道事業者として最終責任を負い、必要に応じてSPCに改善指示を行うことで、県民の安心と事業の信頼性を確保していく。
【委員】
内部統制と外部統制の体制でガバナンスをしっかりと図っていくと理解した。
今の答弁にもあったが、水道事業を民間に委ねるとはいえ、愛知県が手綱を握って安全性と持続可能性の確保に最大限努めてもらいたい。釈迦に説法かもしれないが、やはり前例の無い事業であるため、その点をしっかりと対応するよう要望する。
また、豊橋浄水場は住宅街にあるため、長期間にわたる工事による工事車両の通行や騒音は地域住民の生活環境に直接影響を及ぼすことが想定される。こうした生活上の負担にも十分配慮して速やかに進めるよう要望して質問を終わる。

豊橋浄水場





