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「名古屋コーチン」で初めて羽根でヒナの雌雄鑑別が可能な卵用新系統(NGY6)を開発しました

ページID:0503448 掲載日:2024年1月26日更新 印刷ページ表示
9 産業と技術革新の基盤をつくろう

   コーチン鶏    コーチン卵 

 「名古屋コーチン」は、愛知県が誇るブランド地鶏で、全国的に知名度が高く、肉の歯ごたえとコクのある旨みから「地鶏の王様」とも言われており、近年では、濃厚でコクのある卵黄が特徴の卵も人気が高まっています。
 この度、愛知県農業総合試験場(長久手市、以下、「農総試」という。)は、現在「名古屋コーチン」の卵用系統として利用されている「NGY4(エヌジーワイヨン)」(2000年度開発)に代わる新系統「NGY6(エヌジーワイロク)」を開発しましたので、お知らせします。

1 「NGY6」の特徴

「NGY4」に比べて、以下の点が向上しました。
(1) 名古屋コーチンでは初となる、ヒナの羽根の形が遅羽性(ちうせい)(ヒナの羽根の伸長が遅い個体)の系統であり、速羽性(そくうせい)(ヒナの羽根の伸長が早い個体)系統の雄親と交配することにより、生まれたヒナの雌雄を羽根の形状により容易に鑑別できる。
(2) 特徴的な「桜色」の卵殻色が、より鮮やかな桜色になる。
また、改良当初と比べて卵殻表面に桜吹雪の様な白い斑点が現れる確率が高くなる。
(3) 産卵性が優れている。ふ化後181日~390日の産卵率が8.2%向上、産卵ピークとなるふ化後270日の卵重が8.4%向上。

2 開発の経緯

 農業総合試験場では、1973年から「名古屋コーチン」の系統開発に取り組み、開発した系統は、愛知県畜産総合センター種鶏場(小牧市、以下、「種鶏場」という。)で維持・増殖した後、民間ふ化場に譲渡しています。
 これらの系統は、近親交配により利用期間中に発育能力などが次第に低下してくることから、新たな系統に順次更新する必要があります。
 また、卵用系統では、現在雌親として「NGY4」を利用していますが、生産現場から更なる改良が望まれるとともに、初生(しょせい)ヒナの雌雄鑑別を行う鑑別師の不足や高齢化が問題となっていることから、容易に雌雄鑑別できる方法が求められていました。
 このため、2001年度から「NGY4」に代わる新系統の開発に取り組んできました。

3 今後の予定

(1) 2024年 3月末 「NGY6」の種卵を農総試から種鶏場へ移管し、維持・増殖を開始
(2) 2025年 4月末  種鶏場から民間指定養鶏場へ「NGY6」の種鶏の譲渡開始
(3) 2025年11月末 指定養鶏場から民間指定ふ化場へ「NGY5」(速羽性系統)と「NGY6」を掛け合わせた種卵の譲渡開始
(4) 2025年12月末 指定ふ化場から新卵用名古屋コーチン実用鶏の譲渡開始
(5) 2026年 6月末  名古屋コーチン生産者が「NGY6」を用いた実用鶏の卵の出荷開始

4 関連説明

(1) 「名古屋コーチン」とは、明治半ばに中国のバフコーチンと尾張地方の地鶏を掛け合わせてできた品種です。現在、数ある地鶏の中で唯一、他の品種と交配させていない純粋種です。
(2) 愛知県では1903年から「名古屋コーチン」の育種改良に取り組み、1905年3月10日に国内で初めて養鶏産業向けの実用品種として日本家禽協会から公認されました。この公認日「3月10日」が一般社団法人日本記念日協会に「名古屋コーチンの日」として記念日登録されました。
(3) 「系統」とは、同じ品種の中から形態、能力などに一定の特徴を持たせるため、選抜・交配を繰り返して造成した集団です。
(4) 「実用鶏」とは、鶏肉生産や食用卵採取のため、実際に農家で飼養される鶏のことです。
(5) 「NGY」は名古屋コーチンの「NaGoYa」の頭文字を示し、「6」は愛知県で保有する6番目の系統です。
(6) 愛知県の卵用名古屋コーチンの飼養戸数は52戸で、約81,284羽を飼養しています(2023年2月愛知県農業水産局畜産課調べ)。
(7) 2021年の名古屋コーチン(卵及び肉)の合計産出額は13億円です(「農業の動き2023」)。

表 愛知県が開発した名古屋コーチン系統
系統名 完成年 特   徴 用  途
NGY1 1919年 明治時代からの在来系統を改良 (遺伝資源)
NGY2 1984年 産肉性と産卵性が高い 肉用(雌親)
NGY3 1991年 産肉性が高い 肉用(雄親)
NGY4 2000年 産卵性が高く、卵殻色が良い 卵用(雌親)
NGY5 2011年 卵殻表面の白斑点の出現が高い(速羽性系統) 卵用(雄親)
NGY6 2024年 卵殻色の桜色と白斑点が優れる(遅羽性系統) 卵用(雌親)
NGY7 2017年 産肉性が高い 肉用(雄親)

愛知県の卵用「名古屋コーチン」生産方式

              図 「NGY6」譲渡後の愛知県の卵用「名古屋コーチン」生産方式

5 展示会のお知らせ(報道関係者のみ)

 卵用名古屋コ-チン新系統「NGY6」の完成にともない、報道関係者を対象に、以下のとおり展示会を開催します。

 展示会では、担当研究員が説明を行うほか、「NGY6」の生体及び卵を撮影いただくことができますので、是非御参加ください。

 なお、展示会の参加を希望する場合は、生体の準備の都合もありますので、事前にお申込みくださいますようお願いします。

1.開催年月日

  2024年1月31日(水曜日)11時00分~12時00分(受付時間 10時30分~11時00分)

2.開催場所

  愛知県農業総合試験場 中央研究棟前の広場(芝生)

  受付は中央研究棟1Fで行います。時間内に受付をお済ませください。

3.展示内容

  卵用名古屋コ-チン新系統「NGY6」(雄・雌)、卵及びパネル

4.当日のスケジュール

  10時30分~11時00分 受付(中央研究棟1F)

  11時00分~11時10分 中央研究棟前広場の芝生にて、NGY6系統について説明

  11時10分~12時00分 「NGY6」雄・雌等の写真撮影、質疑応答

  12時00分     終了 

5.申し込み方法

  1月30日(火曜日)正午までに、以下連絡先まで別紙「参加申込書」をメールで提出してください。(同内容を電話でお知らせいただくことも可能です)。

  <連絡先>

   農業総合試験場 研究戦略部技術開発研究室(担当 谷口、荻野)

   電話:0561-41-8964(ダイヤルイン)

   メール:nososi@pref.aichi.lg.jp

6.その他

  • 雨天の場合は、中央研究棟1F研修ホ-ルにて開催します。
  • 防疫の都合、展示会の開催を直前で中止することがあります。また、当日は鶏舎内の撮影はできませんので、あらかじめ御承知ください。

 

展示会のご案内 [PDFファイル/202KB]参加申込書 [Wordファイル/20KB]

このページに関する問合せ先

愛知県農業水産局農政部農業経営課          愛知県農業総合試験場畜産研究部養鶏研究室
農業イノベーション推進室技術調整グループ     担当:美濃口、宮川
担当:橋詰、東野                             電話:0561-41-9558
電話:052-954-6410                   メール:nososi@pref.aichi.lg.jp
内線:3667、3666
メール:nogyo-innovation@pref.aichi.lg.jp

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