ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > 分類からさがす > しごと・産業 > 農林水産業 > 農業 > 果皮が黄緑色で皮ごと食べられる イチジク新品種を開発しました ~本県初のイチジクオリジナル品種です~

本文

果皮が黄緑色で皮ごと食べられる イチジク新品種を開発しました ~本県初のイチジクオリジナル品種です~

ページID:0601580 掲載日:2025年8月22日更新 印刷ページ表示
2 飢餓をゼロに9 産業と技術革新の基盤をつくろう13 気候変動に具体的な対策を

 イチジク画像      イチジク画像

 愛知県におけるイチジク栽培は西三河地域を中心に、盛んに行われており、栽培面積(※1)、産出額(※2)が共に全国1位を誇っています。

 愛知県農業総合試験場(以下、「農総試」という。)は、イチジク新品種「愛知イチジク1号」を開発し、2025年8月7日(木曜日)に種苗法に基づく品種登録出願を行いましたのでお知らせします。
 本品種は県内で最も多く栽培されている果皮色が赤色の「桝井(ますい)ドーフィン」よりも甘味が強く、皮ごと食べることができるため、新たな消費を喚起し、生産者の収益向上が期待できます。さらに、新品種は近年の高温乾燥や急激な降雨といった気象条件でも、収穫ロスが少ないため、安定生産に寄与することができます。

※1 出展:農林水産省 特産果樹生産動態等調査(2022年)

※2 出展:農林水産省 生産農業所得統計(2023年)

 

1 新品種の特徴

・果皮色は鮮やかな黄緑色で、皮ごと食べることができます。強い日差しを浴びるとハト目(※3)周辺にほんのり赤みが差すことがあります。

・既存品種の「桝井ドーフィン」と比べて果実はやや小ぶりですが、糖度が高く、食味の良い品種です。

・露地栽培において、「桝井ドーフィン」より数日遅い8月中旬頃から収穫できます。

・葉は小さく細く、葉と果実の擦れが少ないことから、果実を成らせる枝数を「桝井ドーフィン」よりも多配置することができます。

・高温乾燥や急激な降雨による果実品質への影響が小さく、虫害にも強く、露地栽培でも安定的に収穫することができます。

※3 ハト目:イチジクの果頂部の開口する部分を指します。

2 開発の経緯

 全国トップクラスの本県イチジクのブランド力を強化するため、2013年に農総試において、これまでにない形質を持つ独自品種の開発に着手しました。
 2013年から2020年までに交配で得られた1602系統の内、528系統が雌株(※4)で、その中から果実重が50g以上かつ着果性に優れた5系統を選抜しました。この中から、農総試での果実品質等の調査を経て、果実品質に優れた本品種を選抜し、2022年度から生産者ほ場において現地適応性試験を実施し、2025年3月に開発を完了しました。

※4 イチジクは果実の内側に花が着きますが、雌花しか着かない株(雌株)と、雄花と雌花の両方が着く株があり、食用に向く果実は雌株から穫れる果実です。そのため、品種開発では、早期に雌株を選抜する必要があります。

3 今後の予定

 愛知県内のイチジク生産者に苗木供給し、2030年頃から本格的に出荷が始まる予定です。

4 関連説明

 本県のイチジク生産は、栽培面積107ha(2022年、全国シェア13.2%、出展:農林水産省 特産果樹生産動態等調査)、産出額13億円(2023年、全国シェア18.8%、出展:農林水産省 生産農業所得統計)で全国1位です。

 

2022年産 全国のイチジク栽培面積上位県
順位 栽培面積 全国シェア
1位 愛知県 107.2ha 13.2%
2位 和歌山県 85.2ha 10.5%
3位 福岡県 67.5ha 8.3%
全国 812ha  

(出展:農林水産省 特産果樹生産動態等調査)

 

2023年産 全国のイチジク産出額上位府県
順位 府県 産出額 全国シェア
1位 愛知県 13億円 18.8%
2位 和歌山県 12億円 17.4%
3位 大阪府 9億円 13.0%
全国 69億円  

(出展:農林水産省 特産農業所得統計)

このページに関する問合せ先

愛知県農業水産局農政部農業経営課            愛知県農業総合試験場
農業イノベーション推進室技術調整グループ        園芸研究部落葉果樹研究室
担当:中村、大野                            担当:堀川、坂野
電話:052-954-9410                     電話:0561-41-8968
内線:3667,3666                        メール:nososi@pref.aichi.lg.jp
メール:nogyo-innovation@pref.aichi.lg.jp