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【知事会見】愛知県戦争遺跡調査事業を実施します
2023年は、1963年に愛知県議会において「平和県宣言」が決議されてから60年を迎えます。
また、戦後80年近くが経過し、戦争体験者からの証言を得ることが困難になってきており、戦争の記憶を継承するための戦争遺跡の役割が重要となっています。
しかし、国による戦争遺跡の明確な定義や保存方針が示されない中、開発による撤去や風化による消滅の加速が危惧されます。
愛知県では、1996年から2004年にかけて、県史編さん事業の一環として、戦争遺跡について調査を行ったところです。
この度、先の調査で把握した県内の戦争遺跡についての現状調査を行い、適切な保存・継承に向け対応を検討していくことといたしました。まずは今年度、市町村に協力いただき、基礎調査を実施します。
1 基礎調査の概要
(1)調査時期
2023年11月から2024年2月まで
(2)調査依頼先
県内市町村
(3)調査内容
1) 愛知県史に掲載の戦争遺跡に係る情報提供
「愛知県史 別編 文化財1 建造物・史跡」(2006年刊行)に掲載の305か所の戦争遺跡のうち、各市町村内の戦争遺跡について把握している情報(独自調査の実施、文献の所在等)
2) 市町村において独自に把握している戦争遺跡のリストアップ
上記305か所以外に、市町村において把握している戦争遺跡(県史発行以降に存在が明らかになった戦争遺跡等)に係る情報
2 市町村説明会の実施
(1)日時
2023年11月15日(水曜日)午後1時30から午後4時まで
(2)場所
豊川市平和交流館ガイダンス室
豊川市指定史跡「豊川海軍工廠(とよかわかいぐんこうしょう) 旧第一火薬庫(きゅうだいいちかやくこ)・旧第三信管置場(きゅうだいさんしんかんおきば)」
(豊川市穂ノ原三丁目13-2 豊川海軍工廠平和公園内)
(3)対象
市町村文化財担当職員
(4)内容
ア 戦争遺跡について(愛知県職員)
イ 愛知県戦争遺跡調査事業について(愛知県職員)
ウ 豊川海軍工廠について(施設概要説明・見学)(豊川市職員)
3 今後の予定
今回の基礎調査を基に、2024年度以降に現地調査や文献調査などを実施し、県内戦争遺跡の現状を取りまとめるとともに、適切な保存・継承に向け対応を検討する。
<参考>戦争遺跡について(愛知県史より要約)
概ね明治時代から、1945(昭和20)年の第二次世界大戦終結までの、軍事関連施設及び国内外において戦闘が行われた場所に残された跡
区分 | 具体例 |
---|---|
政治・行政関係 | 官衙(かんが)(省庁)、軍病院 |
軍事・防衛施設 | 飛行場・航空基地、高射砲陣地 |
生産・貯蔵関係 | 海軍工廠(こうしょう)など軍需工場、火薬庫など貯蔵施設 |
戦闘地・戦場関係 | 名古屋などの空襲被災地、広島、長崎の原爆による被爆地跡 |
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