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住民監査請求(中部空港警察署の地盤沈下に係る賃借料等について)の監査結果について

ページID:0620870 掲載日:2025年12月26日更新 印刷ページ表示

 地方自治法第242条第1項に基づき2025年10月31日付けで提出されていた中部空港警察署(以下「中部空港署」という。)の地盤沈下に係る賃借料等に関する住民監査請求について、愛知県監査委員は、本日付けで請求人に対し、別紙のとおり一部棄却・一部却下する旨、監査結果を通知しました。概要は下記のとおりです。

 なお、今回の結果について不服がある場合、請求人は、監査結果の通知を受け取ってから30日以内に住民訴訟を提起することが可能です。

1 請求の内容

 県は、中部空港署が地盤沈下した原因について、建築段階の測量・設計に問題があった可能性が考えられるにもかかわらず、十分な調査・原因究明を怠っている。同じ中部空港島にある中部空港のターミナルビルや滑走路では目立った損傷は確認されていない。

 中部空港署の建築に要した費用(約21億円)及び中部空港の第2ターミナルビル内へ移転して業務を続けるための賃借料(1億6,000万円/年)は、調査の結果によっては、建築業者に損害賠償を請求できる可能性があるのに、十分な調査を尽くさず公金を支出しているから、財務会計上違法又は不当な行為といえる。

 <請求の対象となる財務会計行為>

⑴ 中部空港署の建築費(約21億円)の支出

⑵ 中部空港の第2ターミナルビル内を使用するための賃借料(1億6,000万円/年)の支出

⑶ 中部空港署庁舎の移転・廃止に係る損害賠償請求権の行使を怠る事実

2 判断の要旨

⑴ 中部空港署の建築費(約21億円)の支出 

 支出があった日から1年を経過していることは明らかであり、地方自治法第242条の要件を欠いた不適法な住民監査請求である。

⑵ 中部空港の第2ターミナルビル内を使用するための賃借料(1億6,000万円/年)の支出

 請求人は、建築業者に損害賠償できる可能性があることを理由として支出が違法又は不当であると主張しているが、違法又は不当である旨の指摘としては失当であり、地方自治法第242条の要件を欠いた不適法な住民監査請求である。

⑶ 中部空港署庁舎の移転・廃止に係る損害賠償請求権の行使を怠る事実

 次のアからウまでを勘案すれば、警察本部が設計者又は施工者に対して損害賠償請求権を行使しないことは不合理とはいえず、警察本部が違法又は不当に損害賠償請求権の行使を怠っているとは評価できない。

ア 中部空港のターミナルビルや滑走路が建設された基礎地盤の深度(おおむね10メートル以下)と中部空港署が建設された基礎地盤の深度(おおむね30メートル以上)が同条件でないことからすれば、ターミナルビルや滑走路に損傷がないことをもって、直ちに中部空港署の設計・施工に瑕疵があったということはできない。

イ 警察本部は、原因を特定するために平成25年度から令和6年度までの間に業者に委託して各種の調査等を実施したり、設計者又は施工者に対する損害賠償責任等について判断するために弁護士へ相談する等、沈下の問題に取り組んできた。

ウ 中部空港署の設計及び建築の契約上の瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求権については、行使可能な期間である引渡しを受けた日から10年を既に経過している。さらに不法行為責任に基づく損害賠償請求権については、沈下の原因が特定されておらず、設計者又は施工者の過失等を証明することは困難である上、損害及び加害者を知った時から3年という行使可能な期間を既に経過している。

3 結論​

 請求人の請求のうち、中部空港署の建築費(約21億円)の支出に係る部分及び中部空港の第2ターミナルビル内を使用するための賃借料(1億6,000万円/年)の支出に係る部分については、不適法な住民監査請求であるので却下し、中部空港署庁舎の移転・廃止に係る損害賠償請求権の行使を怠る事実に係る部分については、請求人の主張に理由がないものと認められるので棄却する。

 

別紙 [PDFファイル/220KB]

 

 

 

このページに関する問合せ先

愛知県監査委員事務局監査第一課
企画・特別監査グループ
電話:052-954-6805
メール:kansa@pref.aichi.lg.jp

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