子どもの自殺対策の強化についての意見書 近年、児童生徒の自殺者数は増加傾向にあり、令和4年には統計がある昭和55年以降初めて500人を超えるなど、極めて深刻な状況が続いている。 こうした中、国や地方自治体においては、児童生徒等の心理的ケアを行うスクールカウンセラーや家庭・地域などの関係機関との調整等を行うスクールソーシャルワーカーなどの専門家の学校への配置及び常勤化に向けた取組を推進するとともに、自殺の危険を示すサインに気付き、声を掛け、必要に応じて専門家につなぐゲートキーパーの養成を行っているところである。 しかしながら、自殺の多くは、様々な要因が連鎖する中で起きており、児童生徒においては、学業不振、進路に関する悩みなどに加え、最近ではSNSを利用した誹謗中傷による児童生徒間のトラブル事例なども発生していることから、学校における教員以外の専門家による相談体制の一層の充実を図るとともに、ゲートキーパーの周知・養成を通じて、自殺や自殺対策に関する正しい理解促進を進めていく必要がある。 よって、国におかれては、子どもの自殺対策の強化を図るため、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの配置拡大及び資質向上に必要な財源を確保するとともに、ゲートキーパーの周知・養成に向けた取組への一層の支援を行うなど総合的な取組を推進するよう強く要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和6年3月25日             殿 愛知県議会議長     石井芳樹 (提 出 先)     衆議院議長      参議院議長     内閣総理大臣     文部科学大臣 厚生労働大臣     こども家庭庁長官