「誰もが安心して暮らせる社会」の実現についての意見書 現在、食料品等の生活必需品や原材料等の価格高騰により、低所得世帯を中心とした購入量の削減による実質支出額の抑制や企業収益の減少など、国民生活及び経営環境に深刻な影響を及ぼしている。 国は、昨年11月に、物価高から国民生活を守ることなどを柱とする「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を閣議決定し、所得税及び個人住民税の定額減税等により、国民生活の負担軽減を図ることとしているが、国民の可処分所得を直接的に下支えする所得税及び個人住民税の定額減税は一時的な措置となっている。 また、国民生活の負担軽減を図るためには、物価高騰を上回る継続的な賃上げが必要不可欠であるが、雇用の約7割を支える中小企業等では、発注企業の理解が得られないなどの理由により、労務費などのコスト増加分を適切に価格転嫁できずに経営を圧迫し、賃上げ原資の確保が困難となっていることから、適切な価格転嫁を実現するための取引環境の整備が喫緊の課題となっている。 よって、国におかれては、「誰もが安心して暮らせる社会」の実現のため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。 記 1 国民生活の負担軽減を図るため、本年以降の所得税及び個人住民税の定額減税について、今後の経済や物価高騰の状況に応じて確実に拡充・延長すること 2 価格転嫁の状況が芳しくない発注企業に対する国からの指導等を強化するなど、労務費を含むコスト増加分の全額転嫁を実現する取引環境の整備をこれまで以上に推進すること 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和6年3月25日             殿 愛知県議会議長     石井芳樹 (提 出 先)     衆議院議長      参議院議長     内閣総理大臣     総務大臣     財務大臣       経済産業大臣     中小企業庁長官