国民皆歯科健診の実現についての意見書 現在、我が国では、乳幼児歯科健診や学校歯科健診は義務づけられているものの、健康増進法等に基づく成人に対する歯科健診は義務づけられておらず、成人期以降の受診体制は十分とは言えない状況にある。 近年、歯と口腔の健康は、生活習慣病の予防に資するなど、全身の健康を保持・増進するための重要な要素であることが明らかになり、ライフステージに応じた切れ目のない歯科健診機会を十分確保する必要がある。 本県においては、平成25年3月に、議員提案により「あいち歯と口の健康づくり八○二○推進条例」を制定し、その後の情勢の変化に伴い昨年3月に改正するなど、生涯にわたる歯と口の健康づくりに関し、県民の自主的な取組を促進するとともに、定期的な歯科検診の受診の促進のための啓発等の県民の歯と口の健康づくりに向けた施策を推進しているところである。 こうした中、昨年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2023」において、生涯を通じた歯科健診である、いわゆる国民皆歯科健診に向けた取組の推進を行うことが盛り込まれた。 よって、国におかれては、国民皆歯科健診の実現を図るため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。 記 1 国民皆歯科健診の制度設計等に関する具体的な検討を進めるに当たっては、地方自治体を始めとした関係者の意見を十分に反映させること 2 国民皆歯科健診の実施に関しては、国において十分な財政措置を講ずること 3 国民皆歯科健診の実現と併せて、国民に対して歯と口腔の健康づくりや歯科健診の重要性についての啓発を行うとともに、健診受診後においても定期的な受診の勧奨を行うなど、歯科疾患の発症や再発、重症化予防のための総合的な取組を推進すること 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和6年3月25日             殿 愛知県議会議長     石井芳樹 (提 出 先)     衆議院議長      参議院議長     内閣総理大臣  厚生労働大臣