子どもたちの健やかな成長を守るための保育体制の整備についての意見書 令和3年に全国の保育施設等で発生した事故等は2,347件と過去最多を更新し、園児が送迎バスに置き去りにされて死亡したほか、全国各地で保育士の園児に対する不適切な保育に該当する事案が相次いで発生するなど、子育て世帯の不安が高まっている。 このような事故等の一因として慢性的な人手不足が指摘されており、保育現場の人手不足の解消は喫緊の課題となっている。 こうした中、国は、3歳児において、保育所等が国の定める要件を満たす保育士数を配置した場合には、保育士の賃金等の算定基準となる公定価格の加算措置を行っているところであるが、確実に保育現場における保育士の増員を図るため、保育現場からは保育士配置基準そのものの早期の見直しが求められている。 さらに、保育士がゆとりを持ち、安心して就業を継続するためには、退職理由の多くを占める低賃金や業務量の多さなどの労働環境の整備・改善が必要とされることに加え、令和2年10月1日時点で約103万人にも及ぶ潜在保育士の就業をより一層支援していく必要がある。 よって、国におかれては、子どもたちの健やかな成長を守ることができる保育体制を整備するため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。 記 1 安全・安心な保育の実施のため、保育士配置基準の改善を早急に実施すること 2 低賃金や業務量の多さなどの課題を抱える保育士の労働環境の整備促進を図ること 3 潜在保育士に対する就職相談の実施などの就職支援を拡充し、保育人材の確保のための施策を推進すること 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和5年7月6日             殿 愛知県議会議長     石井芳樹 (提 出 先)     衆議院議長      参議院議長     内閣総理大臣      厚生労働大臣     こども政策担当大臣     こども家庭庁長官