県議会だより 令和5年9月定例議会 6月2日の大雨で被災した農業者の営農継続を支援するためなどの補正予算を可決  令和5年9月定例愛知県議会は、9月27日に開会し、23日間の会期を経て10月19日に閉会しました。その概要をお知らせします。 議員提出議案(意見書)  議会の意思を国政に反映させるため、次の5件の意見書が可決され、衆参両院議長及び内閣総理大臣始め関係大臣等に提出されました。 ●中小企業・小規模事業者における人手不足対策について ●地方財政の充実・強化について ●サーキュラーエコノミーに資する太陽光パネルのリサイクル促進について ●農林水産業に係る軽油引取税の免税措置の継続について ●ギャンブル等依存症対策の強化について 知事提出議案  知事から、9月27日に「令和5年度愛知県一般会計補正予算(第4号)」など15件の議案(予算:2、条例:5、その他議案:8)並びに令和4年度一般会計・特別会計決算12件、公営企業会計決算5件が提出され、提出された議案は、本会議の審議、委員会の審査を経て、すべて原案どおり、可決又は同意されました。 代表質問 10月2日、次の2人の議員が県政各般にわたる問題について、それぞれの会派を代表して質問しました。 □自由民主党  藤原 ひろき 1 行財政運営  (1)県税収入の見通し  (2)今後の財政運営 2 安全・安心な暮らしの実現  (1)令和5年6月2日の大雨を踏まえた防災対策(詳細は下記にて)  (2)安全で安心なあいちの実現に向けた道路ネットワークの強化  (3)障害を理由とする差別の解消の推進  (4)治安対策 3 活力と魅力あふれる愛知の実現  (1)人口問題への対応  (2)観光需要平準化の促進 4 新しい時代に飛躍する愛知づくり  (1)あいちデジタルヘルスプロジェクト  (2)アジア競技大会・アジアパラ競技大会 5 次代を担う人づくり  (1)新規就農者の確保・育成  (2)次期愛知県特別支援教育推進計画の策定   主な質問及び答弁内容 公令和5年6月2日の大雨を踏まえた防災対策 質問 今回の災害の特徴は、県東部において2度にわたって線状降水帯が発生し、大きな被害を招いた点にある。 本県では、地震や風水害など多様な災害に備え「愛知県地域強靱化計画」に基づき防災対策に取り組んでおり、中でも地震防災対策については、愛知県地震防災推進条例に位置付けられる「第3次あいち地震対策アクションプラン」により進められているが、局地的な豪雨災害などに備え、県の防災対策をより一層強固なものにしていく必要があると考える。 今般の災害を受け、風水害対策を含めた防災対策をこれまで以上に進める必要があると考えるが、知事の所見を伺う。 答弁 今般の6月2日の大雨を始め、近年、線状降水帯がもたらす豪雨により各地で甚大な被害が生じており、本県においても豪雨対策の更なる強化の必要性を感じたところである。 このため、7月28日に国土強靱化基本計画が変更されたことを受け、本県の地域強靱化計画を変更し、社会情勢の変化や過去の災害から得られた知見などを反映するとともに、地震対策アクションプランは、風水害対策を盛り込んだ総合的な防災対策の行動計画としてリニューアルし、その根拠である条例についても、改正に向けた検討を行っていく。 □あいち民主   天野 正基 1 今後の財政運営 2 感染症予防計画 3 魅力ある愛知の実現  (1)eスポーツの振興 4 カーボンニュートラルあいちの実現  (1)EVの充電設備の設置促進 5 持続的な本県産業の振興  (1)ロボット産業の振興 6 安全・安心の確保  (1)県営水道・工業用水道事業の老朽化対策  (2)災害時のSNSの活用  (3)DV被害者に対する支援  (4)保育施設における虐待等の防止 7 誰もが活躍できる社会の実現  (1)暴力団離脱者に対する社会復帰支援  (2)不登校対策     ア 校内フリースクールの設置(詳細は下記にて)     イ メタバースを活用した学習機会の提供   主な質問及び答弁内容 校内フリースクールの設置 質問 不登校の子供の中には、教室には入れなくても、学校に来ることはできる子供もいるため、学校内で落ち着いて学習と生活ができる空間や環境を整えることが重要である。校内フリースクールでは、担任教師や学習支援員が配置され、一人一人にきめ細やかな対応がなされているが、県内では設置が進んでいない地域もあり、県教育委員会では、今年度から中学校に校内フリースクールを設置するモデル事業を始めている。 校内フリースクールの設置について、現在の不登校の状況や、今年度のモデル事業の成果を踏まえ、今後どのように進めていくのか、教育長の所見を伺う。 答弁 不登校の数は、近年、特に中学校で急増しており、学びの環境が整った校内フリースクールの設置を促進することは、子供の学びの場を確保するために、大変重要であると認識している。 モデル事業を開始した2校では、新たな居場所ができたことによって、教室に居づらい生徒が安心感をもって自分のペースで学習に取り組んだり、長期間自宅から出ることができなかった生徒が登校できるようになるなど、効果が出てきていると聞いている。今後は、校内フリースクールの効果を県内の市町村に向けて発信し、全ての公立中学校において、不登校の子供たちの学びの場が確保できるよう取り組んでいく。 一般質問 10月3日、4日及び5日の3日間にわたり一般質問が行われ、次の22人の議員が県政の当面する諸課題について質問しました。 □ 鈴木 雅博(自民) 1動物の殺処分減少に向けた取組み 2社会的養護を必要とする子どもたちのための里親委託の推進 3実効性ある広域火葬計画の必要性 □ 政木 りか(自民) 1スタートアップ分野におけるシンガポールとの連携強化 2新たなモビリティサービスの充実を目指したMaaSのさらなる推進 3地域の社会課題の解決を目指すNPOと企業、大学等との連携・協働の推進 □ 松本 まもる(民主) 1市町村のEVごみ収集車の導入促進 2エスカレーターの安全利用の啓発 3特定小型原動機付自転車の交通ルールの周知 □ 加藤 貴志(公明) 1県立高校における不登校生徒への支援と入学者選抜制度の在り方 2子供のSNS被害防止の取り組み 3認知症施策の推進 4航空宇宙産業企業に対する支援の取り組み □ 中村 貴文(自民) 1地域の魅力的な観光資源を活かした国内外からの観光誘客  (1)県内周遊観光の促進  (2)東アジア地域に向けての誘客 2尾張北部地域の幹線ネットワーク整備 □ 江原 史朗(民主) 1愛知県の森林資源の利活用  (1)森林環境譲与税を活用した学童保育施設の木造化  (2)林業労働者の現状  (3)林業労働者の確保・育成 2学習障害を抱える子どもたちの学習環境整備  (1)発達性ディスレクシアの児童数  (2)早期発見を通じた適切な支援 □ 今井 隆喜(自民) 1矢作川水系における大規模農業水利事業 2医療的ケア児等への支援の充実強化 3名鉄名古屋本線・西尾線 新安城駅付近の連続立体交差化 □ 日高 章(自民) 1有機農業を推進するための生産農家の支援 2認知症に理解の深いまちづくりの実現 3自動車産業のEV化に向けた支援 □ 谷口 知美(民主) 1STATION Aiとスタートアップ支援 〜場をつくる〜 2子育ての孤立化防止 〜ヒトは共同繁殖〜 3感染症対策 〜下水サーベイランス〜 □ 村瀬 正臣(自民) 1障害者の地域移行に向けた支援 2国民健康保険の保険料水準の統一 3空家等の活用に向けた規制緩和 □ 平松 利英(自民) 1橋梁流失防止に向けた維持管理の取組 2ペット同行避難対策の推進 □ 藤原 聖(民主) 1防犯カメラの設置による犯罪抑止効果 2県立高校における不審者の侵入防止対策 3外国にルーツのある県民に対する支援  (1)夜間中学校の検討状況  (2)高齢化問題 □ 増田 成美(自民) 1薬物乱用防止 2仕事と子育ての両立支援 □ 成田 修(自民) 1産業空洞化対策減税基金に基づく企業立地支援 2スタートアップ人材採用支援 □ 林 文夫(自民) 1物流における課題への対策  (1)物流の効率化に向けた大型トラック(特殊車両)の利用促進  (2)宅配における再配達の削減取組  (3)宅配のラストワンマイル共同配送  (4)愛知県版「(仮称)物流革新に向けた政策パッケージ」の策定 □ おおたけ りえ(民主) 16月2日の水害への対応と今後の対策 □ 井上 しんや(減税) 1県民税の減税、 国家戦略特区による規制緩和 2児童扶養手当  (1)愛知県が把握している実績  (2)支払いの適正化のための取り組み 3災害発生時の多言語による情報発信  (1)大規模災害発生時の外国人への情報発信  (2)民間ラジオ局を通じた外国人への情報発信 4県民の日学校ホリデー、休み方改革  (1)愛知県から各自治体への説明  (2)教育時間の確保  (3)子どもたちの居場所づくり  (4)休み方改革マイスター企業認定制度 □ 横田 たかし(自民) 1増加する無人駅への対応 2県立高等学校再編の将来構想 3地域の基幹産業に関する学びの機会の創出 □ 阿部 洋祐(民主) 1男性の育児休業取得率の向上と、「孫休暇」制度の導入 2大学生を対象とした給付型奨学金制度の拡充 3災害時における福祉避難所の体制整備 4自動車の盗難対策 □ 浦野 隼次(自民) 1防災・減災の観点を取り入れた市町村のまちづくり計画の策定 2豊橋浄水場再整備に係るカーボンニュートラルの取り組み状況 □ 杉浦 正和(自民) 1AI時代における教育のあり方 2本県における情報セキュリティ対策 □ 末永 けい(無所属) 1コロナワクチン接種開始後に激増する超過死亡と人口問題対策プラン策定 2ロシア・ウクライナ騒動の沈静化とジブリパークを活用した平和外交 3消費者にも大打撃のインボイス導入を許さない県民世論に対する見解 4北尾張中央道の春日井市と名古屋市守山区を結ぶ庄内川新架橋や国道155号新東谷橋の4車線化などによる渋滞対策 委員会 10月10日、11日、12日及び13日に各常任委員会が開催され、それぞれ付託された知事提出議案の審査や一般質問が行われました。 決算特別委員会 一般会計・特別会計決算特別委員会、公営企業会計決算特別委員会が設置され、令和4年度一般会計・特別会計決算12件及び公営企業会計決算5件が付託されました。決算は議会閉会中に継続して審査が行われることとなりました。 〈 〉内数字は委員数、◎は委員長、○は副委員長 □ 一般会計・特別会計決算特別委員会〈13名〉 ◎鈴木喜博(自民) ○寺西むつみ(自民) 伊藤辰夫(自民) 山本浩史(自民) 神戸健太郎(自民) 丹羽洋章(自民) 山田たかお(自民) 杉江繁樹(自民) 高橋正子(民主) 日比たけまさ(民主) 黒田太郎(民主) 加藤貴志(公明) 神谷まさひろ(無所属) □公営企業会計決算特別委員会〈13名〉 ◎森井元志(民主) ○成田 修(自民) 峰野 修(自民) 山下智也(自民) 今井隆喜(自民) 田中泰彦(自民) 村瀬正臣(自民) 平松利英(自民) 河合洋介(民主) 桜井秀樹(民主) 阿部洋祐(民主) 井上しんや(減税) 園山康男(無所属) 特別委員会委員長の選任 犬飼明佳議員の辞職に伴い、子ども・子育て対策特別委員会委員長が欠員となっていましたが、岡明彦議員(公明)が子ども・子育て対策特別委員会委員長に選任されました。 請願 13件の請願が提出され、関係常任委員会で審査された後、本会議で審議され、すべて不採択とされました。 ※会派は次のとおり略称としました。 (自民)=自由民主党愛知県議員団 (民主)=あいち民主県議団 (公明)=公明党愛知県議員団 (減税)=減税日本愛知県議員団 お知らせ 令和5年12月定例愛知県議会(予定) [会期:12月1日(金)〜20日(水)] ●代表質問:12月5日(火) ●一般質問:12月6日(水)、 7日(木) ●委員会:12月11日(月)〜14日(木) ホームページ 本会議等の日程や質問通告、結果概要などの情報を掲載しています。 本会議及び委員会の会議録について順次掲載しています。 ぜひ、ご覧ください。 https://www.pref.aichi.jp/gikai/ 問い合わせ先:愛知県議会事務局調査課 【電話】(052)954-6742(ダイヤルイン) 〒460-8501 名古屋市中区三の丸三丁目1番2号 令和5(2023)年11月11日発行