県議会だより 令和5年2月定例議会  令和5年2月定例愛知県議会は、2月22日に開会し、27日間の会期を経て3月20日に閉会しました。その概要をお知らせします。 日本の未来を形作るビッグプロジェクトを成功に導き、愛知をさらに飛躍させていくための令和5年度一般会計予算(2兆9,657億円)を可決 議員提出議案 あいち歯と口の健康づくり八〇二〇推進条例を一部改正  各会派から選任された政策条例策定検討会の構成員が中心となり検討を重ねてきた「あいち歯と口の健康づくり八○二○推進条例の一部改正について」が、3月20日の本会議において全員一致で可決されました。  この改正は、平成25年3月の制定から約10年が経過した本条例について、近年の歯科口腔保健を取り巻く状況などを踏まえ、本県の歯と口の健康づくりに対する取組を一層推進することを目的としています。 議員提出議案(意見書)  議会の意思を国政に反映させるため、次の5件の意見書が可決され、いずれも衆参両院議長及び内閣総理大臣始め関係大臣に提出されました。 ●電気料金の高騰に対する支援の拡充等について ●国民健康保険制度の基盤強化や子育て世帯の負担軽減について ●新型コロナウイルス感染症の後遺症対策の強化について ●食料品価格等の高騰を踏まえた介護サービス事業所への支援の強化について ●不登校児童生徒の多様な学びの機会の確保について 知事提出議案  知事から、2月22日に「令和5年度愛知県一般会計予算」や「退職手当平準化基金条例の制定について」など72件の議案(予算:26、条例:22、その他議案:24)が提出され、また、3月14日に「副知事の選任について」の議案が追加提出され、本会議の審議、委員会の審査を経て、本会議での討論の後、すべて可決又は同意されました。 代表質問 3月2日、次の3人の議員が県政各般にわたる問題について、それぞれの会派を代表して質問しました。 □自由民主党  石井 芳樹 1 行財政運営 (1)県政運営に臨む基本姿勢 (2)県税収入の見通し (3)今後の財政運営 2 安全・安心な暮らしの実現 (1)ドクターヘリ運航体制の強化 (2)盛土等による災害の防止 (3)治安対策 3 活力と魅力あふれる愛知の実現 (1)人口減少問題への対応 (2)障害者の文化芸術活動の推進 (3)今後の技能五輪全国大会・全国アビリンピック (4)アジア競技大会・アジアパラ競技大会の開催 4 新しい時代に飛躍する愛知づくり (1)STATION Aiの開業に向けた取組 (2)農業分野におけるイノベーションの創出 (3)県立普通科高校の魅力化 主な質問及び答弁内容 県政運営に臨む基本姿勢 質問 知事の3期12年の県政運営や取組を振り返ると、愛知の未来をつくる大型プロジェクトの推進だけでなく、日々の安心で安全な暮らしを支える施策を推進し、県政の幅広い分野にわたって、きめ細かく全力を注いできた。 社会環境が複雑さを増し、将来の予測が困難である現代において、知事には、県の将来の発展のため、リーダーシップを発揮して、スピード感を持って着実に推進してもらいたいと考えている。 大村県政4期目のスタートに当たり、日本一元気な愛知づくりをどのように進めていくのか、知事の抱負と決意を伺う。 答弁 新型コロナウイルス感染症を克服し、愛知の経済・産業力を更に強くしていく。若者・女性・高齢者・障害者の雇用・活躍につながり、人づくりが進み、地域が元気になるという、愛知の今のいい流れ、好循環を更に前進させ、「働くことを軸とする安心社会」を愛知からつくっていく。 ジブリパークの第2期開園、STATION Ai、アジア・アジアパラ競技大会など、日本の未来をつくっていく大型プロジェクトを丹念に進め、新たな種蒔き、新たな仕掛けづくりに、不断に取り組んでいく。そして、県民すべてが豊かさを実感できる、住みやすさ日本一の愛知、未来へ輝く「進化する愛知」をつくっていく。 □新政あいち   長江 正成 1 今後の財政運営 2 コロナ禍における保健師の育成 3 持続可能な環境社会の構築 (1)カーボンニュートラルあいちの実現 (2)あいち生物多様性戦略2030の推進 4 誰もが活躍できる社会の実現 (1)中小企業等におけるワーク・ライフ・バランスの推進 (2)通常の学級に在籍する子供への特別な教育的支援 5 持続的な本県産業の振興 (1)起業家の育成に向けた取組 (2)うなぎ養殖業の振興 6 更なる愛知の発展 (1)陶磁美術館の運営 (2)MICEの誘致に向けた取組 7 安全・安心の確保 (1)防災航空業務の推進 (2)犯罪捜査の高度化・効率化に向けた取組 主な質問及び答弁内容 カーボンニュートラルあいちの実現 質問 本県は、昨年12月に「あいち地球温暖化防止戦略2030」を改定し、国と歩調を合わせる形で、2030年度に温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減し、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指すことを掲げた。 カーボンニュートラルに向けた取組は、将来にわたって、本県の経済・社会の発展と県民の快適で豊かな暮らしを維持できる、持続可能な新しい社会に作り変えるために不可欠であるので、目標実現に向け、これまで以上にしっかりと取り組むことが重要と考える。 2050年のカーボンニュートラルを実現するため、具体的にどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺う。 答弁 「あいちカーボンニュートラル戦略会議」で選定した「矢作川カーボンニュートラルプロジェクト」など2件のプロジェクトについて事業化に向けた具体的な検討などを行うとともに、今後も民間の有望なアイデアを選定・具体化していく。 また、本県の温室効果ガス排出量の約6割を占める「産業・業務」部門では、再エネの導入目標量を盛り込むよう見直しを行うとともに、中小企業にアドバイザーを派遣して、脱炭素経営に向けた取組を支援する。 今後、こうした脱炭素に資する様々な施策を積極的に展開し、「カーボンニュートラルあいち」の実現を目指していく。 □公明党  木藤 俊郎 1 財政運営 (1)県税収入の見通し (2)今後の財政運営 2 子どもの幸せを最優先する地域づくり (1)子育て家庭への支援 (2)医療的ケア児の通学支援 (3)児童生徒の心のケア (4)ワーク・ライフ・バランスの推進 3 ウィズコロナ・アフターコロナに向けた地域づくり (1)感染症法改正を踏まえた今後の医療提供体制 (2)外国人旅行者の誘致 4 魅力・活力ある地域づくり (1)運輸部門のカーボンニュートラルに向けた取組 (2)矢作川カーボンニュートラルプロジェクト 5 安全・安心な地域づくり (1)交通死亡事故抑止対策 (2)地域における防災対策の充実 主な質問及び答弁内容 子育て家庭への支援 質問 出生数は減少の一途をたどり、本県では2021年に5万3,918人と、ピークであった1973年の12万人超から半数以下となり、過去最少を記録した。全国でみても同様であり、少子化対策はもはや待ったなしの状況である。 国、地方自治体はもちろんのこと、企業・民間団体が密に連携し、若い世代の結婚、妊娠、出産などのライフイベントを応援するとともに、共働き社会の進展などに伴う子育てへの不安や負担を軽減していく必要がある。 子どもを生み育てたいと願う全ての人が、安心して出産・子育てができるよう、県としてどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺う。 答弁 本県ではこれまで、子どもを生み育てたいという希望を持つすべての人々が安心して出産・子育てができるよう、保育サービスの充実、周産期医療体制の整備、ワーク・ライフ・バランスの推進など、総合的な子育て支援に取り組んできた。 特に、保育所整備を積極的に進め、待機児童は着実に減少している。また、安心して出産できる医療体制を整備するため、総合周産期母子医療センターを中心とした全県的なネットワークを構築している。 出産・子育てに関する様々な悩みを 身近な市町村で相談に応じ、ニーズに即した支援につなぐ伴走型支援について、県としてもしっかりと市町村をサポートしていく。 一般質問 3月3日、6日及び7日の3日間にわたり一般質問が行われ、次の21人の議員が県政の当面する諸課題について質問しました。 □ 鈴木 雅博(自民) 1 多胎児支援の充実とオンライン多胎妊娠期教室 2 多頭飼育届出制度の創設 3 豊田市内での県立特別支援学校新設 □ 永井 雅彦(新政) 1 スマートシティ事業の更なる促進 2 付加価値の高い次世代移動サービスの実現 □ 飛田 常年(自民) 1 行財政改革の取り組み 2 ラグーナ蒲郡地区へのアクセス道路 3 サーキュラーエコノミーの推進 4 漁業生産に必要な栄養塩の確保 □ 加藤 貴志(公明) 1 子育て支援におけるDX推進 (1)はぐみんカードの利便性向上 (2)デジタルを活用した多胎児家庭支援 (3)母子手帳アプリの導入 2 母乳バンクの認知度向上 3 男性用トイレへのサニタリーボックスの設置 4 道路の日常管理の現状と今後の取り組み □ 富田 昭雄(新政) 1 教育問題 2 高齢者の介護 3 救急搬送 □ 林 文夫(自民) 1 幼児教育の推進 2 県産木材の利用促進 3 大規模地震に対する道路の防災対策 □ 久野 哲生(新政) 1 ペット同行避難対策 2 「あいち行革プラン2020後半期の取組」 □ 新海 正春(自民) 1 大河ドラマを活用した観光振興 2 通学路における交通安全対策 3 高校生ロボットシステムインテグレーション競技会 □ 村瀬 正臣(自民) 1 教育現場の諸課題 (1)養護教諭の現状 (2)教員の時間外勤務と業務改善の取組み (3)通学路の安全対策 2 市街化調整区域内の空き家対策と開発基準の見直し □ 西久保 ながし(新政) 1 産業人材の育成 2 矢作川カーボンニュートラルプロジェクト 3 AIを活用した交通渋滞対策 □ 成田 修(自民) 1 中小企業のM&A支援 2 ポストコロナにおける観光振興 □ 平松 利英(自民) 1 県立全日制高校における給食の導入 2 愛知県一宮総合運動場の整備・改修 □ 嶋口 忠弘(新政) 1 モノづくり愛知を支える幹線道路整備 2 国際物流を支える名古屋港の機能強化と脱炭素に向けた取り組み □ 近藤 裕人(自民) 1 愛知県の国際戦略 □ 杉浦 正和(自民) 1 本県の農業支援 (1)農産物の輸出 (2)スマート農業の普及 2 新エネルギー産業の創出 □ 樹神 義和(新政) 1 大規模自然災害発生時の基幹的広域防災拠点の運営と情報の共有化 2 経済安全保障への取り組み □ 田中 泰彦(自民) 1 若年層をはじめとした、投票率向上に向けた取り組み 2 学生をはじめとした、性的マイノリティ当事者への対策 □ 杉浦 哲也(自民) 1 少子化対策 2 栽培漁業の推進 □ 鈴木 純(新政) 1 あいち県民の日・あいちウィーク 2 経済産業政策 (1)航空機産業の振興 (2)革新事業創造提案プラットフォーム (愛称:A−idea) (3)イスラエルとのスタートアップの連携 3 防災行政 (1)総合的な災害対策 (2)あいち100万人シェイクアウト □ 犬飼 明佳(公明) 1 あいちデジタルヘルスプロジェクト 2 認知症施策 3 小児及びAYA世代がん患者への支援 4 こどもホスピスに対する支援 5 新川流域の流域治水に関する取組 □ 高桑 敏直(自民) 1 SMART MANUFACTURING SUMMIT BY GLOBAL INDUSTRIE 2 瓦屋根の耐風対策 3 災害時の燃料確保に係る取組 議案質疑 3月7日、8日及び9日の3日間にわたり議案質疑が行われ、延べ53人の議員が議案について質疑を行いました。 委員会 3月10日、13日及び14日に各常任委員会が開催され、付託された知事提出議案の審査や一般質問が行われました。各委員会において審査された議案は、令和4年度愛知県一般会計補正予算などの早く議決を要する議案、令和5年度の愛知県一般会計予算・特別会計予算・企業会計予算のほか次のとおりです。 総務企画委員会 ●退職手当平準化基金条例の制定 ●愛知県手数料条例の一部改正 ●愛知県県税条例の一部改正 ●愛知県職員定数条例の一部改正 ●知事等の給与の特例に関する条例の一部改正 ●包括外部監査契約の締結 県民環境委員会 ●愛知県文化財保護条例の一部改正 ●愛知県環境影響評価条例の一部改正 ●愛知県地球温暖化対策推進条例の一部改正 福祉医療委員会 ●愛知県社会福祉審議会条例の一部改正 ●行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用に関する条例の一部改正 ●愛知県医療療育センター条例の一部改正 ●幼保連携型認定こども園以外の認定こども園の認定の要件を定める条例の一部改正 ●児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正 ●愛知県看護修学資金貸与条例の一部改正 ●旅館業法施行条例の一部改正 ●愛知県ふぐ取扱い規制条例の一部改正 ●あいち健康の森健康科学総合センター(診療所及び関連区域)の指定管理者の指定 ●あいち健康の森健康科学総合センター(診療所及び関連区域以外の区域)の指定管理者の指定 経済労働委員会 ●愛知県国際展示場条例の一部改正 農林水産委員会 ●県の行う土地改良事業に対する市町村の負担金 ●県の行う農村総合環境整備事業に対する市町村の負担金 ●県の行う林道事業に対する市町村の負担金 建設委員会 ●愛知県港湾管理条例及び愛知県入港料条例の一部改正 ●愛知県県営住宅条例の一部改正 ●名古屋高速道路公社の基本財産の額の変更 ●県の行う土木事業に対する市町村の負担金 ●県の行う流域下水道事業に対する市町村の負担金 ●国の行う公園事業に対する名古屋市の負担金 教育・スポーツ委員会 ●愛知県スポーツ施設及び社会教育施設条例の一部改正 ●愛知県立学校条例の一部改正 警察委員会 ●職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正 お知らせ 令和5年5月臨時愛知県議会 次の県議会は5月22日(月)に開かれる予定です。 ホームページ 本会議等の日程や質問通告、結果概要などの情報を掲載しています。 ぜひ、ご覧ください。 https://www.pref.aichi.jp/gikai/ 愛知県議会キッズページ 子どもの皆さんに、楽しみながら県議会を知って もらえるWebサイト「愛知県議会キッズページ」を公開しています。保護者や教育関係の方々も、ご家庭や学校で子ども達と一緒にご覧ください。 https://gikai-kids.pref.aichi.jp 4月9日に執行された愛知県議会議員一般選挙で、102人の議員が当選しました。新議員の任期は4月30日から4年間です。正副議長や委員会の委員・正副委員長は、5月22日に開かれる臨時議会で選任されます。 問い合わせ先:愛知県議会事務局調査課 【電話】(052)954?6742(ダイヤルイン) 〒460-8501 名古屋市中区三の丸三丁目1番2号 令和5(2023)年4月22日発行